かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市神戸保育園(2回目)

対象事業所名 横浜市神戸保育園(2回目)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0005
保土ヶ谷区神戸町104-20
tel:045-333-6246
設立年月日 1971(昭和46)年03月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

横浜市神戸保育園は相鉄線天王町駅から徒歩7分、JR保土ヶ谷駅から徒歩10分に位置する横浜市立の保育園です。開設から46年目を迎え、園舎は建て替えられて26年目になります。定員は105名で、12月現在の園児数は118名です。開園時間は7時から19時で、延長保育と障がい児保育を実施しています。園には園庭と屋上の遊び場がありますが隣接した公園もあり、外遊びが十分にできる環境となっています。

保育理念に『子どもたちの健やかな成長と幸せをねがって〜すべての子ども達が、自分を「かけがえのない存在」と感じ、自信を持って生きていかれるように〜』園目標には「げんき・やるき・なかよし」を掲げています。職員は子どもや保護者の思いを受け止め、信頼関係のなかで一人一人の子どもをともに育てていくことを大切にし、また、地域の育児支援センター園及びネットワーク事務局園として、保土ヶ谷区内の育児支援の充実と区内保育関連施設との連携強化の役割を担っています。

≪優れている点≫

1.ボランティアや保護者会や地域との交流を大切にし、子どもたちは多彩な経験をつんでいます

園は開園から45年が経過し、地域に開かれた保育園として地域の方々との良好な交流関係が築かれています。交流の第一歩は「お会いしたら、先ずは声を出しての挨拶が大切」と徹底して子どもたちに伝えています。保育士が自ら日々の挨拶を大きな声で実践することで、園児も挨拶ができるようになっています。

また、長い間積み上げられた保護者会との良好な関係のなかで、子どもたちは様々な楽しい体験をする機会に恵まれています。さらに、育児支援センター園及び保育資源ネットワーク構築事業事務局園として、地域親子や近隣幼稚園、小学校との交流などが行われ、様々な活動が行われています。5歳児クラスは地域のボランティアによって構成される「応援隊」の協力で、年間を通してグランドゴルフを教えてもらいながら、地域の方との触れ合いを楽しんでいます。幼児クラスを対象としたボランティアによる「お話し会」は10年以上続いており、園児も熱心に聞き入っています。

 保護者会行事としてサッカー教室、人形劇、消防音楽隊の演奏などを開催しています。これらの行事は予算面を保護者会が受け持ち、企画実行を保育園が担当し、相互協力のもと実施しています。自園での地域の子どもたちとの交流や近隣保育園が集まっての交流の他、近隣の地域活動ホームのプレイルームに遊びに行くなど地域資源を活用して、子どもたちは多彩な経験を積みながら成長しています。

 

2.子どもや保護者の心を受け止めることを大切に保育を行っています

保育士は子どもに向き合う時、「今、何をしたいのか」「何を求めているのか」など、子ども一人一人の思いを大切に受け止め、心を届けることを最も大切にしています。今回の福祉サービス第三者評価保護者アンケートでも「あなたのお子さんが大切にされているか」の設問に98%が満足、ほぼ満足と答え、高い評価を得ています。

園の定員は105名ですが、待機児童の解消を目指す取り組みとして現在約120名の子どもを受け入れています。各保育室には大勢の子どもたちが居心地良く安全に過ごすための様々な工夫が随所に取り入れられ、子どもを大切に思う保育士の気持ちであふれています。スライディングドアを利用した子どもの意見発表の場や保育士手作りの衝立や仕切り、おもちゃ棚やテーブルのカバー、大きなウォールポケット、手作り椅子やおもちゃなどが揃えられています。これらはほとんど牛乳パックや段ボールを使用し、可愛い布を貼って作られ、各保育室はカラフルに彩られています。おもちゃ棚の角はすべて囲い、子どもがぶつかっても怪我をしないような配慮がしてあります。

保護者とは子どもの育ちをお互いに喜びあえる関係性を目指して、保護者の思いを大切にしています。今年度、園として力を入れている点の一つに、「保護者から話しかけられやすい雰囲気を持ち、笑顔を大事にする」があります。保護者アンケートで「忙しそうで、話かけにくい」とのコメントがあり、この点を改善するために、「ほうきの手を止めて、掃除機のスイッチを切って顔を見て挨拶をする」「なるべく保護者に背中を向けない」など実践して話や相談がしやすい雰囲気作りに努めています。

