かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ちゃいれっく前田町保育園(4回目受審)

対象事業所名 ちゃいれっく前田町保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社プロケア
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0804
戸塚区前田町504-33大黒屋三枝木ビル1階
tel:045-829-1305
設立年月日 2004(平成16)年11月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 ちゃいれっく前田町保育園は平成16年11月に開設され、株式会社プロケアが運営しています。JR東戸塚駅より徒歩15分、幹線道路沿いのマンションの1階部分を保育園として使用しており、周辺は高層マンションや住宅に囲まれ、子どもが毎日の散歩や活動に利用する公園などが複数あります。31名定員の認可保育園で、乳児と幼児の部屋で一日を家族のように過ごしています。毎日のリズム運動では、5歳児クラスの側転やスキップ等を年下の子どもたちがいつの間にか見よう見まねでできるようになっています。また、近くの農園に行き、さつま芋やブルーベリーなどを収穫する体験やクッキング保育を通した食育を行っています。このほか手話教室、英語遊び、絵本を通してさまざまなコミュニケーションや表現力の育成にも力を入れている保育園です。プロケアの理念「【こころ】心の豊かさを育む、【からだ】健やかな身体を育む、【生活】主体性と協調性を育む」のもと、子どもたちは明るく元気に活動しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○手厚い人員配置により全員で一人一人の子どもにかかわり、子どもの自主性を育てる保育を実践しています
 小規模園の良さを生かし、0歳児〜5歳児までの全園児の「月別個人指導計画」を毎月作成し、一人一人の子どもの目標を明確にしています。 職員一人一人が子どもたちの個性を大切に考え、できるだけ子どもたちが主体的に動けるように優しく見守り、手厚い人員配置により個別対応を可能にしています。子どもたちが集団保育の中で自らの思いを十分に受けとめてもらい、自分のペースで過ごせる環境を整えるために、職員間で連携するとともに全職員が常に一人一人とかかわり一人一人の子どもについて理解を深めています。また、個別の目標・計画は毎月見直しているほか、子どもの目標が達成できた場合や新たな課題ができた場合などは、職員会議で話し合って、柔軟に変更・見直しを行い保護者の同意を得ています。


○0歳児から食材に触れるなど調理保育年間計画に基づいて調理を行うほか、農作物の収穫に合わせて調理保育もしています
 調理保育年間計画を0〜2歳児用と3〜5歳児用に分けて策定し、毎月調理をしたり楽しい食事会を行っています。0〜2歳児はご飯をビンに入れて振ることでのおにぎり作りやパン生地をこねるなどの調理をし、3〜5歳児は野菜の皮をむいてポトフを、摘んできたブルーベリーを使ってパイを、イカをさばくところを見てからイカ焼きそばを調理しています。また園内で夏野菜を育て、近くの観光農園に行き、いちご、ブルーベリー、じゃが芋、さつま芋、里芋、ピーナツ、大根などの収穫体験を行い、収穫したもので豚汁などの調理を行っています。園で流しそうめんやお別れバイキングを行うこともあり、食材に触れたり、調理をしたり、みんなでワイワイ食べたりすることを通して、生きるもとである食べることを楽しみ、また興味を持てるようにしています。


○さまざまなプログラムを用意して、子どもたちの心身の成長を促し表現力を伸ばしています
 子どもたちがさまざまな体験を通して成長し表現力を伸ばせるように、園では年齢に合わせたプログラムを用意しています。リトミックや英語を0歳児から始め、3〜5歳児は毎日手話の歌をうたい、毎週体操の日を設け、4、5歳児は毎月系列園と合同の絵画の日があります。0〜2歳児は体を動かしたり歌をうたって楽しく過ごすことから始め、3〜5歳児は側転や簡単な英会話ができるようになっています。英語、手話、体操や絵画は専門家の指導を受け、リトミックは保育士がピアノの指導を受けて子どもたちに合わせて行っています。英語の講師は保育にも参加して日常的に英語に触れる機会を作り、子どもたちが遊びの中で英語を使う場面も見られました。また高齢者施設では歌を披露する際に自然に手話が出るなど、子どもたちはさまざまな表現方法を学んでいます。


