かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

富士見保育園

対象事業所名 富士見保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 真澄児童福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0032
藤沢市片瀬5-13-15
tel:0466-25-7211
設立年月日 1972(昭和47)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 富士見保育園は昭和47年4月に開設し、平成22年には現園舎に建て替えをして、開設より44年が経過しています。園がある江ノ島電鉄(江ノ電)湘南海岸公園駅を含む周辺地域は、湘南の海を代表とする観光地であり、かつては閑静で落ち着いた別荘地であった環境の中、マンションが建設され、若い世代の家族が増加しています。
 園は生後6ヶ月から就学前児童を対象とし、定員は143名で現在142名が在籍しています。日々、子どもたちは園庭や屋上遊びのほか、園外活動を実施しています。設置法人の真澄児童福祉会が運営する系列の保育園や幼稚園と、職員の交換研修や子どもたちの交流などの連携を取りながら保育を行っています。


≪優れている点≫
1. 地域との繋がりの中で子どもが楽しく喜びを感じながら育っています
 地域に開かれた園として、様々な人との交流の機会を園は大切にしています。園で開催する行事の「世代間交流」「夏まつり」「焼き芋大会」などに近隣住民や高齢者、園の関係者を招待し、交流しています。「誕生会」の音楽演奏や踊り、クリスマス会のサンタクロース役、「節分」の鬼役などで地域ボランティアの協力を得ています。
 子どもたちは、充実した人生を歩むための社会の一員となるべく、近隣の複数の高齢者施設を定期的に訪問して関係性を育んでいます。また、学校見学のほか小学校区の「学童保育施設」見学にも出かけています。川に、稚魚を放流する活動に参加したり、子どもたちがボランティアとして海岸の清掃を行っています。子どもたちは、遊ぶ楽しさや友達と一緒にいる喜びを感じながら、さまざまな交流や豊富な体験や多くの地域との繋がりの中で育っています。


2. 保護者との共感を大切にし意向をくみ取るための配慮をしています
 保護者とは、送迎時の担任とのやりとりのほか、園長あるいは主任が毎朝夕門前や駐車場に立ち、積極的に声をかけています。保護者と一緒に、子育ての喜びや楽しさを共感し合える保育を目指し、日常会話や普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。保護者の何気ない変化を察知し、個人面談や相談につなげています。
 また、保護者会組織とも良好な関係を築き、園行事への参加協力や、災害時の備蓄品についての相互理解、話し合いなどを継続的に行っています。玄関に置いてある「意見箱」は「保護者会ポスト」となっており、園生活で気づいたことや要望を気軽に投稿できるようにと配慮をしています。


3. 地域ニーズに即した子育て支援サービスを提供しています
 週2〜3日の勤務、保育以外のリフレッシュ時間が欲しいなどさまざまなニーズに対応する一時保育を実施しています。一時保育利用は現在登録者数60名で、1日10名まで受け入れて地域の要望に対応しています。一時保育室を用意し、専従の職員が保育にあたっているほか、園児との交流の時間も随時取り入れています。保護者の志向や地域の特色を把握して健やかな心と身体が育つように保育を行っています。
 乳児のクリスマス会、豆まき行事には地域の同年代の子育て家庭に呼びかけ交流保育を行っています。さらに今年度から、「ハッピーデー」として毎月園庭開放をしています。地域育児センター園としては園の専門性を活かし、保育園体験、クッキング体験、ベビーマッサージ講習会など行っています。これらの取り組みは、地域のニーズに応じたサービスの提供となっています。