 

3.園が居心地の良い場所として浸透するような地域支援に取り組んでいます

 

地域の親子を常時受け入れ母親支援や父親支援の充実を図り、保育園が地域の親子にとって居心地の良い場所となるように取り組んでいます。

園には育児支援専任保育士が配置され、育児支援ルームも設置されて育児支援は多岐にわたっています。園庭開放、育児支援ルームの開放、育児相談を毎日行って、日々、地域の親子が訪れています。

施設開放として育児支援ルームでの「おひさまサロン」夏の屋上プールでの「あおぞらサロン」や保育士が関わって遊ぶ「保育園で遊ぼう」「ちっちゃな保育園」などが実施されています。昨年は親子が一緒にクラスに入って遊ぶ「交流保育」や子育ての知識や技術を学ぶ「育児講座」については、父親が参加しやすい土曜日にも実施しています。また、主任児童委員主催の子育てサロンには保育室を提供し、子育てサロンと協働で音楽会を開催しています。

 


≪努力・工夫している点≫

1.状況に応じた職員配置や子どもの発達により、柔軟な保育対応をしています

1歳児クラスは1クラスの人数が18人と多い上に、進級時は半分以上が新入園児で構成されています。1歳児の発達の特徴から、年度当初は慣れない園生活に混乱する子どもも多く、保育士の手が足りない状況になりがちです。

保育士の配置は3人(国基準)のため、全職員合意の上で、子どもたちが落ち着いて過ごせるまでは、フリー保育士1人を1歳児クラスにプラスで配置して子どもが安全に安定して過ごせるよう配慮しています。クラス担任として4人の保育士が配置されている間は、なるべく少人数の集団になるように、1クラスを2グループに分けて保育をしています。

また、障害のために同年齢の子どもと同じクラスでの活動が難しい場合は、保護者と相談の上、発達に適したクラスに在籍して保育をするなど柔軟に対応しています。

 

≪課題や改善することが期待される事項≫

1.保護者とともに子どもの育ちを喜び合える関係作りのために、更なる工夫が期待されます

保護者とは子どもの育ちをお互いに喜びあえる関係性を目指し、保護者に情報を伝える様々な工夫をしています。日頃の子どもの様子は、写真をスライドショーにして懇談会で紹介しています。また、日々のクラスの様子はクラスノートとして毎日報告し、クラスだよりは写真を多用し、保育室に掲示するものはカラー版にして保護者の目に留まりやすいようにしています。

しかし、保育内容についての保護者への情報提供は十分とは言えません。園だよりは毎月発行して簡潔にクラスの取り組みを紹介していますが、クラスだよりはクラスごとに適宜発行されていて、毎月のクラスの取り組み、子どもの様子など定期的に保護者に情報提供がされてはいません。アンケートの回収率から、保育園の質の向上を目指すアンケートに協力している保護者は半分ほどと考えられる状況があります。保護者とともに子どもの育ちを喜び合える関係作りのために、更なる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育士は、子ども一人一人の思いを大切に受け止め、心を届けることを大切にしています。子どもの名前は呼び捨てをしないように職員間で申し合わせています。人権研修に参加し人権意識の向上に努めるとともに、気が付いたことがあればお互いに注意しています。各保育室はおもちゃ棚や職員手作りの衝立で仕切りやコーナーが作られていて、子どもが隠れたり、一人になれる場所があります。幼児クラスは廊下のコーナーを活用することもあります。また、必要に応じて事務室や育児支援室などを使っています。

「個人情報の取り扱いマニュアル」を整備しています。マニュアルでは各種書類や身体測定カード・写真・ビデオの管理方法から園だよりや名札の書き方まで決めています。「入園のしおり」には保育園で扱う個人情報の書類をあげ、利用についての同意を得ています。個人情報を含む書類は鍵付きの書庫に保管し、保護者に配付する時は手渡しを原則とする、日誌などは保護者の目に触れない場所に置くことなど個人情報の取り扱いに十分配慮した方法をとっています。

性差による固定観念で保育をしていないか、保護者対応をしていないかなど、会議などで振り返るとともに、人権研修での学びを職員間で共有しています。名簿は誕生日順、並び順は状況によって背の順やまったく自由にするなど性差を意識しないように配慮しています。絵本や紙芝居などで表現が不適切なものは子どもに与えないようにし、遊びやグループ分け、順番など子どもの意思を尊重しています。

