かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク向ヶ丘遊園南保育園(6回目受審)

対象事業所名 アスク向ヶ丘遊園南保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0021
多摩区宿河原2-48-36
tel:044-930-0102
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
【立地】
 アスク向ヶ丘遊園南保育園は、小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩10分ほどに立地し、1〜5歳児が58名在籍しています。1階を1、2歳児、2階を3〜5歳児の保育室、3階を屋上園庭として使用しています。1階に小さな園庭もあります。近くには疎水沿いに遊歩道や公園、歩いて30分のところには生田緑地もあります。

 

【特徴】
 平成23年4月1日に開園し、園目標として「健康で明るく豊かな感性を持つ子ども、自分から物事に意欲的に取り組みやり遂げる子ども、思いやりがあり感謝する心を持つ子ども」を掲げています。設置法人から派遣される専門講師による英語、体操、リトミックやクッキング保育などの多様なプログラムがあり、子どもたちは遊びの中で英語、運動、音楽などに触れています。

 

【特に優れていると思われる点】
1.人権や虐待に関する園内研修
 人権や虐待に関する園内研修をして、職員の自覚がないままに、子どもに対して言葉や態度で人権を侵害したり、虐待に当てはまることが行われていないかを具体的な事例を挙げて確認しています。子どもには失敗の経験より成功の喜びが味わえるように支援しているか、また、ほかの子どもと比べたり、スケジュール通りに進まないことでせきたてたり、大声できびしく注意していないか、職員が自分の保育を振り返る機会となっています。

 

2.軽微なケガでも記録に残す取り組み
 設置法人所定の「アクシデント報告書」は、医療機関の受診に至るような比較的重大な事故やケガの場合に記入して本部に報告していますが、現在、園では軽微なケガでも「アクシデント報告書」に記入するようにしています。詳細に記入することでいつどういう場合にケガが起こるかの職員の自覚が高まり、園内に回覧することで職員間に周知でき、ケガの未然防止に役立ち、乳児のかみつきやひっかきが少なくなっています。


 
3.保護者からの日常的な意見・要望を記録する「ご意見帳」の活用
 苦情については設置法人所定の「クレーム受理票」がありますが、本年度から保護者の日常的な意見や苦情・要望については園独自の「ご意見帳」に経過や対応を記録しています。職員に周知するだけでなく、設置法人にも内容を口頭やFAXで知らせています。階段扉の修理や販売写真の質などに対する意見や要望が寄せられ、改善できるものは改善してサービスの向上に努めています。

 

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.発達に沿った教材や玩具の充実
 子どもの発達に沿った教材や玩具の量と種類が、現在十分とはいえません。今年度の事業計画に「職員の質の向上」を掲げ、保育環境の整備(おもちゃやコーナー、保育の中での職員の声の大きさ)を進めているところです。子どもが自由に、自分の好きな玩具で遊べるような環境の整備が期待されます。

 

2.事業計画の保護者へのわかりやすい説明
 保護者には、今年度目指す保育や行事について説明していますが、事業計画に関する資料は作っていません。園が今年度目標としている園内活動や食育活動などの内容について、保護者に理解・協力してもらうためにも、わかりやすい資料を作成して、事業計画を伝えていく工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員の考えを優先するのではなく、子どもに「どう思う?」「どっちがいい?」など選択肢を与える問いかけをするようにしています。一斉活動も、嫌がる子どもを強引に参加させるのではなく、子どもを落ち着かせて思いを聞いた上で参加させるようにしています。

・人権に関する園内研修をして、子どもに対して失敗の経験より成功の喜びが味わえるように支援しているか、また、ほかの子どもと比べたり、スケジュール通りに進まないことでせきたてたり、大声できびしく注意したりしないよう職員同士で確認しています。

・受け入れ時や着替えのときには、子どもの全身を見てケガなどのチェックを必ずするようにしています。気持ちが不安定な保護者に対しては、保護者が不安になるような声かけ、たとえばほかの子どもと比べることのないようにしています。虐待に関する園内研修では、自覚がないままに、子どもに対して言葉や態度で虐待に当てはまることが行われていないかを具体的な事例を挙げて確認し、職員が自分の保育を振り返る機会を設けています。

・設置法人作成の個人情報保護規程、個人情報保護マニュアル、保育園業務マニュアルを整備して、子どもや保護者のプライバシー保護に取り組んでいます。子どもの情報を他機関とやりとりする場合は、保護者の依頼を受けるか保護者の同意を得たときのみとなっています。やりとりするに際しても、保護者の気持ちを十分くみとり、保護者に不快感を与えないように配慮しています。

