かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

フレンド金沢文庫保育園

対象事業所名 フレンド金沢文庫保育園
経営主体(法人等) 株式会社フレンド楽器
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0042
金沢区釜利谷東2-16-30 高野ビル1F
tel:045-782-3421
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 フレンド金沢文庫保育園は株式会社フレンド楽器が運営する認可保育所です。以前は別の場所で横浜保育室として保育を行っていましたが、平成26年4月認可保育所へ移行し、現在の場所で開園をしてから2年が経過しています。園は京浜急行金沢文庫駅から徒歩2分の利便性の良い場所にあり、4階建てビルの1階を使用しています。
 受け入れは生後57日から2歳児までが対象で、定員は34名、現在33名の子どもが在籍しています。近隣には乳児が歩いて行ける多くの公園があり、日々、子どもたちは散歩など園外活動に出かけています。2歳児クラスは、六国峠や海の公園まで遠出の散歩に出かけることもあります。
 設置法人は、音楽教室を事業運営しており、感情の素地を作る乳幼児期に目や耳から入るたくさんの情報で豊かな感情を育てることを目的として、毎週専門講師による英語教室と音楽教室を行っています。また、園の室内の壁の一部に太鼓や触ると音が出る楽器や床にも踏むと音が出る円形のクッション性のある物を埋め込んで、子どもが色々な音に親しむことができるような造りになっています。


≪優れている点≫
1.積極的な戸外活動による体力増進や地域に関わる体験を通し、子どもたちは育っています
 保育目標に掲げる「じょうぶで元気な子ども」「いろいろな経験を通じて、五感を豊かにして想像力を膨らませる子ども」の実践のため、毎日戸外活動をしています。午睡の後に散歩に行くこともあります。保育園の周りには多くの公園があり、その日に応じて行き先を変えています。職員は途中で出会う地域の人と積極的に挨拶を交わしています。
 勤労感謝の日に合わせ、子どもたちがプレゼントを作り、園医や近隣の商店や給食材料納入店に届けています。線路沿いの道で子どもたちは次に来る電車の色の当てっこをしたり、前日見つけたセミの幼虫が次の日にふ化するのを観察したり、川の魚を見つけるなど多くの体験を通じて、好奇心を育んでいます。
 公園では、子どもたちが手を上下に上げ下げして遮断機に見立て、踏切を渡る時のルールを子どもたちが自ら遊びに取り入れています。公園の鉄棒、ブランコ、すべり台などの固定遊具で遊んだり、室内でもケンケンパ、ジャンプ、ハイハイやトンネルくぐりなど年齢や発達に応じた体力増進を図った活動が行われています。


2.全職員が連携を密にし、全園児の育ちを支えています
 0〜2歳児を受け入れている小規模園であること、オープンフロアでの保育であることの利点を活かし、家庭的な雰囲気をつくり、日々職員は連携を密に図りながら業務にあたっています。遊びで音楽をかける時は、クラスや予定の活動を一緒に行うなど、臨機応変に対応しています。毎週の英語、音楽教室は全員が参加しますが、まだ歩行が十分でない0歳児もクラス担任でなくても安心して抱っこされ活動を楽しんでいます。
 また、スキルアップや業務の標準化のための園内研修は、全職員(派遣社員以外)が担当するようにし、担当になった研修内容について考える機会を設けています。行事準備、職員会議等も全職員で役割を持って関わっています。会議の司会進行、書記についても常勤・非常勤の区別はありません。園長のリーダーシップの下、主任は園長と協力し、積極的に現場に入り、職員の様子を見ながら指導や助言を行っています。毎月の会議のほか、全体ミーティング、10分間ミーティング(クラスミーティング)を活用し、全職員で全園児の情報を共有しながら、発達が著しい乳児期の子どもの育ちを支えています。