「横浜市子ども虐待防止ハンドブック」「神戸保育園虐待防止マニュアル」を整備しています。保育士は朝の視診や着替え時の身体の状態、子どもの機嫌や心の状態など注意深く観察して早期発見ができるように心がけています。保護者には日々、「おかえりなさい」「お疲れ様」など言葉をかけることに努め、信頼関係を築き、子育てでの助言ができるように心がけています。虐待が疑われる場合は職員間でケース検討を行ない、対応方法と情報の共有を図るとともに、迅速に状況を保土ヶ谷区に伝え連携を整えていきます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

各保育室は棚を仕切りとして活用し、食事スペースと遊びスペースを分けています。手作りのおもちゃ棚は子どもが自分でおもちゃを取り出せる高さに合わせ、子どもの発達にあった各種のおもちゃや教材を置いています。おもちゃなどは子どもの成長や遊びの様子に合わせて入れ替えをしています。自由遊びの時間には、担任にどのクラスへ行くかを伝えれば、自由に他のクラスで遊ぶことが出来ます。夕方の延長保育の時間には0歳児以外は一緒におやつを食べ、遊ぶ時間が持てるようになっています。また、年間を通して異年齢保育を計画的に実施して異年齢児と交流しています。

排泄に関しては個人差が大きいので一人一人の発達状況に合わせて進めています。個々の排泄間隔を把握しながら、午睡後の時間などにトイレに誘うようにしています。トイレに行きたがらない子どもには無理に誘うことはしないように職員間で申し合わせています。

保護者とは子どもの育ちをお互いに喜びあえる関係性を目指しています。園の基本方針についての資料を作成し、入園説明会やクラス懇談会などで紹介しています。行事後にはアンケートを実施し、保育園の自己評価でもアンケートを取って、保護者から寄せられた要望や意見を公開し改善策を伝えています。今年度の園として力を入れている点の一つに、「保護者から話しかけられやすい雰囲気を持ち、笑顔を大事にする」があります。保護者アンケートで「忙しそうで、話かけにくい」とのコメントがあり、この点を改善するために、「ほうきの手を止めて、掃除機のスイッチを切って顔を見て挨拶をする」「なるべく保護者に背中を向けない」など実践して話や相談がしやすいように努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は理念に子どもの健やかな成長と幸せを願うことを謳い、保育方針に保護者との信頼関係を深め連携して保育を進める事と地域との交流を図りながら育児支援をしていくことを挙げています。また、子どもの健やかな成長の為の保育士の配慮がきめ細かく記載されています。保育課程をもとに年間指導計画、月間指導計画、個別指導計画が作成されています。計画をもとに一貫性のある保育を展開するために、リズム・食育・文学活動・園芸や園庭・保育環境・異年齢保育について年間の計画が作成されています。これらの計画は年度がわりに全職員で検討し見直しをしています。

0歳児クラスでは入園当初の45月は授乳やオムツ換え、連絡帳の記入などなるべく同じ保育士が対応して、子どもが安心して過ごせるように努めています。1歳児クラスは、子どもたちが園での生活に慣れ落ち着くまでは、フリー保育士1人を1歳児クラスにプラスで配置して安定して過ごせるよう配慮しています。クラス担任として4人の保育士が配置されている間は、なるべく少人数の集団になるように1クラスを2グループに分けて保育しています。特に配慮を要する子どもについては、園内の各種会議や園内研修で個別にケース検討を行い、全職員に情報が共有できるようになっています。今年度は「要配慮児対応について」のテーマで園内研修として6月から10月にかけて5回実施しています。各職員の都合のつきやすい時間帯に行い、全職員が統一した対応ができるように努めています。

「苦情は宝」と考えて苦情や要望・意見を訴えやすいように取り組んでいます。「神戸保育園マニュアルには制度を利用して解決を図る前に、保護者や子どもとの信頼関係を築き、欲求や要望に対して満足度が高められるような対応をすることが大切」と謳って、日常の保育者の態度や言葉かけについても記載されています。保護者からの要望や苦情は直近の会議で職員に伝え、園全体で受け止め、可能なものについては速やかに改善して内容を保護者に説明しています。