・職員は、クラス全体の様子を見ながらも、一人一人の子どもの気持ちに目を向けるようにしています。排泄に失敗しても周りの子どもに気付かれないように配慮するなど、子どもの自尊心を傷つけないようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・親子行事や保育参加、年度末に実施するアンケートで、行事に関する感想や改善意見および行事内容以外の日々の保育に対する保護者の意見・要望を把握しています。アンケートの集計結果と保護者意見は文書で保護者に知らせています。また、年2回の個人面談でも保護者の意向や要望、満足度を把握しています。

・入園説明会で配布し説明する入園のご案内(重要事項説明書)に、園の苦情受付担当者と解決責任者の氏名、第三者委員の氏名・連絡先、設置法人の苦情受付窓口など相談窓口が複数あることを知らせています。また、玄関横に苦情・相談先を掲示しています。

・日常的な意見や苦情要望について園独自の「ご意見帳」に経過や対応を記録し、職員に周知するだけでなく、設置法人にも内容を口頭やFAXで知らせています。

・子ども一人一人の状況を把握し、発達過程に応じた適切な援助を行っています。子どもの質問に対し、子どもの好奇心を大切にするためにもなるべくその場で答えるようにしています。すぐ対応できない場合は理由を話して待つように声をかけ、後でフォローしています。

・各保育室には子どもの年齢や関心に見合った玩具や絵本、ごっこ遊びにつながるようなエプロン、おんぶ紐などが子どもの手の届くところにあり、自由に選んで取り出せますが、必ずしも玩具の量と種類が十分ではありません。

・基本的な生活習慣の習得は子ども一人一人の年齢や発達に合わせ、無理なく身に付くよう子どものやる気を大事にしながら、自分でできた達成感を味わえるよう適切な援助、言葉がけをしています。気候の良い時期には散歩や園庭遊びを毎日行い、身体を動かす機会を多くしています。

・子ども一人一人のその日の休息は基本的に子どもの自由としています。午睡時間はその日の状況や年齢・発達・健康状態により調整しています。5歳児は就学に備え運動会が終ったら午睡を無くしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・園のホームページには写真を、パンフレットには地図を使ってわかりやすく紹介する工夫をしています。今年度からホームページに園のブログを開始し、日常の様子がわかるようになっています。

・子どもの不安やストレスを軽減するため、慣れ保育を勧めています。入園当初は、1、2歳児クラスは職員配置を規定より厚くしています。

・多摩区幼保小連携事業の会議で小学校の教務主任から「就学にあたっての具体的な要望」を聞いて、保護者に伝えています。園長は、近隣の宿河原小学校で授業参観や職員と懇談をし、また、放課後クラブの職員とも交流しています。

・入園時に保護者から提出してもらった書類や入園前に面接した際の入園前面談シートは、個人別ファイルにして職員が把握できるようになっています。

・指導計画は、担任職員が子どもの様子を観察した中で、無理がないか、楽しく生活しているかなどに留意しながら、見直し時期に関わらず職員会議などで他の職員とも検討の上見直しています。変更した場合は、「紙昼礼」(子どもの情報に関して毎日回覧するノート)や職員ノート、職員会議で職員に周知しています。週案については、玄関に掲示して保護者もわかるようになっています。

・サービスの基本事項や手順は、設置法人作成の各種マニュアル、川崎市作成の「川崎市健康管理マニュアル」などで明確になっています。職員は保育日誌や各種指導計画の評価反省欄を記入する際に振り返りを行い、園長がその内容を確認しています。また、園長は不定期にクラスに入って保育の様子を観察・確認しています。

・毎月の避難訓練を地震・火災・水害・不審者を想定して行い、それぞれ通報・消火担当を決めています。避難訓練が終わったすぐその場で、担当者を中心に安全確保に関する検討をしています。

・災害に関する調査の結果、一時避難場所が土砂災害の危険性があることが判明し、一時避難場所を宿河原小学校に変更しました。

・事故防止のための安全チェック表(乳児用、全体用)に基づいて、園長が毎月細かくチェックをしています。事業計画として園の環境整備を掲げ、室内外の安全対策について毎月見直しています。軽微なケガでもアクシデント報告書を書くことで、いつどういう場合にケガが起こるかの職員の自覚が高まって、ケガの未然防止に役立ち、乳児のかみつきやひっかきが少なくなっています。

・職員は登園時に保護者から家庭での様子を聞き、観察をして健康状態を確認し受け入れます。確認した内容は「申し送り表」に記入して各担任に伝えて、体調が優れない場合は、その日の散歩や戸外活動を控え、食事を体調に合わせて配慮食にするなど保育に反映しています。

