かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

昴保育園(2回目受審)

対象事業所名 昴保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜悠久会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0022
保土ヶ谷区西久保町114-250
tel:045-730-4311
設立年月日 2006(平成18)年06月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 昴保育園は平成18年6月1日に社会福祉法人横浜悠久会が設立した定員129名の認可保育園です。JR横須賀線の保土ヶ谷駅東口から至近にある線路に沿った立地です。横浜まで1駅、川崎や東京方面への通勤にはたいへん便利な、大規模マンションのファミリー層を中心とした地域で、駅前には商店街もあります。天然芝生や砂場のある屋上園庭や、固定遊具がある屋上、駐車場の先にはさつま芋や野菜などを育てる畑があります。近くには、子どもたちの通称「ばいきんまん公園」「みらいの見える丘公園」など公園が多く、よく散歩に出かけています。保育理念や保育方針、保育目標、保育姿勢を玄関に掲げ、保育理念のとおり、子どもの人権や主体性を尊重した保育をしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○職員間のコミュニケーションが良好で、互いの協力や連携関係が、子どもたちの落ち着きにつながっています
 職員の年齢構成が幅広く、経験者から若手までそろっています。経験者は高ぶることなく若手に接し、若手は先輩を手本に学んでいます。家庭と連携して子ども主体の保育にあたるという保育理念の下、互いを認め合い、自由に自分の意見や考えを述べることができます。ミーティングやクラス会議、カリキュラム会議、職員会議などで、園の重要事項を職員全員に伝えたり討議したりして、園の動向を職員が理解し共有できています。また、非常勤職員も含め、内外の研修受講に積極的です。担任だけに任せることなく、ほかのクラスの子どもも理解して対応できるように、職員どうしが学び協力し合っています。こうした良好な人間関係が、子どもたちの落ち着きや安心感につながっています。


○園の保育を進めるにあたり、保護者の理解と協力を得るよう努めています
 保育理念には、家庭と連携を図りながら子どもの人権や主体性を尊重した保育を行うとあります。入園説明会で、「園のしおり」を配付して保育理念や保育内容などを説明し、入園式後の懇談会で、保育課程とクラスごとの年間指導計画を説明して年間行事予定とともに渡しています。個人面談や保護者懇談会では、ふだんの保育の様子を話し、要望を聞いています。年度末にアンケートを行って保護者の要望や意見を知り、園便りなどでていねいに回答しています。毎日の保育の様子を連絡帳やノート、送迎時の会話などで伝え、毎月の園便りや給食便り、保健便り、また、活動内容に合わせてクラス便りを発行しています。保護者は保育の様子を理解し、運動会などの行事にもたいへん協力的です。今回の利用者家族アンケートでも、園への総合評価の満足度は95%超でした。


○職員の得意分野を生かした園内活動を行っています
 心身ともにバランスの良い発達のために、散歩や外遊びなどの室外活動と、リズムや体操、絵画製作、茶道などの室内活動をしています。体操は月1回5歳児が専任講師の指導を受けていますが、ほかの活動は保育士など内部の職員が指導しています。絵の得意な保育士が、子どもに、大きく伸び伸びとさまざまな好きな色で絵を描くよう指導したところ、ほとんどの子どもが、明るく伸びやかで上手な絵を描くようになり、他クラスにも良い影響を与えています。リズム運動は、外部研修参加者による内部報告などで職員は学んでいます。ピアノも上手な職員が多く、交替で弾いています。2か月に一度の5歳児の茶道は、非常勤職員が別室に畳を敷いて指導しています。職員個人の得意分野を生かし、子どもにも親しみやすい園内活動を展開しています。


《事業者が課題としている点》
