かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明日葉保育園駒岡園

対象事業所名 明日葉保育園駒岡園
経営主体(法人等) 葉隠勇進株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0071
鶴見区駒岡5-2-22 
tel:045-834-7440
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 「明日葉保育園駒岡園」は、平成26年4月に開設され、東京都内や川崎市、横浜市内の13ヶ所に保育園運営を展開している葉隠勇進株式会社が運営を行っています。
 鉄筋コンクリート2階建の園は、0歳児から就学前までの定員60名が在園する小規模園です。東急東横線綱島駅より、バスで約10分、停留所より徒歩5分の静かな住宅地の中にあります。
 開園時間は午前7:00から午後8:00までで、通常保育のほかに延長保育、一時保育、障がい児保育も実施しています。
 「子どもの明日を育み今日を支える」の理念の下に明日葉の花言葉「旺盛な活動力」のように子どもたちの心身の成長や幸せを願い家庭、地域社会とのコミュニケーションを大切にサービスを実施しています。

 

≪優れている点≫

 

1. 子どもたちの健康増進を図る為の取り組みが、無理なく日常の保育に取り入れられています
 子どもたちの足腰を鍛えて全身の力をつけるために、園では「雑巾がけ・歩け歩け散歩・なわとび」の3つの取り組みを実践しています。園の長い廊下を利用した雑巾がけは、体重が腕にかかり、それを支えながら、床を蹴る動作で前に進むことによって全身のバランス感覚や全身の筋力の発達を促しています。同時に廊下の端から端まで目で見て一直線に進む動作は、距離感を掴むという感覚を発達させるひとつとなっています。
 また、健康増進と表現遊びの一つとして朝の活動の前の準備運動としてのリズム体操、外部講師によるリトミックがあります。さらに、内部の専任講師による体操なども取り入れています。このように、日ごろから体を動かすことで体力をつけ、運動をすることで食事、休息などのリズムが自然に身に付くような保育が行われています。
 「こまおか通信」は玄関に掲示され、子どもたちの「歩け歩け散歩」、「なわとび」、「雑巾がけ」の様子を写真で保護者にもお知らせをして、健康増進を進めています。

 

2. 職員が子どもの手本になる意識を持って子どもに接しています
 保育目標は「自分も人も尊重できる子ども」「自分で考えて正しいことを選び取れる子ども」「心も体も健やかな子ども」「思いを適切に表現できる子ども」です。
 職員は、まずこの事柄を、大人が手本となるように職員全体で取り組みをしています。例えば、職員間での意見の尊重、保育の課題点をどの様にすれば良い方向に進むことが出来るか、心身ともに健康であるための自己管理と他者に対する思いやりなど、職員自身が手本である意識を持ち保育を実施しています。職員が子どもの気持ちに寄り添い、同じ状況で保育を実践しています。

 

3. 職員間の良好な関係が園での保育内容を充実したものにしています
 園長、主任をはじめ常勤、非常勤を含め全職員で子どもの情報共有を図っています。子ども一人一人の成長・発達に合わせた指導の方向性や、接し方についての話合いを職員全員で行い、周知しています。クラスに関わらず、子どもの状況は園全体で把握し職員が同じ対応をできるように、職員の連携が取られています。
 園長、主任にも話がしやすく、常勤、非常勤に関わらず自分の意見を述べやすいチームワークがあります。園長、主任は現場の意見を大切にし、まず意見を受け止めて対策を職員で話し合うようにすることで、職員のモチベーションのアップにも?がっています。
 職員の関係性が良好であることは、子どもにとってより良い保育の提供や、保護者との信頼関係に?がっています。保護者からの育児などに対する相談も随時実施されています。

 

4.計画的な食育活動が実施されています
 園の保育課程には食育の領域が明記され、年齢別の年間指導計画にも食育の領域が明記されています。週日案にも食育の項目と、残食量記入の項目があり「皆で、楽しく食べられる」「好き、嫌いを減らして行く」「食事のマナーを身につける」を柱とした食事計画と連動しています。
 栄養士は子どもたちの保育内容と関連して、子どもが無理なくクッキングに触れる機会を作っています。子どもたちが型抜きをして遊んでいるクラスでは、柔らかいクッキーの生地を用意して、子どもたちがクッキーの型抜きをし、給食室で焼いてもらいみんなで食べるというクッキングを体験しました。
 3歳児はピーラーを使い、野菜の皮むきに挑戦しました。プランターで育てた野菜を給食で食べ、食材に対する理解、育てる過程、収穫などに触れることで、子どもが食に対する興味を持てる機会を設けています。毎月行われる食育DAYでは、季節や年齢に見合ったさまざまな体験を子どもたちは楽しんでいます。

 

≪課題や改善することが期待される事項≫

 

