かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園新川崎(2回目)

対象事業所名 にじいろ保育園新川崎(2回目)
経営主体(法人等) 株式会社サクセスアカデミー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0054
幸区小倉1-4-24
tel:044-599-6790
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 合同会社 評価市民・ネクスト
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】

  にじいろ保育園新川崎は、JR横須賀線「新川崎」駅から徒歩15分ほどのところにあります。駅周辺は、商業ビルやマンションが立ち並んでいますが、園は住宅地にあり、杉山神社に隣接し周囲に畑もある自然豊かなところでもあります。子どもたちも日常、畑の作物を眺めながら散歩をしたり、公園で遊んだりしています。

  園は平成21年4月、株式会社サクセスアカデミーにより開設された認可保育園です。運営法人は、保育園・学童クラブ・児童館の運営、病院・事業所・大学内の保育委託サービス、保育施設運営のコンサルティングサービスを、首都圏を中心に幅広く展開しています。

  園舎は鉄筋コンクリート2階建てで、保育室は園庭に面していて陽光を十分に取り入れることができます。砂場のある園庭には、開設時に植えた幸区の木「ハナミズキ」が大きく育ち、プランターがいくつも置かれ、子どもたちが花や野菜を育てています。

  定員は60名(0歳児〜5歳児)、開園時間は7時〜20時(月曜日〜土曜日)です。保育理念は「のびやかに育て大地の芽」、保育方針として「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛〜信頼・安定・共感〜」を掲げています。

 

 

●特によいと思う点

1】子どもたちは一人一人見守られ、園生活を楽しんでいます

  各クラスとも10名前後の子どもたちで、保育士の目が行き届いています。安心安全な保育を基本に、季節感のある保育を計画し、その中で子どもたちは意見や要望をよく聞いてもらっています。調査日当日はプール遊びをしていましたが、保育士は話しかけてくる子どもばかりでなく、一人一人の子どもに声をかけ、どの子どもも安心した表情で水遊びを楽しんでいました。年齢が進むとともに、子どもたちの活動も広がりますが、自分たちでやりたいことを提案し、楽しみながら成長しています。

 

【2】職員は研修を重ね、相互のコミュニケーションを大切に協力しあっています

  職員は保育士経験4年目くらいまでの若い層が多いですが、その若々しさと笑顔で子どもたちの保育に全力であたっています。学ぶ姿勢があり、運営法人・川崎市や幸区・その他の研修に積極的に参加し、結果を共有しています。園内のさまざまな会議で意見を交わすのみでなく、休憩室等でも2人以上集まると保育の話ができる関係性があります。園長・主任・フリー保育士も日常の保育に入るなど、相談にのったりアドバイスをしたりしています。前年の退職者はやや多かったのですが、仲良く協力的な職員集団を形成しています。

 

【3】各種の提案や要望に対応し、改善したり発展させたりしています

  園は保護者・地域・職員からの提案や要望に対して、できるだけ速やかに対応しています。個別面談を土曜日の午前中にも設定して、保護者が出席しやすく職員の残業も減らせたこと、玄関前からの園児の飛び出しに対しての配慮については、アンケートを取り関係機関に図り改善したこと、0歳児の支援が望まれているという地域の情報により0歳児交流を始めたこと、デイサービスとの交流や職業体験受け入れ校の数を増やしたこと、延長保育の子どもの増加に対して、運営法人から職員を手厚くしてもらったことなど数多くの改善例があります。

 

 

●さらなる改善が望まれる点

【1】子どもたちの遊びの環境をさらに工夫することが期待されます

  園は子どもたちが遊びやすく片付けやすいように、おもちゃは子どもの手の届く棚に名前をつけて入れるなど選択できるようにしています。数が多い板積木などは、自由遊びでもグループで高い塔を作るなど生き生きと遊んでいます。しかし、おもちゃでの一人遊びでは、十分遊び込めてないような子どもも見受けられたので、おもちゃの自由遊びの環境については、さらに工夫されることが期待されます。

 

【2】職員の質の向上を図り、経験知の高い職員の少なさを補うことが期待されます

  園は、職員に多くの研修の機会を提供し、系列園と保育士交流をしたり、他保育園の看護師を講師として研修を行ったりしています。若い職員の経験を増やすための取り組みをして、職員が切磋琢磨して伸びていくことを応援しています。職員も一人一人の子どもの気持ちに寄り添っていますが、保育全般に関する理解をより深め、保育技術を向上させることが望まれます。また、園運営を円滑にするために、日常の取り組みの中で各階層の職員の経験を増やし力をさらにつけることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●自由遊びでは子どもが好きな遊びができるように、おもちゃは取り出しやすいように配置し、複数の中から選ばせています。日常の保育にあたって、子どもの意見や行動から興味のあることをくみ取り、活動につなげるように配慮しています。「やりたくない」という子どもや一人でいたい子どもには丁寧に話を聞き、個別に対応しています。例えば外遊びをしたくない子どもをフリーの保育士に任せ、室内遊びをさせながら声かけをすることもあります。職員は子どもの発達や気持ちに添った保育を無理なく行えるように連携しています。