≪努力・工夫している点≫
1. 外部研修で得たサービス事例を園の保育に積極的に取り入れています
 外部研修で得た工夫、改善した良いサービス事例を職員会議で話し合い、園の保育に積極的に取り入れています。園での工夫として、おもちゃは廃材を活用し、子どもたちの年齢、発達、興味に応じて、職員の手作りによるアイディア満載のおもちゃを取り揃えています。
 今年度は、保育日誌の書式を変更しています。エピソード欄を設け、題名を付けて子どもの様子や表情を記載することで、子どもの行動や思いがより具体的に伝わり、言葉で自分を表現することが難しい乳幼時期の子どもの気持ちをより推し量れることにつながっています。また、職員同士で子どもたちの状況を把握するツールとしても機能し始めています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.職員自ら資質向上の目標を立て、取り組むための仕組み作りが期待されます
 職員のキャリアパスに基づき、園として人材育成の計画を策定しています。年間計画に基づいた園内研修のほか外部研修に常勤、非常勤にこだわらず積極的に参加できるよう配慮しています。
 しかし、個々の職員での目標管理・評価する仕組みがありません。職員が自らの資質向上に向けた目標を定め、それに基づいた自己評価や園長等との面談による達成度の客観的な評価、指導の仕組みは明確にありませんので、今後の検討が期待されます。


2.中長期的な方向性を取り入れた計画の策定が期待されます
 次代の組織運営に備え、事業運営に影響のある情報は設置法人で収集、分析をしています。園としては単年度ごとの事業計画を策定しています。
 その中から中長期的な方向性として、リーダー的な職員の育成、地域支援の具体策など検討をしていますが、中長期計画は策定していません。園の進む方向を明確にするため、中長期計画を策定し、定期的な進捗状況確認の機会をもつことが期待されます。


