かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わらべシーサイド保育園(3回目受審)

対象事業所名 わらべシーサイド保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 清心福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0051
金沢区富岡東4-13-4
tel:045-778-1141
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]


 「わらべシーサイド保育園」は社会福祉法人清心福祉会が開設した横浜市金沢区内の保育園です。園は生後57日から5歳児までを受け入れ、延長保育、一時保育、障がい児保育も行う園です。職員は保育士のほかに看護師、栄養士、事務員などの常勤24名と、保育士資格を有する非常勤職員12名で構成しています。
 園は京急線の駅から徒歩の圏内にあります。湾の先端にある公園に隣接した場所に園は位置して、周辺は自然豊な環境にあります。園舎は鉄筋コンクリート2階建てで、クラス室のほかにホール、厨房、一時保育室などを備えており、子どもにとってゆとりあるスペースとなっています。
 法人の理念である「敬天愛人」のもとに、園の基本理念「私たちは、子どもの最善の利益を尊重し、地域に開かれた、そして地域に愛され、信頼される保育園を目指し、地域と一体になって、豊かな人間性を持った子どもの育成を目指します。」を掲げて保育を行っています。


≪優れている点≫

1. 恵まれた自然環境やゆとりのある園舎などを有効に活用し、子どもが穏やかに保育を受けています
 園に隣接する「金沢シーサイドタウン公園」は湾に囲まれた先端にあるため、車が来ることもなく、安全な公園となっています。その公園を使って運動会を開催したり、また日々の保育に利用しています。周辺には公園も多く、保育の目的や子どもの希望に合わせて選び、散歩や遊びに利用しています。遊具を備えた専用の園庭もあり子どもがすぐに遊べる場となっています。
 園舎の各保育室は食事をする机のスペースと午睡や遊びをするスペースと別れており、子どもが気分を切り替えて活動できる余裕のあるスペースです。一階にはステージのあるホールもあり、異年齢交流やイベントで活用しています。
恵まれた保育環境は、「豊かな環境の中で全身を使って遊ぶとともに、友人や大人との関わりを通じて、自己発揮できる意欲のある子どもを育てる」である園の基本方針を実現しています。


2. 保育士間のチームワークが良く、情報共有が保育を支えています
 保育士には常勤職員や資格を持った非常勤職員、新人や開設当時からの職員などさまざまな職員が在籍していますが、コミュニケーションが良く取られています。常勤・非常勤の分け隔てがなく、保育士はチームワークで協力し合って子どもの情報を共有して保育に活かしています。クラス単位に話し合いを行い、相談して保育を進めて、子どもたちの指導計画にも反映しています。
 新たに入職した保育士も先輩に相談しやすく、また子育てで退職した保育士が再就職しても溶け込める職場環境となっています。常勤・非常勤の間の壁もなく協力関係が保たれています。この協力関係の良さは働きやすさになり、職員の定着率の高さになっています。


≪努力・工夫している点≫
1. 食の安全に配慮し、子どもたちが喜んで食べることができる食事を提供しています
 園独自の献立を作成し、子どもたちが食べやすい、バランスのとれた食事を提供しています。アレルギー疾患のある子どもも、できるだけ他の子どもと同じ物を食べることができるよう、ベーコン、ハムなどにはつなぎに卵白が使われていない商品を使用するなどの配慮をしています。調理する野菜類は納入業者と相談を行い、季節ごとの旬の野菜や、産地のはっきりしたものを使い、野菜の自然な美味しさを味わうことができるようにしています。
 子どもたちには、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくして提供することを目指し、三回に分けて料理を作り上げ、あんかけ焼きそば、お赤飯、カボチャのスープ、クリスマスには骨付きチキン、など目を引くようなメニューを提供しています。おやつでも温かい焼きたてクッキーを提供したり、子どもたちの希望で苺パフェを提供したりしています。
毎年3月には、卒園する子どもたちからのリクエストで献立を決めるようにしています。その結果、子どもたちのリクエストの中に煮魚なども入っており、子どもたちが在園中、様々な料理を食べてきたことが伺えます。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.保護者への理念・方針などの周知・理解による協力が期待されます
 法人理念に「敬天愛人」を掲げ、園独自の基本理念、基本方針、保育目標を明確にして保育を行っています。職員にも周知して確認・徹底しています。
 しかし多くの保護者は、方針や目標をよく知らず、その説明に満足している状況ではありません。知っている保護者からは方針・目標に賛同を示していますので、理念・方針を知らない保護者への周知方法の検討を行い、園に信頼を寄せてもらう努力が望まれます。