 スーパーバイザーの役割が担える人材育成のシステムを整備していくことが課題です。現在、さまざまな現場経験や研修を通して、人材育成を進め、正規職員と非正規職員の保育観の統一を図ることにも取り組んでいます。同時に、高齢化社会に向けて、定年後雇用の在りかたを考えていく必要性も認識しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  外部研修や系列保育園交流などで学んだ「子どもへの言葉かけ」の内容を、内部研修で学んでいます。「人権マニュアル」の「人権に配慮した保育」の項目に、子どもの呼びかたや接しかた、言葉かけなどの留意事項が記されています。研修に先立ち、改めて児童憲章や園の保育理念、マニュアルなどを確認しています。日常の保育場面のケースごとの問いに、どのような言葉をかけるか各自で回答を記入し、適切な回答を話し合い、振り返りをしています。保育所保育指針の「子どもの人権尊重」を載せた「子どもがこっちを向く言葉かけ」のテキストで、子どもの気持ちに配慮した言葉使いを学んでいます。職員は子どもの人格を尊重して保育にあたることを認識しています。
 牛乳パックを横に2、3個積み重ねてつなげたしきりを使い、椅子なども使ってコーナーを作り、その中でごっこ遊びやブロック遊びを楽しんでいます。必要に応じて子どもと落ち着いて一対一で話し合える場所には、クラスのコーナーや事務室などを充てています。おむつ替えのときは、カーテンを閉めて外から見えないようにしています。0〜2歳児がビニールプールで水遊びをするときは、ついたてなどで目隠しをしています。屋上のプールで遊ぶときは、倉庫内の広いスペースで着替えています。体調のすぐれないときや一人になりたいときなどは、事務室で受け入れて遊具や色紙で遊んだり、ベッドに横になったりして必要な対応を取り、職員が見守っています。
 職員は入職時の研修で、性別による固定的な役割意識を植え付けないことや、性別にとらわれず個性を尊重し子どもの可能性を伸ばす保育を行うことを学んでいます。したがって、持ち物や服装、保育中の並び順、グループ分け、発表会の劇の配役などで性別による区別はしていません。自由遊びでは、子どもたちはままごとや折り紙、積み木、絵本読みなど好きな遊びに取り組んでいます。名簿は誕生日順としています。園の配付物は「○○さん」と記入し、入園式や卒園式で名前を呼ぶときも「○○さん」と呼んでいます。職員は「男の子だから」とか「女の子だから」など性差を強調するような言葉づかいをしないように日ごろから心がけています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程に基づき、年齢別の年間指導計画、月間指導計画、週(日)案を作成しています。これらの計画に従って日々の保育を実践しています。毎朝のミーティングで子どもの様子やその日の活動予定を伝え合い、職員間で情報共有しています。子どものしぐさや態度、表情から子どもの意思をくみ取り、話ができる子どもからは、朝の会や帰りの会などで意見や要望を聞いています。雨が続いた後は子どもの希望で工作予定を散歩に切り替えるなど、指導計画に柔軟性を持たせています。体操などクラス全体での活動に参加したくない意思を示す子どもには強制せず、自らやりたい気持ちになるような対応をするなど、保育理念の実現に努めています。
 0、1歳児クラスでは月齢や発達ごとにグループ分けをして、少人数で活動しています。ときには牛乳パックをつなげたじゃばらやおもちゃ箱、椅子などでしきりを作り、コーナーを分けて活動しています。2歳以上の子どもも、小グループでごっこ遊びやパズル遊びなどをするときは、同じようにしきりを作って遊んでいます。給食は1歳児だけは場所を変えて隣の保育予備室でとりますが、ほかのクラスは同じ部屋で、食事と午睡のスペースを分けてとっています。1階のホールを使って、週1回3〜5歳児合同でリズムを行ったり、運動遊びを行ったりして異年齢交流をしています。