・保護者にその日の子ども一人一人の様子を口頭で伝えるよう努めています。1、2歳児は個々の連絡帳で1日の様子を伝え、全クラス日中の様子を玄関横の壁に掲示して保護者へ知らせています。

・散歩や戸外活動を行う前に、必ず約束ごとを確認し、安全に遊べるよう配慮しています。室内遊びのときも、何をしたら危ないか子どもたちと確認しています。また、職員は子どもの年齢や成長に応じて行動範囲が広がり危険が増えることを理解して、発達に適した固定遊具で遊ぶようにし、子どもの手の届く棚に物を置かないなど配慮しています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)については、「うつぶせ寝の危険性」について入園前説明会で説明し、園では予防のため、午睡時に1、2歳児は10分おき、3〜5歳児は30分間隔で呼吸のチェックを実施しています。

4 地域との交流・連携

・毎週水曜日に園庭開放を行っており、雨天時でも利用者に配慮し、室内での保育体験に切替え遊べるようにしています。また、運動会や生活発表会などの園の行事と絵本の読み聞かせの案内ポスターを園外に掲示して地域の子どもたちの参加を呼びかけています。

・幼保小実務担当者連絡会で「就学にあたっての取り組み」「保護者対応」などをテーマとした情報交換を行い、把握した情報をもとに園としての対応を職員会議で話し合いました。また、年長児担当が企画運営して近隣の保育園7園の年長児の交流会を行っています。6月には当園と近くの他園とでしっぽ取りゲームを行い、子ども同士お互いに自己紹介をしながら顔なじみになり、就学への不安軽減につなげています。

・多摩区の幼保小園長・校長連絡会、認可保育園園長連絡会議に園長が毎回参加し、小学校側から、「字は教えなくてよい」「自分の名前が読め、できたら書けるとよい」「自分のことは自分でできるように」など就学に向けた取り組み課題を聞いて保護者に伝えています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人の運営理念はパンフレット、重要事項説明書、ホームページなどに記載されています。運営理念は、職員が日々保育業務につくときの行動規範となっています。

・事業計画は、中期計画の内容を反映した上で、具体的に担当者を示し、年5回など数値目標や期間を設定して、評価が行いやすいようにしています。年間3期に分けて期ごとに、担当者が実施状況の報告を職員会議などで報告して評価、反省を行い、結果を記載するようになっています。

・第三者評価の基準に基づいて、職員は毎年自己評価をし、園は園としての自己評価を行い、第三者評価を受審しています。職員会議で第三者評価結果を分析しています。評価結果に基づいた課題については、職員会議で改善策を策定しています。たとえば、苦情要望の記録がないという評価結果の改善策として、「ご意見帳」を作りました。

・園長は期初の職員会議で自らの役割と責任を説明し、おもちゃコーナーなどの保育環境の整備や人権、虐待についての園内研修を主導しています。

・園長が出席する設置法人の園長会や、川崎市保育課や多摩区児童家庭課からのメール、多摩区主催の公私立保育所長会議、幼保小連携事業の園長・校長連絡会などで、地域の利用者の特徴、変化を把握しています。園見学者からはアンケートをとって、病児保育や日祝日保育などのサービスのニーズ、潜在的利用者のデータを収集しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に、職員の経験年数や階層別に必要とされる知識や能力を明示しています。園長は、4、5歳児が合同クラスだったのを2クラスにするために、常勤職員の増員を設置法人に要請して実現することができました。

・保育園業務マニュアルや就業規則に法令・規範・倫理などを順守すべきことを明記しています。職員から、直接コンプライアンス委員会に通報できるようになっています。

・職員は、入社時研修で人事考課の目的や効果について説明を受け、6月と11月の年2回の自己査定で5段階評価をしています。査定結果を園長、マネージャーが評価し、指導をしています。

・実習生受入れマニュアルがあり、受け入れ窓口やオリエンテーションなどの手順を明示しています。充実した実習になるように、学校側と実習プログラムについて話し合い調整しています。

・常勤職員は個人別年間研修計画を作り、上期・下期に分けて成長目標に沿った研修テーマを決めています。園長は、職員一人一人に必要な技術、知識、専門資格について把握して助言をし、設置法人の自由選択研修の遊び方に関する研修や川崎市の発達支援の研修などを勧めています。

・研修を受講した職員は、報告レポートを作成し、非常勤職員も見ることができます。研修を受講した園長、職員は、職員会議などで発表する機会を設けています。

・園長は職員の有給休暇やシフトはできるだけ公平に、かつ職員の希望に添えるように配慮しています。

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