かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

エンゼルおおぞら保育園

対象事業所名 エンゼルおおぞら保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人グランディール
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0024
泉区和泉中央北2-2-7
tel:045-443-9002
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 エンゼルおおぞら保育園は、横浜市営地下鉄立場駅から徒歩で3分の位置にある、平成25年4月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く散歩コースに恵まれています。子どもの心を育てることを大切にした保育を目ざし、保育理念は「人生の初期に人から愛されることによって、自分も相手を大切にしようとする心の芽生えを逃さず、身近な人と親しみ関わる中で、人に対する優しい思いやりと、そして人権を大切にする心を育てます」です。定員は54名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時から20時、土曜日は7時30分から16時30分です。小規模園ならではの家庭的な保育を行っています。異年齢保育や、外部講師による体操や英語も取り入れ、子どもたちは明るく元気に活動しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○法人の理念を大切にして、職員が一丸となって保育にあたっています
 園では、乳幼児期は人間形成の一番大切な時期であると考えており、人生の初期に人に愛されることによって相手を大切にしようとする心が芽生え、その心を育てることを保育理念としています。職員は年度初めに、法人の「保育士の心得」「良き保育士の資質」の読み合わせを行い、園長は「自分の子どものように保育してほしい」ことを伝え、理念や保育方針について話をしています。保育士は優しく子どもに接し、子どもの遊びが広がるようにかかわっており、子どもたちがのびのびと育っている様子がうかがえました。利用者調査でも、9割以上の保護者から満足しているとの回答が得られました。


○子どもの感性や体力を育てる取り組みがなされています
 園舎は、天井や壁、床がすべて木材で造られており、温かみのある空間が作られています。1階の階段の下には穴倉と呼ばれている隠れ家的な空間があり、おもちゃがたくさん置かれ、楽しい遊びの場所となっています。季節や暦に合わせてさまざまな製作も行っています。3〜5歳児クラスでは、専門の講師により、月2回英語教室と体操教室を行っています。体力づくりにも力を入れ、天気の良い日には戸外活動を行い、雨の日には室内で体操を行っています。これらの取り組みにより、子どもの感性や体力が育てられています。


○安全でおいしい食事とおやつの提供を心がけています
 食は子どもの体力を作り、心を育て、生きる力と意欲を身につけると考え、安全でおいしい食事とおやつの提供を心がけています。減農薬米を使用し、できるだけ無農薬や減農薬の野菜を使用し、調味料も厳選しています。また、子どもがおいしいと感じる味付けにすることを心がけています。週2回子どもが苦手とする魚料理を出すようにしていますが、味付けの工夫により、子どもたちは毎回完食しています。食育として、野菜の栽培を行い、野菜の成長を感じたり、収穫した野菜を観察したり調理したりすることで、食への関心を育てています。