3.地域の子育て支援ニーズに応じたサービス提供が期待されます
 一時保育を受入れる体制を整えて過去に実績はありますが、スペースや在園児人数の問題があり本年度は受入れをしていません。「赤ちゃんの駅」利用者や入園を考えている見学者の相談には応えていますが、定期的な育児相談の設定がありません。
 園は乳児対象の施設でありサービスの提供が難しい点もありますが、地域の子育て支援ニーズに応えるため、定期的な育児相談の検討や受入れが可能となった場合の、一時保育の再開が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 「子どもの人権や主体性を尊重し、子どもの最善の為に、」という主旨の保育理念を掲げています。保育方針は、「乳幼児期に最も必要な感性を音楽のあふれる環境の中で育む」ほか4項目を定め、保育目標を「じょうぶで元気な子ども」「色々な経験を通じて、五感を豊かにし想像力をふくらませる子ども」「優しさ、思いやり、勇気、感動を共有できる子ども」「人の話を聞いて、自分の気持ちを言葉で表現できる子ども」とし、いずれも子ども本人を尊重したものとなっています。
子どもの人権について、職員は研修を受け周知しています。職員は子どもに伝わる穏やかで分かりやすい言葉づかいを心がけています。言葉でのコミュニケーションが不十分な乳児にはスキンシップを図り、信頼関係を築くよう努めています。また、保育日誌にエピソード欄を設け、題名を付けて子どもの様子や表情を記載することで、そこからも子どもの行動や思いを推し量るよう努めています。
個人情報の取り扱いについては設置法人の個人情報保護規程に基づいて、守秘義務・個人情報保護について職員は入社時に、実習生はオリエンテーション時に説明を受けています。毎年4月の園内研修においても全職員は周知徹底しています。入園時に保護者から個人情報取り扱いの許可を得て、パンフレットやホームページへの写真掲載について同意書を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週案を作成しています。職員は、一斉活動であっても個を大切にしていこうと考えています。職員会議(ケース会議含む)、全体ミーティング、毎日の10分ミーティング(クラスミーティング)で話し合いや、振り返りの時間を設け、個々の子どもの様子を共有し、保育に活かしています。
全園児の月ごとの個別指導計画を作成しています。書式は昨年度変更し、子どもの姿、育てたい内容、食育、保育者の関わり、保護者との連携を項目に盛り込んでいます。計画は柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には離乳食の進め方、午睡時間、トイレトレーニングなど、一人一人の発達過程の把握が必要な事項には詳しく説明をして、同意を得ています。
保育内容の遊びでは子どもの手が届く低い棚に手作りおもちゃ・絵本などを置いて、自由に取り出したり片付けたりしやすい環境になっています。遊びによっては、別クラスのおもちゃの貸し借りをしています。オープンフロアの保育室のため、日常的に子どもたちは関わっています。また全園児が毎週英語教室と音楽教室を通じて一緒に遊ぶことの楽しさを感じる機会を設けています。園の近隣に多くの公園があり、日々行き先を変えてます。散歩時には走る電車を見たり、川の魚を探したり、図書館に行ったり、行き交う人々と挨拶を交わすなど地域を知る体験を取り入れています。
食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、月1回職員会議で調理の工夫点など話し合い、次回の献立に反映しています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 入園時に把握した生育歴や生活記録、入園後の成長発達記録、面談記録などは児童票として個人別にファイルしています。経過記録は3〜4ヶ月ごとに見直すこととし、変化がある場合は毎月記録しています。事務室の鍵付きの書架に保管管理し、必要時に職員は確認できるようになっています。
職員は、発達支援、虐待、アレルギー、身体的発達や言葉が他の子どもに比べゆっくりなど、配慮が必要な子どもの様子については職員会議で報告、話し合い、記録を残しています。10分ミーティングも活用しています。食物アレルギーや横浜市南部地域療育センターの研修を受講し、研修結果を職員会議で発表しています。
懇談会などで意見や要望を聞く機会を作っています。懇談会の出欠票に意見など書き込めるようにしています。送迎時の担任とのやりとりのほか、園長あるいは主任が事務室窓口から積極的に声をかけており、日常会話や普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。
健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。
4 地域との交流・連携 入園を考えている見学者や赤ちゃんの駅(おむつ交換・授乳)利用者からの相談を随時受け付ける中で、地域の子育て支援ニーズを把握しています。園長は、金沢区地域子育て支援情報交換会、金沢区の園長会などに出席し、地域の情報を得ています。時には子育て支援に対し、アドバイスを受けています。園はバスの停留所の目の前にあり、赤ちゃんの駅が利用されやすい環境にあります。利用の際にはカードに記入をお願いしています。
0〜2歳児クラスまでの乳児を対象とした園のため、地域に開かれた園として、地域住民を招待する行事や施設開放など積極的な交流の機会は難しい面がありますが、金沢区こども家庭支援課が実施するスポーツフェスタには打ち合わせの段階から協力をしています。また金沢区主催のいきいきフェスタにも当日参加しています。複数の中学校の体験学習を受け入れ、保育補助で関わってもらっています。また、勤労感謝の日に合わせ、子どもたちがプレゼントを作り、日頃世話になっている園医や近隣の商店や給食材料納入店に届けています。地域の他園とは、運動会ごっこやスポーツフェスティバルに参加し、交流をしています。
実習生の受け入れについては、主任が担当しています。実習生の目標に合ったプログラム設定をし、実習生が学ぶクラスの担任が中心となり、保育園の機能と役割、乳児の発達と理解、乳児保育の理解が深まるように指導をしています。実習生が作成する実習記録は、担任のほか、園長、主任が毎日確認をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則に明記されており、入職時に説明をし、職員マニュアルを配付しています。他施設での不適切な事例や、新聞やニュース報道などを取りあげ、職員間で話し合っています。
年度ごとに設置法人の現況報告書、財務諸表を作成しています。事務室の書架に保管しており、保護者の求めに応じて公開ができます。
事業運営に影響のある情報は系列の保育園内で収集、分析をしています。さらに園長は、金沢区の園長会や地域子育て支援情報支援会などの会合に出席し、情報収集をしています。園では、単年度ごとの事業計画を策定しています。中長期的な方向性としてリーダー的な職員の育成、地域支援の具体策などを検討しています。
6 職員の資質向上の促進 職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準として、キャリアパスを策定しています。設置法人代表は、年1回職員と個別面談をし、職員の満足度や要望を把握しています。職員会議などで意見・要望を聞くほか、行事の後には話し合いを行い、評価、反省をし、次回につなげています。日常的に園長、主任が現場に入り、話しやすい雰囲気を作っています。
外部研修受講後は、職員会議で内容を発表し、手作りおもちゃ、保育日誌の書式など工夫・改善事例は積極的に園の保育に取り入れています。園内研修は全職員(派遣社員以外)が担当できるようにし、担当の研修内容について考える機会を設けています。さらに行事準備、職員会議等、全職員で役目を持って関わっています。会議の司会進行、書記についても常勤・非常勤の区別はありません。園内研修のみならず非常勤職員も外部研修に参加してスキルアップを図っています。
毎年、2〜3月に職員一人一人が自己評価シートに基づいて自己評価をしています。また、園長は、現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り権限を委譲しています。主任、園長に連絡や報告をすることで最終的な責任を明確にしています。職員の自己評価後に全職員で話し合う機会を重ね、評価できる点や課題等の把握に努め、園としての自己評価を玄関に掲示し、公表しています。

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