●子どもを尊重したサービスの提供について、理念や目標に定められ園に掲示されるとともに、職員は研修を受け共通の理解を持っています。入園説明会や懇談会で保護者にも説明しています。一人一人の子どもについては、日々、引き継ぎ簿・健康観察表・朝のミーティングなどで情報を共有しています。虐待については運営法人のマニュアルがあり、職員は法人研修を受け、新年度はじめの職員会議で園長からも説明があります。職員は自らの言動も子どもの尊厳を尊重するものであるように心がけています。

●入園時に保護者に個人情報保護について説明し、「個人情報使用承諾書」を受け取り、写真等の掲載に配慮しています。また、外部とのやり取りが必要な場合、その都度保護者の同意を得るようにしています。子どもたちの個人情報が書かれた書類等は、鍵のかかるロッカーで管理しています。日常の保育でも、靴箱や帽子に個人名を入れず、子どもたちの顔と名前が外部に分かりにくいようにしています。園庭でプール遊びをするときなども、目隠しのシートを用い、シャワーのときはテントを使用しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●声かけや連絡帳を活用した保護者とのコミュニケーションが良好です。担任の職員は保護者とコミュニケーションをとることを常に心がけ、登園時や降園時に「おかわりありませんか?」といった声かけを必ずして話しやすい関係を作っています。保護者と担任の職員は毎日連絡帳をやり取りし、そこに家庭での子どもの様子や育児の悩み、園に対する意見などを記入してもらうことで子どもと保護者が思っていることを把握できるようにしています。

●意見や苦情を伝えやすい仕組みとそれに前向きに取り組む姿勢があります。意見や苦情を伝える仕組みが、「スマイルBOX」、苦情受付システム、各種アンケート、個人面談、懇談会、連絡帳、毎日のコミュニケーションなど複数用意されており、保護者は伝える内容に応じて仕組みを選ぶことができます。園全体に意見や苦情を大切に取り扱い、その対応に前向きに取り組んで利用者の満足度を向上させようという意識が浸透しています。

●クラス以外の子どもとの交流、造形教室などでの自分の表現や友だちの作品を認めることなどを通じて、人間関係や友だちとの協同体験、主体的な活動の体験が行われています。特別な配慮の必要な子どもについてもスキンシップや見守りなどによって他の子どもと共に成長できるよう援助しています。

●安全・安心な保育を常に意識しています。子どもを「朝お預かりした姿で夜お返しする」という原則が最優先事項として職員全員に浸透しており、安全・安心を優先して保育が行われています。登園時および保育中に健康状態を継続的にチェックし、体調が悪い兆候があればすぐに検温等で状況を確認して必要なケアを行い、記録するとともに保護者と情報を共有しています。けがや事故の防止に努めてヒヤリハット事例を職員間で共有し、食事にも十分注意し食物アレルギーを持つ子どもや安全な離乳食への対応を行っています。

●保育の中では一人遊びの時間もあり、子どもたちはそれぞれ自分の気に入ったおもちゃで楽しそうに遊んでいます。子どもたちは気に入ったおもちゃで一通り遊ぶと、次のおもちゃや絵本など順繰りに遊びますが、次に何をしようかという場面も見受けられました。

●子どもたちは、食事の配膳を静かに待ち、「いただきます」のあいさつの後、おいしそうに食べています。献立は、喫食状況や、いろどりへの配慮などからメニューの作成を工夫しています。これからも子どもたちの「食への関心」を深めるため、食育につながるさらなる取り組みが期待されます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●分かりやすい入園前説明会と子どもおよび保護者の事情を考慮した慣れ保育を実施しています。2月と3月に入園前健康診断兼園長面談と入園説明会を実施し、十分な時間をとって園のことを説明して子どもと保護者の不安を取り除くようにしています。また、園長および職員で前年の説明会を振り返り、分かりやすい説明資料と丁寧な説明ができるよう毎年工夫をしています。慣れ保育は子どもの様子や職場復帰の予定などを保護者と相談し、無理のない慣れ保育期間を設定して、子どもが少しずつ園に慣れるようにしています。

●保育日誌などの各種記録と、子どもの成長に合わせた保育計画を作成しています。毎日の保育状況は保育日誌に詳しく記録し、園長および他の職員がその内容を共有できるようにするとともに、その内容を確認しつつ子どもの成長に合わせた月別や週別の保育計画を作成しています。それぞれの子どもについて健康面、保育面の記録も作成して発育状況が把握できるようにしており、年度が変わり新たに担当となった職員が、過去の記録に目を通して速やかに子どもたちの状況を把握することができています。