《事業者が課題としている点》
 地方の保育士養成校と連携したり、横浜市の宿舎借り上げ支援制度を活用して、長く働いてくれる人材の確保をしていきたいと考えています。同時に、職員のスキルアップも重要課題であり、各職員の能力にあった研修参加とともに、本年度から制定した新賃金規定により職員のスキルに合わせた昇給方式を導入し、職員自らの資質向上意欲を高めたい考えです。さらに、園のICT化を進めて事務作業の効率化を図り、保育士の負担を軽減して、資質向上のための時間の確保や、継続雇用を促進したいと考えています。また、ネット環境の急速な成長に合わせて、園と保護者との双方向の情報共有など、新たな付加価値を確立できないか検討しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  エンゼルおおぞら保育園の保育理念は、系列園2か所と同様で、「三つ子の魂百までの諺に示されるように、人間形成の最も大切な時期に慈しみ育てることが生涯を豊かなものとする」となっていて、保育理念、方針ともに明文化されています。職員は入職の際、または職員会議や園内で課題が発生した際に、「保育士の心得」とともに保育理念や方針を唱和しています。保育理念は目標とともに、保護者に配付する「重要事項説明書」の中にも運営方針として記載し、説明しています。理事長は折に触れ、園長や主任に園の理念と保育方針について説明し、園長と主任は理事長の言葉を職員に伝え、周知を図っています。
 職員は子どもを呼ぶ際、「○○ちゃん」「○○くん」と呼ぶことを原則としており、家庭で保護者が子どもを呼ぶ際の呼び名を聞いておき、その呼び名で呼ぶようにしています。主任は自分の担当するクラスだけでなく、ほかのクラスを訪問して、職員の声のトーンは穏やかか、命令口調になっていないか、否定口調になっていないか、保育士の言葉づかいを確認しています。子どもの人格を尊重し、トラブルが発生した際には、子ども自身で解決できるようであれば、そばについて見守ります。子どもの人権について、「子どもの人権」などの外部研修を受講し、研修報告を回覧し、「保育士の心得」を定期的に読み合わせ、園内研修としています。
 職員は入職時に、「秘密保持及び個人情報保護に関する誓約書」に署名しています。個人情報の具体的な取り扱いかたは、入園時に保護者に説明し、行事や園での撮影や園だよりに掲載する写真などについては、同意を得たうえで「個人情報並びに肖像権同意書」に署名捺印をもらっています。個人情報は、事務室の鍵のかかるキャビネットで保管し施錠しています。卒園者の個人情報を廃棄する方法については、開園7年後までに決定することにしています。ボランティアや実習生を受け入れる場合には、守秘義務の意義や目的を周知した後、誓約書への署名を依頼することになっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育方針は、心育て、生命の維持、食育の推進、保護者と地域とともに、となっており、入園説明会や新年度の保護者会で説明しています。園の周辺は一戸建てが比較的多く、近隣との付き合いも緊密です。園の定員は54名、在園児数は50名ほどなので、一人一人に目が行き届き、細やかな対応が可能になっています。保育課程は、保育時間の長短や子どもの発達および家庭の状況に合わせて、それぞれの生活の中で保育目標が達成されることを目ざしています。保育方針の中でも、「保護者が安心して仕事と子育ての両立ができるように支援し、子どもの最善の利益を考慮する」と記しています。
 おもちゃは子どもの発達や年齢に合わせて用意しています。例えば、0〜2歳児クラスでは、布のおもちゃ中心に、大きさも口の中に入れてしまわないよう大きめのおもちゃを取りそろえ、3〜5歳児クラスでは、子どもたちが十分遊ぶことができるよう、ブロックの量を多めに用意したり、ごっこ遊びが発展するようにおままごとの中身もバラエティーに富んだものを用意しています。遊ぶときには、遊びのコーナーを作っています。3〜5歳児クラスでは、おもちゃ箱に写真や絵をはり、自分で取り出して遊ぶことができるよう配慮しています。一斉保育以外の朝夕の時間は自由時間となっており、子どもたちが思い思いのコーナーで自由に遊んでいます。
 居室は0〜1歳児、2歳児、3〜5歳児に分かれています。各部屋には木製の可動式パーテーションがあり、空間を区切ることによって遊びやすくしています。0、1歳児の居室はコンパクトで機能的です。3〜5歳児の居室は大きなスペースを可動式パーテーションでしきっているので、大きな空間を作って全体活動をすることもできます。食事と午睡を同じ空間で行っているため、3〜5歳児は食事の後の着替えを共用部分で行い、その間に軽い掃除をするなど、空間を工夫して使うようにしています。おやつの後は2歳児も3〜5歳児のいる居室に移動します。16時以降は全員が乳児室に集まって、それぞれの遊びや異年齢での交流を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立  年間指導計画を軸にして、月間指導計画や週案を作成し、評価や見直しを行っています。週案は1日ごとに、子どもの活動と指導上の留意点を書き込む書式となっています。0〜2歳児は、月間指導計画の中に個別配慮欄を設け、複数の職員が多面的な視点で、実施した計画について振り返りをしています。担任以外の職員も記入し、職員会議や毎日のミーティングで情報を共有して、現在の子どもの状況を把握するようにしています。保護者には月ごとに、クラスの活動のねらいと内容を記載した指導計画を配付し、日々の送迎の際の会話や、行事ごとのアンケートの自由記載欄から、保護者の要望や意向をくみ取る努力をしています。
 園では、児童票や成長記録等に、子ども一人一人の保育経過を記録しています。個人記録は、個別に冊子になっているものと、クラスごとにファイルされているものに分かれており、それぞれ鍵のかかるキャビネットで保管しています。子どもに関する情報は、必要に応じてキャビネットから出して読むことができ、全職員が共有しています。また、クラスには引き継ぎノートがあり、保育を引き継ぐ際には職員が保育状況をわかるようにしています。進級時の引き継ぎは、「引き継ぎシート」を使って、現在の担任と新任の担任が行っています。引き継ぎシートは、年齢別、クラス全体について、個別配慮等の内容構成となっています。