2.保育士による技術向上へのチャレンジが期待されます
 保育士間の関係は良好で、お互いに相談してチームワークで保育を行う状況にあります。しかし、現状の保育維持が中心となっており、保育の技術向上へのチャレンジが課題となっています。
 保育の質の向上のために、職員一人一人の意識向上を図り、職員同士の話合いを進め、外部から保育技術の習得をするなどの工夫が望まれます。より良い保育を目指して、わらべシーサイド保育園としての職員育成計画をつくり、活発に議論を交わせる状況が期待されます。


3.定期的に保護者の意見を聞く仕組みが望まれます
 園ではご意見箱の設置や保護者会などから意見・要望を聞いています。保護者から園への総合的評価では、満足している状況がうかがえます。
しかし、保護者からは、「開園時間内での保護者に対する園の対応が柔軟でない」「園の行事の時間などで保護者への配慮について十分でない」との不満も一部寄せられています。またアンケート回収率があまり高くなく、保護者の意見も集まっていません。
 園の改善には保護者の協力が必要です。そのため保護者が意見を言いやすい雰囲気を作り、定期的に満足度や課題の項目を把握する必要があります。園からの簡潔で定期的なアンケートを実施するなど、保護者の意見を聞く仕組みの検討が望まれます。意見を聞く姿勢を示すことにより保護者からの信頼も得られ、協力体制も期待できます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

基本理念は「子どもたちの最善の利益を尊重し、・・・豊かな人間性を持った子どもの育成を目指します」と、利用者本人(子ども)を尊重したものになっています。基本方針や保育目標にも、子ども本人を尊重しています。この方針などは「保育園職員の心得」に明記して、周知して職員会議などで徹底しています。


職員は毎日行われる昼礼において、法人の基本理念を唱和し、園の目指す子どもの人権について認識しています。子どもの心に寄り添い、子どもを呼び捨てにしたり、自尊心を傷つけることが無いよう気を付けています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

基本理念などを基にして、前年度の課題進捗を検討して、新たに担当する保育士が中心となって2、3月ごろに保育課程を作成しています。保育課程をもとに、年齢ごとに年間指導計画、月度指導計画(月案)、週案、デイリープログラムを作っています。3歳児未満の子どもについては月案、週案を個人別に作っています。日常の保育を通じて子どもの「自立したい」と言う気持ちを大切にして、子どもの意見を聞き入れて計画に反映しています。


舞台を備えたホールがあり、誕生会などの行事で異年齢が集まり、交流する場となっています。異年齢の子どもで散歩にも行き、年長児は小さな子の面倒を見て、年少児は大きな子どもへの憧れや信頼に繋げています。


遊びが一斉活動に偏らないよう、子どもの自由な発想を受け入れています。生活発表会で発表した劇では子どもたちが演じたい劇を演じています。子どもたちでセリフや動作、歌の振り付けなどを考え、子どもたち全員で劇を作り上げています。


保護者会からの申し出により、ホールや一時保育室等の提供を行っています。また、年2回開催される保護者会主催のイベントには、CDデッキ、イベントに足りない道具などを貸出しすると共に、保護者への手紙の配布を手伝っています。保護者会がイベントを用意するにあたり、必要とされるコミュニケーションを取り、子どもたちがイベントを楽しむことができるように協力をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

決められた様式の児童票や健康票を使い子どもの生育を記録しています。子どもの発達によってうまくいかなかったことを職員で確認して、時期を考えたり、先の見通しを立てて指導計画に反映しています。保護者からの外遊びの意見をクラス内で協議して指導計画に取り入れて改訂しています。子どもの成長は「児童票」に記録して、職員が情報共有しています。重要な事項は申し送り事項として、口頭やメモで進級する際に伝えています。