≪努力・工夫している点≫
1. 園長や職員は連携し、常に保育の状況を把握して保育に反映しています
 園長のリーダーシップの下に、2名の主任以下常勤、非常勤にかかわらず職員間の連携を図っています。誕生日会など全園児で楽しめる行事、3〜5歳児のプログラムに基づいた異年齢活動、その日の天候や子どもの様子に応じた柔軟な保育では、合同での散歩や戸外活動など積極的に取り組んでいます。
 幼児は雨天時を除き、朝8時半以降の受け入れは園庭で行っており、クラスごとの保育が始まるまで職員の見守りの中、園庭で十分に体を動かしたり、好きな遊びをしています。また、個別の指導計画には家庭や園でのエピソード・保護者支援などについても盛り込んで次月につなげたり、進級の際には一人一人の子どもの「年間のまとめ」を基に新旧担任間で引き継ぎをしており、記録の面での連携を丁寧にしています。さらに、園長、主任が率先して現場に入り、状況を随時把握していることでも連携の強化につながっています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.安全対策へのさらなる強化が期待されます
 地震等に備え、東日本大震災後に保護者による災害対策委員会を発足し避難ルートの検討やライフジャケットを導入するなど地震や津波対策を行っています。平成22年の改築の際には、全面耐震構造の園舎に建て替え、保育室の収納庫や棚は作り付けにして安全性への対策を講じています。
 しかし、高い場所に保管されている物、棚に乗せられている備品、保育室以外の部屋などに一部、転倒・落下防止に不十分な点が見受けられました。また、保護者からは外部の不審者侵入を防ぐ対策についても不安の声が寄せられています。
 安全対策について再度見直し、検討し対策するとともに、保護者に理解してもらうことが期待されます。


2. 中長期的な方向性を取り入れた計画の策定が期待されます
 次代の組織運営に備え、事業運営に影響のある情報は設置法人三園合同会で収集、分析をしています。園としては単年度ごとの事業計画を策定しており、その中から中長期的な方向性として、小人数制保育の実施、園行事の見直し、コミュニケーションの研修などを検討していますが、中長期計画の策定には至っていません。
 園の進む方向をさらに明確にするため、中長期計画を策定し、職員で共有して取り組むことが必要です。また、定期的に進捗状況を確認して、計画を見直すことが期待されます。