1.地域に向けて、子育て支援サービスなどの地域支援の工夫が期待されます
 園は地域、近隣との関係も重視し、散歩時の挨拶や園周りの掃除などにも職員が積極的に取り組んでいます。園としての子育て支援サービスについては、一時保育と園庭開放を行っています。一時保育については定期的に利用する場合のほか、緊急でも受け入れをしています。地域の親子に向けてベビーマッサージの講習会を企画しましたが、参加者がありませんでした。
 育児相談、育児講座にも取り組んでいます。しかし保育園の専門性を活かした育児相談については、開催日時などの発信がされていません。地域に周知するために、園では掲示板を作る等を検討していますが、情報発信についての工夫が期待されます。

 

2.保育課程についても保護者に説明をする事を期待いたします
 保護者には、入園時に園長から園の基本方針や重要事項について説明を行っています。担任からはクラス目標について説明をしています。保育課程については玄関に掲示をして保護者への周知を図っていますが、保護者に向けて詳しく説明をするには至っていません。
 保育課程は園の子どもや、その家族、地域の子育て支援と密接に関連付けられるものです。園の理念の一部に「子どもの健やかな成長を願うご家庭や地域社会のコミュニケーションを大切にして、より良い今日をサポートする」とありますので、園への理解を深めてもらう為にも、保護者に園の保育課程について説明されることを期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念は「子どもたちの明日を育み、今日を支える」。明日葉の花言葉は、「旺盛な活動力」。私たちは子どもが毎日を豊かに過ごせる保育を通じて、明日をたくましく生きる力を育みたいと考えます。そして、子どもの健やかな成長を願うご家庭、地域社会とのコミュニケーションを大切にして、よりよい今日をサポートしますと、なっています。

 

保育室内には子どものプライバシーを守れる場所や、保育士と子どもが一対一で静かに話せる場所があります。保育室にはクッションをおいたり、柱の横などで子どもがリラックスできる場所を設け、子どもが安心して過ごせるよう配慮しています。さらに衝立や家具を利用するなどして子どもが落ち着けるコーナーを作っています。

 

子どもたちに対しては、叱るという事ではなく注意を促す短い言葉でわかり易く端的に伝えています。その際にも子どもが自発的に自分の発言ができるように心に寄り添う事を大切にしています。人権の尊重については職員間で共有する機会を設けています。

 

守秘義務に関しては職員会議や入職時に説明し、全職員に周知しています。また、ボランティアや実習生に対しては、オリエンテーション時に説明をして確認をとっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育理念を基に保育方針は、子どもが、今日を最も良く生き、望ましい「明日」を創り出す力の基礎を養うとなっています。保育課程に沿って年齢ごとに年間指導計画を立て、年齢別の保育目標を立てて期ごとにねらいを決めています。この計画を基にクラスごとの月間指導案、週日案が作成しています。指導計画は子どもの様子や、希望、その日の状況に応じて変更ができるように柔軟性を持たせています。遊びや、散歩、プールなどは子どもたちの体調を考慮して内容を変えるなどしています。

 

指導計画に子どもたちの意見や意思を反映させています。特に発表会の出し物などの台詞やストーリーは子どもたちの意見も取り入れています。保育士は子どもたちの自主性が発揮できるように「どうしたらいいかな?」などの言葉がけを重視しています。

 

散歩などで自然に触れ、子どもたちが興味を持ったことがあると、園に帰ってから図鑑で調べるなどしています。園で飼育していたカブトムシやめだかが死んでしまった時には、何故死んでしまったのか子ども同士で話し合いをし、命の大切さを学びました。蝶のさなぎを観察し、さなぎの成長の様子を目で見て感じ、蝶は小さな箱のなかで生きるのが難しいことを子どもたちは自分たちで理解し、自然に帰すことにしました。このようにして、生き物の命の大切さを学んでいます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

0〜2歳児は月間個別計画を作成しています。毎月クラス担任が中心となって話し合い、翌月のねらいと配慮を検討し計画を作成しています。個別の目標は子どもの発達に合わせて随時見直しを行っています。特に個人差のある離乳食やトイレトレーニングなどについては送迎時の保護者との会話や連絡帳などを通して相談しながら保育を進めています。

 

月間個別計画は3〜5歳児クラスでも配慮の必要な子どもに作成しています。送迎時の会話、また、月ごとや必要時に保護者と面談を行いながら子どもの状態に合わせて計画を見直しています。

 

入園後の子ども一人一人の記録は一冊のファイルになっており、入園の際の面接面談シート、同意書、健康診断記録、児童票などが綴じられています。これらは、事務所の鍵の付いた書棚に保管しています。職員は必要時に見ることができるようになっていますが、情報の漏洩がないように事務室外の持ち出しを禁じています。毎月クラス担当が中心となり配慮を要する子どもについて、個別指導計画を立てて保育を進めています。計画は職員会議でも検討し全職員に周知しています。また、対応を変更する必要が生じた時には全職員に伝え、園全体で保育する体制ができています。