《事業者が課題としている点》
 職員の資質向上、地域との交流、育児相談の定期化などを今後の課題としています。職員の資質向上では、実践保育の経験を積み上げ、将来リーダー主任になれるような人材育成に取り組んでいきたいと考えています。地域との交流では、園解放や地域コミュニティへの働きかけ等は十分とはいえず、今後の課題としています。育児相談については、園見学に来た方には育児相談に乗るようにしているが、定期的な育児相談までとはいかず、今後の課題であると考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育方針は、「1.多様なニーズに応え、安心安全に預けられる保育 2.子どもたち、一人一人の個性を尊重し長所を伸ばす保育 3.常に家庭的環境を意識し、人間形成の基礎を養う保育 4.豊かな感性を持ち、主体的・意欲的に生活し自分を表現できる子どもに育てる 5.仲間や周りの人々の存在を大切に思い、協力し助け合いを喜びにできる子どもを育てる 6.家庭と心を通わせ共に育て子どもの成長を見守る保育」を保育方針とし、利用者本人を尊重したものとなっています。園目標は「1.げんきな子 2.おもいやりのある子 3.さいごまでがんばる子」です。保育方針や園目標は園内に掲示し、職員会議で確認しています。日々の活動は保育方針に沿って行われています。
 職員は入職時に法人本部の新人研修を受け、子どもへの対応について学んでいます。保育士実務マニュアルNG用語集を職員に配付し園長が説明し、子どもに対して否定的な言葉を使わないよう職員間で配慮しています。法人本部の安全推進室から得られる安全情報に基づいて、さまざまな事例について職員会議で話し合っています。職員は子どもにわかりやすいようにゆったりとした口調で話しかけ、子どものペースを大切にして見守っています。子どもどうしのトラブルが起きた場合には、職員は子どもの年齢に合った対応をとり、年齢が上がるにつれ見守ることを基本として自分たちで解決できるよう声掛けをしています。子どもが失敗したときにも、どうしたらよいのか自分で考えられるように声かけをしています。
 「個人情報保護規程」「個人情報取り扱いマニュアル」が作成されており、個人情報保護の定義、利用目的、適正な取り扱いに関する基本方針などが記載されています。職員には新人研修時に研修を行い、その後は職員会議などで研修を行い、事例を踏まえて学び合っています。保護者には「個人情報・写真等の取り扱いに関する同意書」について説明し同意を得ています。守秘義務については、職員、実習生、ボランティアに説明し誓約書に記入してもらっています。個人情報に関する記録は、事務所の鍵のかかる棚に保管し、園のパソコンにはパスワードを設定し管理しています。保護者には入園時に個人情報と写真の取り扱いについて説明し、同意を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育所保育指針に沿って保育課程を作成しています。作成にあたり、前もって保育所保育指針を職員に配付し、よく読み込んでもらっています。保育課程は保育の基本方針や保育目標「1.個々の生命の維持と情緒の安定を図る 2.基本的な生活習慣を身につけられるようにする 3.生活や遊びの中で物事を良く見つめ探究する心を育む 4.心身ともに健康で思いやりのある子どもに育てる」に沿って、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。地域の状況に応じて延長保育の実施などに取り組んでいます。毎年、年度末の職員会議で保育課程の見直しをしています。保育課程は入園説明会や在園児説明会などで、また改定時には懇談会や保護者役員会で園長が説明しています。
 保育課程をもとに年齢ごとに年間保育目標を掲げ、年間指導計画や月間指導計画、週日案を作成しています。子どもの自主性や主体性を大切にし、その日の活動を柔軟に変更できる計画となっています。例えば子どもが虫を見つけ興味を持った場合には、虫の観察を行うなど計画には柔軟性を持たせています。その日の活動内容は朝礼で子どもたちに説明し、散歩に出かける際には目的地や約束事についてわかりやすく説明し、製作活動の折には実物を見たり触ったりして子どもの興味や意欲を引き出しています。言葉で表現できない子どもについては、表情から気持ちを汲み取るようにしています。日ごろから子どもたちが自分たちで話し合って決められるように話し合うことを大切にしています。