虐待に関するマニュアルを全職員に配布して、その定義や対応を職員間で確認しています。虐待が疑われる場合は常勤の看護師が身体などを確認するようにしています。児童相談所などへの連絡方法など確認して体制を整えています。アレルギー疾患のある子どもに対しては、入園時の面接で把握しています。医師の診断書をもとに看護師・調理員・保育士を交えた話し合いの機会を設けて、個別の対応を決めて実施しています。アレルギー疾患のある子どもには専用トレイを使い、名札を付けて区別して、クラス担任の全員で確認するとともに、子どもの気持ちにも配慮しています。保護者には献立表を渡し連携を取っています。


保護者から意見箱や懇談会で要望や苦情を聞いています。保護者が直接に苦情を申し立てできるように第三者委員を設けて、掲示して知らせています。保護者からの苦情や要望などを受け付け・対応する体制を整えています。苦情などは「苦情票」に記録して、受付から解決までを記録して、管理しています。その結果は会議を通して職員に周知しています。保護者には本人に知らせるとともに必要に応じて「園だより」などで伝えています。

4 地域との交流・連携

運動会や夕涼み会などの行事に地域住民を招いて、保育所を理解してもらっています。6月にはママさんグループと近隣の8園の保育士と交流を図っています。近くの高校に災害・津波の際の避難先になってもらうなど連携を取っています。金沢区が開催するスポーツフェスティバルに参加しています。散歩や公園では、他園の子どもたちや地域の人達と交流して、他の園の子どもとドッジボール大会を行い交流しています。


保育園のホームページで情報提供を行っています。園のパンフレットをイベント開催時に配布しています。将来の利用者に園の基本方針など必要な情報を提供して、園を知ってもらう努力をしています。


利用希望者からの電話での問い合わせに対応しています。見学希望者に見学できることをパンフレットでも知らせ、園では状況を知ってもらうため午前の見学を勧めて受け入れています。見学者は園長・主任が対応してオリエンテーションを行い、見学者名簿を作成して記録しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

わらべシーサイド保育園・基本理念に「子どもたちの最善の利益を尊重し、・・・豊かな人間性を持った子どもの育成を目指します」と、利用者本人(子ども)を尊重したものになっています。基本方針や保育目標にも、「意欲ある子どもを育てる」「ひとりひとりの子どもを大切にする」と、子ども本人を尊重しています。この方針などは「保育園職員の心得」に明記して、周知して職員会議などで徹底しています。


園や職員が守るべき法・規範・倫理等を明確にしています。職員には法人が作成した「職員の皆様へ」を配布して、良き社会人としての職員の心得や保育の心得を周知徹底しています。また、金沢区役所や園長会で得た事例を、昼礼などで園長から伝え、啓発しています。


重要な意思決定に際しては職員及び保護者が意見交換して、卒園式の変更などの重要な決定については十分に説明しています。重要な情報は法人内で把握・分析し、その情報をもとに園の職員会議や昼礼で周知・話し合っています。中長期的な事業展開や運営に関しては、方向性を明確にして園長も参加した全体会議で確認しています。

6 職員の資質向上の促進

園長は運営法人と連携を取り、保育士の就業環境を整えて必要な人材を確保しています。過去の人材確保の難しさから、非常勤の保育士資格者も含めた必要な人材補充を計画的に行っています。職員に対しては外部研修、法人内研修、園内研修に参加するように進め、全員が受講できるようにしています。研修体制は入職時研修、リーダー研修、中堅研修などと整っており、園長及び主任が受講を推進しています。研修受講者はその結果を研修報告書に記録して主任、園長に報告しています。


職員のスキルを自己評価するために、独自の評価項目を決めています。法人が作った自己評価項目を職員が見直して、園の園独自の評価項目を決めています。評価項目について保育士一人一人が自己評価を行い、反省をして自らの課題を明らかにしています。各自の自己評価をもとに話し合い、園の自己評価につなげています。自己評価は主任中心となり、保育の狙いや関連づけて行うようにしています。

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