4 地域との交流・連携

平成21年より「育児支援センター園」として、地域支援専任の保育士が配置されています。毎日の園庭開放、育児支援ルームの開放、育児相談の他、施設開放として「おひさまサロン」夏の屋上プールでの「あおぞらサロン」など支援事業は多岐にわたっています。日程を決めて保育士が関わってあそぶ「保育園で遊ぼう」「ちっちゃな保育園」などが実施されています。昨年は親子が一緒にクラスに入って遊ぶ「交流保育」や子育ての知識や技術を学ぶ「育児講座」については、父親が参加しやすい土曜日にも実施しています。

保土ヶ谷区内を3エリアに分けて、各エリアに保育資源ネットワーク構築事業の事務局園として専任保育士を配置しています。園は平成24年から南部エリアを担当する事務局園に指定されています。ネットワーク構築事業の中で、近隣幼稚園との交流や近隣6保育園の5歳児クラスが集まって一緒にゲームや踊りを披露するなどの交流をして子どもたちの楽しい体験になっています。地域ケアプラザや地区センターなどを合同育児講座や地域の子どもと園児との交流保育の会場として借りています。

「お楽しみ会」や「運動会」などの園行事に第三者委員や自治会長・民生児童委員などを招待し交流しています。地元のボランティアサークルの協力による「お話し会」は10年以上も続いています。また、町内会長を中心とした地元ボランティア「応援隊」の指導で5歳児クラスがグランドゴルフを楽しんでいます。5歳児クラスは保土ヶ谷小学校を訪問して一緒に給食を食べるなどして小学校生活に親しむ取り組みを行っています。中学校は職業体験、高校からはインターンシップやボランティアを受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

職員の守るべき法、規範および倫理については職員服務規程、保育士倫理綱領、横浜市職員行動基準が整備されマニュアルとして横浜市個人情報の適切な管理に関する要綱、個人情報の取扱いマニュアルなどがあります。園長はコンプライアンス(法令順守)研修に出席し、職員会議の中で園内研修を行っています。毎日のミーティングや会議でも常に保育目標に照らしての議論がされており、職員との会話の中でも保育目標「げんき、やるき、なかよし」は重要なキーワードになっています。

保育の機能変更や職員勤務時間の変更などは職員会議やミーティング・回覧で正確に伝えるようにしています。なぜこのような変更が行われるのか、市の方針や社会的要因を職場でも考えるように誘導しています。運営面での改善課題については、クラス会議など少人数での意見交換を十分に行い、職員会議で決定しています。

重要な意思決定にあたっては、クラス懇談会で保護者に説明をして意見の吸い上げを行っています。保護者会の総会には園長が出席して説明をし、欠席した役員には個々に連絡を取り合って、十分な意見交換をしています。同時に全職員出席の職員会議で目的や検討経過などを十分説明します。これらの手順を踏んで保護者会、園相互の意見を反映させるようにしています。

資源や環境についてISO環境マネジメントシステムを全職員で受講し、資源や環境を守る行動の重要性を学んでいます。横浜資源循環局の「ヨコハマ3R夢プラン」に基づいてグリーンカーテンの設置、散歩コースの公園などでのゴミ拾い、職員の出したゴミは持ち帰るなど日常の保育の中で環境への配慮を行っています。

6 職員の資質向上の促進

「保土ヶ谷区保育施設研修年間計画」を中心にして、園長と主任で職員の状況に応じて個人別の研修受講計画を作成しています。自己啓発研修に参加する職員もいます。研修報告書を作成し、会議で報告するとともに回覧して職場にフィードバックしています。園内研修は勤務時間の異なる職員間で都合のつきやすい午前中・午後・夕方の3種類を設けて全職員が参加できるように工夫しています。

園長は年度の始めと年度末に人事考課の個人面談を行い、個々の職位に応じた年間目標について確認しています。園長自身の目標をオープンにすることによって、園として目指す方向性が明確になり、個々の目標が立てやすくなっています。各職員には職位に応じた適切な目標を立てるように指導しますが、努力すれば達成が可能と考えられる目標にするように助言しています。振り返り面談では職員の達成感も高くなり、次期の課題も共有しやすくなっています。

職員は本年度の目標を個々に振り返り、園長と内容を共有し次の課題を見つけています。個々に把握した課題を、クラス会議、職員会議で話し合いをして園全体の課題として整理し、次年度の園の目標とする仕組みになっています。また、保育園の自己評価を毎年実施し、園の課題を抽出したものは保護者に向けて園内掲示で公表し、解決に向けた取り組みを行っています。

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