 0〜2歳児の月間指導計画は個別に作成しています。「(今月の)ねらい」と「養護、教育、食育」、「環境構成、配慮」を基に、縦に子どもの氏名を列記し、横に「子どもの様子」や「配慮、援助」、「家庭との連携」の項目別に、一人一人の子どもの発育状況を把握したうえで計画が作られています。3歳児以上でも特別な配慮を必要とする子どもは、保護者の要望や意向を聞きながら、個別指導計画を毎月作成しています。個別の目標や計画は、子どもの発達に合わせて保護者と相談しながら、随時見直しを行っています。特に個人差のあるトイレトレーニングなどの重要案件は、連絡帳や送迎時の会話を通じて保護者の同意を得て行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  月間指導計画は、0〜2歳児は個別に、3〜5歳児はクラス別に作成しています。毎月のクラス会議で月間指導計画の振り返りを行い、次の月間指導計画を検討して、月末のカリキュラム会議で決定します。年間指導計画も同様に作成しています。改定にあたっては、行事のときや年度末に行うアンケートなどから保護者の意向をくみ取り、計画に反映しています。保育課程と年間指導計画は、年度初めの懇談会で説明後、保護者に配付しています。
 入園時に保護者から「児童票」と「児童健康台帳」の提出を受けています。また、入園式後の懇親会の際に、保護者が記入した「生育歴」を基に個人面談を行い、家庭での子どもの様子や要望、留意事項などを確認し記録しています。面談後関係職員で子どもの情報を共有しています。入園後0歳児は、毎日個別の日誌に発育の様子を記入し、1〜5歳児は3か月ごとに「経過記録」をつけています。身体測定や健康診断の結果も記録しています。記録内容は事務所に施錠して保管し、職員は必要な場合はいつでも見ることができます。進級時は「引き継ぎ書」を基に、文書と口頭で新しい担任に引き継いでいます。卒園時には「保育所児童保育要録」を作成し、小学校に送付しています。
 職員は、横浜市主催の障害児保育研修や保土ヶ谷区主催の要支援研修、横浜市西部地域療育センター主催の通園療育の実践研修などの外部研修を受講しています。受講後は研修報告を行い、ほかの職員も内容を共有するなど、積極的に配慮を必要とする子どもを受け入れる姿勢があります。個別指導計画の見直しをカリキュラム会議で話し合い、職員間で情報を共有しています。外部研修や横浜市西部地域療育センターの年2回の巡回指導などから得た最新情報は、ミーティングや職員会議で報告し、保育に生かしています。子どもに関する情報や記録は、全て個別のファイルにまとめて事務室に施錠して保管してあり、必要なときはいつでも確認できるようにしています。
4 地域との交流・連携  地域の子育て事業として、一時保育や園庭開放、交流保育、育児講座などに取り組んでいます。育児講座は年3回行い、保育士による製作や遊び、看護師による健康管理相談、栄養士による離乳食相談など、園の専門性を生かした講座を開催しています。保育士による講座を受けた参加者が、その後に一時保育を利用するなど、地域の在宅子育て家庭に園を知ってもらう良い機会となっています。交流保育は、プール遊びやリズム遊びなど、年間を通じて定期的に地域の子どもたちを受け入れています。年度末の職員会議では、子育て支援事業の年間計画や実施、評価について話し合い、次年度につなげています。現在、0歳児クラスで実施している体験保育を、他クラスでも実施することを検討しています。
 育児講座や交流保育、体験保育、夏季のプール開放、お砂場開放、一時保育、育児相談など地域支援事業のお知らせは、園のホームページに掲載したり、「昴保育園に遊びにおいでよ!」というチラシを作成して園の門前にある掲示版に掲示し、地域の方に知らせています。さらに、保土ヶ谷区役所や子育て支援拠点にも育児相談の案内を配付しています。また、横浜市こども青少年局のポータルサイト「よこはまはぴねすぽっと」の保育所情報にも園の内容が掲載されています。育児相談は、問い合わせがあればいつでも、主任が窓口になり対応をしています。さらに、園庭開放や砂場開放などのときにも保護者から育児相談を受けています。電話などでの相談内容は記録しています。