 

個別支援計画を立てるときには保護者から十分な情報を得て、意向を聞き、専門家からの情報も加味して作成しています。巡回指導の際には、その報告をもとに全職員で勉強会を行っています。日常の保育においては、配慮を要する子どもにも一日の流れがわかりやすいように、視覚的に伝わりやすいカードなどを用いて、他の子どもと同じように動けるような配慮がされています。

4 地域との交流・連携

行事の際は、地域住民に案内状を配布しています。「つるみ区子育て応援ガイドブック“つるみDE子育て”」の冊子も配布しています。また、地域ケアプラザが主催する育児支援イベントに給食のサンプルを提供したり、参加者からの育児相談を受けたりするなどの協力をしています。

 

育児支援イベントに参加協力した際は職員会議で報告し、地域の子育て支援について話し合う機会を設けています。園としての子育て支援サービスについては、一時保育と園庭開放があり、一時保育については定期的に利用する場合のほか、緊急でも受け入れをしています。

 

利用希望者や見学者には園のパンフレット等に基づいて利用条件、保育内容、園の取り組みなどを説明しています。利用希望者からの問い合わせには、主に主任が対応しています。見学については、リトミックや体操教室の日を見学日としていますが、利用希望者の都合に合わせて見学をすることもできます。

 

ボランティア受け入れの際はマニュアルに基づいて、園の保育理念、保育目標を説明しています。受け入れ担当者は主任としており、受け入れ前に職員会議で周知しています。保護者には玄関に掲示して知らせています。ボランティア終了時に感想や意見を聞く機会を設けており、受け入れ時の記録とともに残しています。ボランティアから、たくさんの折り紙がプレゼントされたことで、子どもが折り紙に興味を持つことにつながっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育理念、保育目標、年間行事等を掲載したパンフレットがあります。鶴見区のホームページ、 横浜市「はぴねすぽっと」からも園の情報を得ることができます。法人のホームページに、食育、人材育成、エコ活動等の情報を載せています。

 

社会人としての基本や保育者としての心構えなどは、「スタッフ研修マニュアル」に明文化されています。「スタッフ研修マニュアル」は職員全員に配布されています。運営委員会で運営状況、事故・クレーム等の報告をしています。また、法人本部から系列園での子どものケガなどの情報提供があり、ミーティング等で職員に周知しています。

 

法人で使用済みの食用油をリサイクルする活動を行っており、薬用せっけんやアロマキャンドルに再利用しています。園としては、ゴミの分別のほか、グリーンカーテンを作るなど緑化の推進を行っています。環境啓発活動について法人のホームページで確認できます。

 

主任の育成は「職員育成研修計画」に主任に求められる必要な知識・技術が明文化されており、主任クラス育成のための研修が法人で行われています。主任は各クラスの保育に入り、業務状況を把握できるようにしています。主任が保育士からの相談を受けることもあり、悩んでいるような様子がみられたときには声をかけるなど配慮をしています。

 

法改正など事業運営に影響のある情報は、法人からのメールで収集しています。重要な情報は職員会議等で議論し、重点改善課題として設定しています。次代の組織運営に備え、運営やサービスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。また、「人財」を一番の財産としている法人の方針があり、法人内で行う研修も多く計画的に後継者を育成する体制が整っています。

6 職員の資質向上の促進

保育所運営に十分な人材構成であるか、園長が確認し法人本部に報告をして必要な人材の補充を逐次行っています。年度ごとに人材育成計画が策定されており、経験年数に応じて期待される役割が明文化されています。年度末に職員個々の目標に対しての達成度チェックを行い、自己評価の結果を踏まえ園の自己評価を行う仕組みがあります。職員(非常勤を含む)の自己評価はチェックシート式になっており、保育について具体的な項目になっています。職員の自己評価の結果から園の課題を明らかにし、改善に取り組んでいます。園の自己評価は運営委員会で報告しています。

 

年度末に職員個々の目標に対しての達成度チェックを実施し、自己評価の結果を踏まえ園の自己評価を行う仕組みがあります。工夫事例等の意見を職員会議で出し合い、その年の目標を決めています。法人本部の研修では、「記録の書き方」「子ども主体の保育」等のテーマで外部の講師を招いて行っています。さらに、年間指導計画、月間指導計画、週案、日案に自己評価の項目があります。自己評価は振り返りではなく、ねらいに対して取り組んだこと、その結果等を記録し、その後の計画作成につなげています。

 

経験年数、習熟度に応じた役割が期待水準として明文化されています。職務分担表があり、可能な限り職員に権限を委譲し、責任を明確化しています。法人全体で現場力に力を注いでおり、職場での改善事例を報告書として本部に提出しています。園では年間100件の改善事例を報告しており、職員のやりがいにつながっています。園長との個別面接は年4回ほど実施しており、職員の満足度・要望などを把握しています。

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