 配慮を必要とする子どもを積極的に受け入れています。子どもにどのように向き合うかは、個別にミーティングや職員会議で話し合い、必要に応じて専門機関と連携を取り、よりよい支援の方向性を模索しています。子どもの発達状況を見守りながら、月案の中で行った対応と振り返りを記録し、次の計画を立てています。配慮を必要とする子どもを適切に保育するために、「発達障害のある子どものかかわりかた」等の研修を担当職員が受け、研修報告書に記録しています。共有が必要な情報は記録され、いつでも確認できるようにファイリングされています。
4 地域との交流・連携  地域の在宅子育て家庭へ向けて、園の取り組みを知ってもらう機会として行事への参加を呼びかけています。特に、夏祭りは、保育園の取り組みを知ってもらう良い機会となっているため、近隣のスーパーや立場地区センターに夏祭り開催の案内の掲示を依頼し、地域の方への情報提供に努めています。育児相談については、定期的な相談日を設けていませんが、行事の参加者や見学者に対してはいつでも対応できる体制を作っています。また、園庭開放日に育児相談ができることを、掲示板に掲示して受け付けを行っています。
 入園のしおりを作成し、保育園のサービス内容や保育方針等の情報提供を行っています。また泉区のホームページに、園児数や行事内容を掲載しています。保育方針等については法人のホームページに掲載をしています。当園のホームページはリニューアル中で、より幅広く保育園を知ってもらえるように情報発信をしていく予定です。見学者には、玄関に掲示してある職員一覧で職員体制の説明を行い、付加サービスに伴う料金等については口頭で説明をしています。
 見学の問い合わせなどについては、園長が対応窓口となり、わかりやすい説明と、希望者の意向に合わせて日程調整をし、柔軟な対応に努めています。見学の際には、入園のしおりを見学者に渡して、保育方針やサービス内容について情報提供をしています。子どもの活動を実際に見てもらいながら説明を行うため、見学時間は午前または午後に設定しています。園長が不在の場合の問い合わせは、主任が対応をする体制を作っています。今後は、問い合わせに対してだれでも同じ説明ができるように、対応方法などの手順を定めたマニュアルなどを整備するとより良いでしょう。
5 運営上の透明性の確保と継続性  開設初年度より、個々の職員の自己評価を行っています。今年度は、第三者評価の受審に伴い、職員全員が自己を振り返って自己評価票に取り組みました。そして、職員会議等で協議して、園全体の現状を把握し、改善課題を抽出して、園の自己評価を完成させました。今後も、職員会議で話し合った結果を基に園全体で改善に向けて取り組むとともに、保育所としての自己評価を公表していくことを期待します。
 職員が守るべき規範や倫理については「保育士の心得」や、契約書に「勤務上の注意事項」として明文化されています。職員には、採用時と年度初め、年度末に、園内研修を実施して説明し、周知徹底を図っています。経営や運営状況については、NPO法人のため、毎年横浜市に決算報告書と事業報告書を提出しており、横浜市のホームページで公表されています。また、当園での、エレベーターや園児が玄関から出た事故などについては、保護者に事故の経緯と今後の対応について文書で報告しています。他施設で起こった不正や不適切な事例については、職員会議で話し合い、職員が守るべき規範や倫理について再確認しています。
 入職時には、保育理念や保育目標、保育方針を明文化した書類を配付し、職員に周知しています。全員に保育課程を配付して、年度末と年度初めに読み合わせを行い、園長は理解を促すための説明をしています。また、日々の保育の中で、不注意が続くなどの事例があったときは、保育理念や保育方針に基づく保育について話をし、意識の統一に努めています。
6 職員の資質向上の促進  園運営に必要な人材構成については、法人の運営経験を生かして、横浜市の配置基準より多い保育士の配置と、乳児、幼児ともにフリー職員を配置して、職員の急な欠勤にも対応できるようにしています。また、クラス配置は、経験年数に応じて、新人と経験のある保育士を組み合わせるように配慮しています。人材育成については、理事会で職員の経験や能力に応じたキャリアパス(キャリアアップのモデル)要件を定め、人材育成計画を策定しています。園長および主任は、職員一人一人と面談して、自己評価の振り返りをしています。今後は、職員一人一人の目標を定め、到達度の評価を行うことが望まれます。
 経験年数に応じた自己評価表が作成されており、年度末に全職員が自己評価表のチェックと1年間の振り返りを行っています。また、自己評価結果を用いて、年度末に園長と個別面談を行っています。外部からの保育の技術の評価、指導については、当園で行っている体操教室の指導員から、縄跳びやボール遊びなどの指導を受けており、また横浜市戸塚地域療育センターの療育相談や、子どものかかわりかたなどの指導や助言を受けています。
 保育を行うにあたり、保育課程をもとに各年齢ごとに年間指導計画を立てています。年間指導計画には年間目標のほか、1年を4期に分けて期ごとのねらいを表し、養護、教育、食育、環境構成・援助について記載しています。年度末に達成度や保育実践などについて評価を行い、次年度の計画を策定しています。年間指導計画をもとに毎月月間指導計画を立てています。月間指導計画にはねらいと保育内容、環境構成や保育者の援助について記載しており、毎月、子どもの様子と保育の評価を記し、反省と課題を明らかにしています。毎日の保育の様子は保育日誌に記載し、自己評価欄を設けることで保育実践についての評価を行い、週案や日案に生かしています。

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