 0〜5歳児の「月別個人指導計画」を毎月作成し、これについて保護者から意見を聞き、月の目標について確認しています。個別の目標や計画は毎月見直しているほか、子どもの目標が達成できた場合などは、クラスの保育士が都度話し合い、柔軟に変更や見直しを行っています。個人目標については、保護者には送迎時などにていねいに説明するなどして同意を得ています。特に個別対応の必要なトイレットトレーニングや離乳食の進め方などについては保育園での排泄の状況や一人一人の発達状況を踏まえ、保護者と話し合い相談しながら進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時の慣れ保育(短縮保育)については 事前に「慣れ保育時間のお知らせ」を保護者に配付して入園説明会で説明し、子どもが無理なく園での生活に慣れるよう配慮が必要であることを理解してもらっています。0、1歳児の新入園児には担当保育者を決めてかかわるようにしています。保育補助の職員も可能な限り固定させるようにしています。タオルやぬいぐるみなど子どもの心の拠りどころとなる物の持ち込みも認めています。連絡帳は全園児が使用し、保護者は家庭での様子を園に連絡し、園ではその様子を踏まえて園での様子を連絡帳に記入するなど、保護者と密に連携をとっています。また、園では在園の子どもたちが不安になることがないように、職員配置を多くして状況に応じてきめ細かに対応しています。
 保育所児童保育要録は、口頭で子どもの状況を伝えるために小学校に直接持参しています。個別の家庭状況や保護者の要望については「入園までの生活状況」「家庭調査表」「健康調査票」等に記録し、「児童票」にファイルしています。入園後の子どもの様子については「発達経過記録」に0歳児は月ごと、1歳児からは2か月に1回記録し、児童票にファイルし、健康診断結果、毎月の身長・体重測定などの結果も記録しています。記録内容は職員会議で話し合い、職員室に施錠保管され、職員は必要時にはいつでも見ることができるようになっています。進級時は旧担任が子どもの成長や重要事項を記載した「移行記録」を作成し、文書と口頭で新担任に引き継ぎしています。
 園に外国にルーツのある子どもが在籍する場合には、日本の文化や生活習慣を押しつけず、それぞれの国の生活習慣や考え方の違いをそのままを尊重しています。職員は日ごろから子どもたちに英語や手話などの活動、絵本や歌などを通していろいろな暮らしがあり、さまざまな人がいることを教え、運動会で万国旗を作成するなど、世界にはいろいろな国があることを伝えています。保護者が日本語をよくわからない場合には連絡帳をひらがなやローマ字で表記したり、絵を描いて伝えたり、横浜市通訳ボランティアや国際交流協会に通訳を依頼する体制があります。言葉の通じる家族や親族などに同行してもらうこともあります。
4 地域との交流・連携  地域の子育てニーズはさまざまなルートから把握しています。園では加入している町内会の役員との交流や、私立園長会の会議での情報などから、地域の子育て支援についてのニーズを把握しています。また育児相談に来園した地域の子育て家庭の声からも園への要望を把握しています。把握した育児講座や一時保育などのニーズを職員会議で検討し、検討内容を基に事業計画に反映させています。私立園長会で地域の子育て家庭への支援を充実させる施策について検討しています。
 年度末の職員会議で、次年度に向けた取り組みの検討の際、それまでに把握した地域の子育て支援のニーズなどを参考に、地域の子育て家庭も参加できる催しや育児相談、育児講座などの充実について全職員で話し合い、交流保育、園開放、育児相談などを柱にした計画を具体化しています。園は毎週火・水・木曜日に育児相談を行っています。また、人形劇や絵本講習会に地域の子育て家庭の親子を招いています。育児講座として栄養士による手作りおやつの作り方と試食会を行っています。園の子どもたちの散歩の際に、地域の子どもといっしょに遊んだり、保護者の育児相談に応じるなどの取り組みも行っています。