●緊急時や災害時の対応をまとめたマニュアル、事故発生対応マニュアルがあり、緊急時の体制・職員の役割・対応方法もまとめられています。ヒヤリハットによる事故・ケガの原因分析などから子どもの安全確保のための取り組みも行っています。避難訓練や不審者対応訓練も定期的に行っています。

4 地域との交流・連携

●園の情報は運営法人や川崎市のホームページで広く発信し、来園者向けパンフレットも作成しています。幸区や園の子育て支援の催しとして「親子読み語りタイム」「きらきら親子あそび」「にじいろメロディ」「いっしょにあそびましょう」などを実施しています。これらの情報は園の外の掲示板にも貼って知らせています。毎週土曜日に園庭開放を行い相談にも応じています。実施の記録を取り、課題があれば解決していくように取り組んでいます。

●区内の職種別・担当別の各種会議に、園長・主任・栄養士・保健担当者・年長児担当者等が定期的に参加しています。また、民生委員・児童委員・主任児童委員連絡会、要保護児童対策協議会等に園長が出席し、情報を共有しています。区の幼保小連携会議では、中学校区単位で小学校と情報交換をし、年長児の交流を通して就学の不安を軽減するような試みをしています。園独自でも園児の就学予定地区の系列園と交流するなどの取り組みをしています。

●保育方針に「地域と共に育つ保育園」を掲げ、各種会合や園庭開放等の機会に福祉ニーズを把握するように努めています。この取り組みから0歳児交流を始め、5歳児がディサービスを訪問し、歌を披露したりプレゼントを渡したりして喜ばれています。公立園とプール遊びの交流をして、子どもたちが喜んで参加しています。ボランティア受け入れについてはマニュアルがあり、オリエンテーションで園のきまりなどを知らせ、「機密保持誓約書」を出してもらっています。現在は生徒・学生が中心ですが受け入れの広がりが期待されます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●園の保育理念・保育方針は、園のホームページやパンフレットなどに載せています。園内では、玄関・保育室のほか階段・トイレなどに掲示しています。職員は運営法人の採用時研修で理念・方針を学び、園でも年度初めの職員会議や入職のときに、園長が説明しています。保護者には入園説明会や懇談会で分かりやすく説明し、子どもたちには行事などを通して自然に身につくように心がけています。さらに掲示物を見やすくすることやホームページの更新を増やすことが期待されます。

●園長は職員の指導を積極的に行い、保育の質の向上のため、職員の育成に努めています。運営法人の階層別研修、川崎市や幸区、その他の研修を受けられるように機会を設けています。また、園内研修を行い、必要な知識やスキルが身に付けられるようにしています。若い職員が多いので、系列園で経験知のある職員が多い園と交流して学ぶなどの取り組みをしていますが、さらに職員のレベルアップを図ることが期待されます。

●園長は職員の残業を軽減するため、運営法人と延長保育の多い朝の時間帯の職員の確保を調整し、実現させています。また、個別面談を土曜日午前にも設定し、保護者は休日にゆっくり面談できる人が増え、職員の残業も軽減できるなど、職員の声も聞きながら業務改善をしています。これまで第三者評価、保護者からのアンケート、保護者代表と第三者委員が入る運営委員会、職員の「チャレンジ共有シート」などで園の課題を把握し、園長会や地域の会合で共有した地域のニーズも踏まえて、話し合い解決していくようにしています。

6 職員の資質向上の促進

●運営法人のマニュアル「にじいろガイド」に求められる職員像が明記され、職員配置については川崎市等の配置基準に基づき各職種の員数を確保し、経験やスキルに合わせ、採用後の研修実施等を総合的に行っています。新採用は、運営法人で一括し、園説明会で体験談等を聞き、保育現場を理解し試験に臨むようにさせて、人材確保に努めています。非常勤職員等は運営法人本部と園長が連携して採用を決めています。延長保育の子どもの多い時間帯に、配置基準以上の非常勤保育士を加配するなどの措置を講じています。

●運営法人には、充実した研修計画があります。園長は各種研修に積極的に職員の参加を促しています。園では職員が提出する「チャレンジ共有シート」での課題に相応する研修に参加できるように、研修計画を作成しています。保育に支障がないように、主任がシフト調整をして、園長・主任・フリー保育士が保育に入るなど支援しています。また、研修の結果は職員が共有しています。さらに、日常業務の中で各階層の職員の経験を増やし、より一層レベルアップするような取り組みを期待します。

●毎年10月に意向調査を配り、職員の次年度の希望を聞いています。異動・退職やリーダー・主任・園長への職務変更の希望等を記入できるようになっています。園長・主任は日ごろから職員の働き方に目を配り、残業をできるだけなくし有給休暇を取得しやすいように配慮し、相談しやすい風通しのよい職場となるように努めています。職員には健康診断受診等の健康管理面の制度や、法人加入している福利厚生制度があります。運営法人の相談窓口や月1回の臨床心理士の相談に、職員が相談することもできます。

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