3. 期待水準の明確化、マニュアル類の整備によりの援助技術の向上が期待されます
 職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準についての明文化がされていない状況です。また、安全管理やボランティア受け入れなどのマニュアルについても整備されてないものが見受けられます。
 職員のレベルや役割ごとに果たすべき期待水準(役割と責任など)やマニュアルによる業務手順を明確にして職員に周知することが求められます。運営理念や期待水準に基づき、主任クラス以下、人材育成計画の策定も期待されます。職員に対する期待水準を明確にして研修などで人材を育成し、定着率を上げて高いレベルの保育を継続することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 保育理念に、「一人一人の個性を尊重し、社会の一員として、乳児及び幼児の保育事業を行います」を掲げています。基本方針は、「子どもの言動に意味のあることを知り、受け止め、共感する保育をします」ほか4項目を定め、保育目標を「よく遊ぶ子ども」「仲良く遊べる子ども」「自分でできることは自分でする子ども」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。
全職員配付の「職員マニュアル」の冒頭に人権の尊重を明記しています。職員の子どもへの言葉かけや対応については、職員会議などで確認し合っています。注意する場合にも子どもが納得できるような対応に努めています。
個人情報の取り扱い、守秘義務については入職時に説明を受けるほか、外部研修に参加するなどし、理解を深めています。ボランティア、実習生にはオリエンテーション時に説明し、誓約書を提出してもらっています。保護者には、入園時に「富士見保育園重要事項説明書」の文書を配付し、同意書を頂いています。個人情報の記録文書、パソコン、USBメモリは事務室の鍵付き書庫に保管管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週日案を作成しています。職員は、一斉活動であっても個を大切にしていこうと考え、子どもの気持ちを受けとめ、意欲的に物事に取り組み、行動できるように努めています。
3歳未満児について月ごとの個別指導計画を作成しています。幼児についても特別な課題がある場合に個別指導計画を作成しています。職員会議、全体会議、乳児・幼児会議、クラス会議、ケース会議、行事打ち合わせ会議で常時情報共有し、意見交換を行い柔軟に変更見直しを行っています。
遊びでは、子どもの年齢・発達に応じて、おもちゃ・教材・素材など用意しています。自分で取り出したり、自由な発想からごっこ遊び、集団遊びにつながるよう過ごしやすさや安全性に配慮しながら、コーナーを設けたりと環境を整えています。園庭や屋上を中心に子どもたちは毎日戸外活動を楽しんでいます。異年齢活動も日常生活の中や、プログラムに基づいて行われています。集団生活の中でルールを知り、子ども同士協力し合ったり、けんかの時もお互いの気持ちが分かり合えるよう職員が支援しています。
食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、毎月の給食会議は栄養士、調理担当職員、園長、主任、クラス担任が月毎に1名出席し調理法、味付け、盛り付けなど話し合い、次につなげています。「食育年間計画」を作成し、年齢発達に応じた栽培活動、クッキング、食環境整備を実践しています。
送迎時のやりとり、懇談会、個別面談、保育参観、園行事など保護者との交流の機会を設けています。個別の連絡ノートやホワイトボードでその日の保育の様子を保護者に伝えているほか、園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。保護者会組織があり、園と連携を取り、保護者会主催の行事や、災害時の備蓄品、また、日々の生活環境の整備などについても協力、話し合いなどを継続的に行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 入園時に把握した生活記録、入園後の成長発達記録、面談記録などは個人別にファイルしています。新入園児のならし保育期間中は毎月、以降は毎月、幼児は3ヶ月ごとに保育経過記録をつけています。個別の「年間のまとめ」も作成しています。記録内容は書庫に保管し、全職員が共有できるようにしています。
職員は、発達支援、虐待、アレルギーといった配慮が必要な場合や、気になる子どもの様子については職員会議、全体会議、乳児・幼児会議、クラス会議、ケース会議で報告、話し合い、記録を残しています。日々の動向表でも確認をしています。食物アレルギー、発達支援コーディネーター養成の研修を受講し、研修結果を職員会議で発表しています。
玄関に意見箱(保護者会ポスト)、個人面談、懇談会など意見や要望の把握に努めています。さらに送迎時の担任とのやりとりのほか、園長あるいは主任が毎朝夕門前に立ち、積極的に声をかけており、日常会話や普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。
健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。
4 地域との交流・連携 一時保育利用は現在の登録者60名で1日10名まで受け入れています。ハッピーデーとして今年度から毎月園庭開放などをしています。乳児のクリスマス会、豆まきには交流保育を行っています。地域育児センター園として保育園体験、クッキング体験、ベビーマッサージ講習会など園の専門性を活かしたサービスを展開しています。
地域に開かれた園として、積極的に交流の機会を作っています。「世代間交流」では地域の高齢者と園児が一緒にゲームなどを楽しみ、昼食も一緒に食べています。中学生の職業体験、小学校のまつり見学、学童保育所見学、系列の保育園、幼稚園、近隣にある複数の高齢者施設との交流など積極的に取り組んでいます。
「しおさいセンター」(公民館)体育館を借りて運動会を行っています。公民館主催の「境川に稚魚を放流する」催しに参加しています。片瀬子どもの家、龍口寺、江ノ島水族館など藤沢の地域性のある施設や社会資源を活用しています。海岸清掃は、年長児がボランティア活動で参加しています。
ボランティアについては、「藤沢市片瀬地区人材情報バンクセンター」を通して受け入れています。誕生会の時に琴、フラダンス、オカリナなどを披露してもらっています。実習生を受け入れ、効果的な実習ができるようにプログラムを工夫しています。各担任との毎日の振り返りのほか、最終日には園長、主任も交え反省、意見交換をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則や職員マニュアルに明記されており、入職時に説明をし、マニュアルを配付しています。他施設での不適切な事例や、新聞やニュース報道などを取りあげ、職員間で話し合っています。
年度ごとに事業計画書、事業報告書を作成しています。ホームページで富士見保育園の概要を確認することができます。経営、運営状況は事務所入口に提示しています。
事業運営に影響のある情報は設置法人「三園合同会」で収集、分析をしています。園では、単年度ごとの事業計画を策定しています。中長期的な方向性として小人数制保育の実施、園行事の見直し、コミュニケーションの研修などを検討しています。
6 職員の資質向上の促進 今年度から設置法人他園との職員交換研修を通し、法人内の保育技術の標準化に取り組んでいます。また、外部研修情報を職員に知らせています。本人の希望も取り入れ、効果的な研修となるよう園長・主任がアドバイスを行っています。
設置法人理事長、園長は年1〜2回職員と個別面談をし、職員の満足度や要望を把握しています。常勤職員の各種会議、非常勤会議などで意見・要望を聞くほか、行事の後には反省・振り返りを実施し、課題を見つけて、次回につなげています。また、園長は、現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り権限を委譲しています。主任、園長に連絡や報告をすることで最終的な責任を明確にしています。
福祉サービス第三者評価受審にあたり、全職員で話し合う機会を重ね、園としての自己評価を行い、課題等の把握に努めています。

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