 ボランティアの受け入れはボランティアマニュアル「ボランティア・実習生の心得」に基づいて実施しています。ボランティアには園の理念、保育目標、保育の姿勢、デイリープログラム、プライバシーの保護、安全への配慮、守秘義務など園の考え方や留意すべき事項を十分に説明しています。ボランティアの受け入れ担当は園長、育成の担当者はボランティアが参加するクラス担当者としています。中学生の職業体験や、高校生、大学生のインターンシップなどを受け入れています。ボランティアの終了後には、その内容を記録し感想や意見を聞き、今後の活動に生かすようにしています。参加したボランティアから園にお礼状が届くこともあります。
5 運営上の透明性の確保と継続性  保育士の自己評価は、「新保育所保育指針に基づく自己チェックリスト100」の結果や指導計画の見直しの際に職員会議で話し合い、翌月や翌年度の指導計画などに生かしています。この自己評価の結果から、子育て支援の取り組みを強化しようと地域の高齢者施設や小学校と子どもとの交流を充実させるなどのさまざまな課題を明らかにし、次年度の保育計画に反映させています。保育士の自己評価や保育所の自己評価は保育所保育指針、保育課程に沿って行っています。保育所の自己評価結果は園の玄関前にはり出し公表しています。
 園規則や就業規則の「服務」、職員の心得には、プライバシーの保護、守秘義務など不正・不適切な行為を行わないよう守るべき規範が明記され、職員に周知しています。園を含む、法人全体の財務状況報告書、現況報告書を保育園に常に備え置いており、請求があれば閲覧できるようになっています。食物アレルギーのある子どもの誤食、虐待など、他施設での事例や事故などについては、運営法人の安全推進室から得られる「安全情報」を活用して、朝礼、夕礼、職員会議で情報を共有し、不正、不適切なことが起こらないように話し合っています。
 保育課程には理念、保育方針、保育目標が掲載されており、職員や保護者に読みやすくするため、大きく拡大して廊下に掲示するとともに、理念などが掲載されている園のしおり(重要事項説明書)を保護者だけでなく保育士にも配付しています。また折にふれ理念、保育方針に照らして、子どもの気持ちを受けとめる保育などについて職員会議でも話し合い、職員の理解を促しています。子どもの最善の利益を尊重する保育所保育指針の立場に沿って、保育課程や毎月の指導計画について職員で話し合い、その中で理念や保育姿勢について確認しています。
6 職員の資質向上の促進  実習生の受け入れはマニュアル「ボランティア・実習生の心得」に基づいて実施し、実習生には園の理念や保育目標、保育の姿勢、安全への配慮、プライバシーの保護、守秘義務など園の考え方や留意すべき事項を十分に説明しています。実習生の受け入れ担当者は園長代理で、受け入れにあたっては、職員会議で実習生の紹介やプログラムについて周知し、実習生にオリエンテーションを行っています。実習生は、保育士養成の専門学校や短大から受け入れています。園は実習前に、実習生が学びたいことなどを把握し、研修の目的に沿った効果的なプログラムになるようにしています。実習の終了後には感想や意見を記入してもらい、今後の活動に生かすようにしています。
 保育士は国の基準以上を配置し、栄養士、看護師も配置して保育所の運営に必要な人材を確保しています。理念に沿った人材育成のため、事業計画に研修計画を明示し、一人一人の職員の課題とそれに対応した研修を「個別研修計画表」に明示し受講について記録しています。また、職員は毎年4月に「人事考課表」に養護、教育、食育、健康・安全、行事などの項目ごとに「資質向上のための具体的目標」「目標を実現するための具体的な取り組み内容」を記入して園長と面談し、目標を確認しています。そのうえで、年度途中の10月と翌年4月に職員の自己評価を行い、「計画の立案も目標もできなかった」(0点)〜「実践により児童の成長発達が見られた」(5点)までの5段階で達成度の評価を行い、次年度の課題を定めています。
 保育の計画性、保育のあり方、保育士としての資質、保護者対応など100項目からなる「新保育所保育指針に基づく自己チェックリスト100」や指導計画の「保育士の自己評価・反省」欄を使って保育士の自己評価を行うしくみがあります。また保育所の自己評価のしくみも確立しています。日常の保育実践や研修、オープン保育で学んだ内容をもとに、職員会議で学び合っています。職員は気になる子どもへの対応では横浜市戸塚地域療育センターから指導を受け、体操、手話、絵画、人形劇についても専門家から指導を受けています。

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