 入園希望者から利用条件や料金などについて問い合わせがあった場合は、園長や主任、事務員、必要に応じて看護師が対応しています。問い合わせに対しては、入園のしおり(パンフレット)や重要事項説明書、ホームページなどに基づいて、園の理念や保育方針、特徴などをていねいに説明して、園の見学を随時行っていることも案内しています。施設見学は、子どもたちの活動や保育内容、保育環境を見てもらえるように10時ごろを勧めていますが、利用希望者の就労状況など都合を聞いて時間を調整し、園長や主任が担当して実施しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性  園の情報はホームページに掲載し、園の概要や保育理念、目標、園の一日の流れ、年間行事、園便りなどの情報を、わかりやすく提供しています。また、横浜市こども青少年局のポータルサイト「よこはまはぴねすぽっと」にも、サービス内容などの情報を提供し、広く発信されています。園では、ホームページと同様に、保育方針や園の特徴、園の概要、職員構成、子育て支援事業などについてわかりやすく記載した、入園案内のリーフレットを用意しており、見学者等に渡してていねいに説明し、必要な情報を提供しています。
 園の就業規則に基づいたコンプライアンスマニュアルがあり、子どもの最善の利益や子どもの意思および人格の尊重、守秘義務など、職員が守るべき法や規範、倫理について記述しています。全職員に、入職時に配付して説明し、理解の確認をして周知しています。他施設の不適切な事例や事故についての記事などは、回覧したり会議で話し合っています。保育に関することやアレルギーなど命にかかわることで、職員が気になる記事があれば、各クラスに伝達をして、問題点に関心を持ったり共通理解を促したりしています。また、財務諸表などは法人のホームページで公開されています。
 保護者とのコミュニケーションを大切にし、行事のときなどは保護者にアンケートを実施して感想や意見などを聞いています。例えば、延長保育の時間帯について、利用者のさまざまな状況や実態を考え、3年間かけて現在の20時までに変更しました。このような変更を実施するにあたり、変更についての説明会を開くお知らせを保護者に配付して説明会を実施しました。そして説明会の後にはアンケートで保護者の要望を聞き、それに対してていねいに回答し、参加できなかった保護者には経過を周知できるように、また、保護者全体に理解してもらえるように、お知らせを配付して細かく説明しました。食育では保育士と栄養士が協力し、食物アレルギーなどには看護師も協力をして、給食の対応をしたり、内部研修を実施しています。
6 職員の資質向上の促進  研修担当は主任で、研修会のお知らせを回覧して、各職員のニーズに合わせて参加申し込みをしています。研修は各職員が自主的に希望しますが、保育士に必要と思われる研修を主任が勧めることもあります。非常勤職員も常勤職員と同じように、研修に参加することができます。職員は研修手帳を持ち、園内研修や園外研修、自己啓発研修など自分が受講した研修の研修名や日時などを記入して、自分に必要な研修内容に対して常に関心を持っています。研修後は研修報告を作成しますが、研修内容だけではなく、今後の保育に生かす点なども記載します。研修報告は職員間で回覧して内容を周知し、職員会議でも発表して職場で生かせるように取り組んでいます。研修について、保育士の報告や成果を評価して、常に見直しをしています。
 業務マニュアルは事務室と各クラスに設置して、全ての職員が必要なときに見ることができます。職員配置は、保育士資格の有無と勤務時間を考慮し、業務に支障の出ないように組み合わせを考えています。非常勤職員も常勤職員と同様に園の保育に携わる職員としてとらえ、行事などでは全ての職員の役割分担が決められています。非常勤職員も研修に参加して、資質向上への取り組みを行っています。園の特徴として、職員間のコミュニケーションが良く、意見交換をしやすい関係が築かれており、情報の共有がされていて、子どもを園全体で見守る体制が整っています。
 法人の保育理念を基にして管理職、主任、リーダー、中堅、初任者、新人など、経験、能力や習熟度に応じた職位と役割の期待水準を一覧表に明文化しています。最終的な責任者は園長ですが、日常の保育は職員の経験に応じて現場に権限を委譲しています。どのようなときでも園長への連絡や報告は必ず行います。職員会議では、子どもたちにとってより良いものを目ざして、保育環境についての工夫や施設の使いかたなどを提案したり話し合っています。さらに、職員に業務改善や提案に関するアンケートを行い、園長は年末と年度末のヒアリングで担当したいクラスなどを聞いて、職員の要望などを把握しています。

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