かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わかばの森保育園

対象事業所名 わかばの森保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 歩育の会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0801
旭区若葉台2-14-1若葉台小学校内
tel:045-924-0177
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は社会福祉法人歩育の会です。JR横浜線の十日市場からバスで10分ほどのところにある若葉台小学校の敷地内にあります。定員は1歳児から5歳児まで各7名、計35名で、平成28年11月現在38名が在籍しています。特別保育は延長保育や障がい児保育を行っています。小学校の中にありますので、小学校の校庭や施設の一部などを使用できます。付近には公園や広場も多く、散歩も十分にできます。このような環境の中で、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○立地の条件を生かし、小学校との交流を密に行っています
 園は小学校の敷地内にあります。そのため小学校との交流が意図的に行われ、小学校への接続がスムーズになっています。例えば、毎週木曜日と金曜日は8時20分から8時40分まで、5年生とその担任が園に来て子どもたちと過ごします。その間、読み聞かせやお話などいっしょに楽しんでいます。来年、卒園して小学校へ上がった子どもは、5年生が6年生になるので会うことができます。また、1月くらいから、6年生が5、6人ずつ週に1回、昼休みを利用して園に来て、5歳児のドリルを見てくれます。さらに、小学校のジュニアボランティア(5、6年生)が園のお手伝いをしてくれます。このように、小学校の敷地内という利点を生かして、小学生と交流を深めています。


○多彩な特別活動を行っています
 特別活動として、外部の講師によるリトル体操やリトミック、理科を実施しています。毎週火曜日に行っているリトル体操は、年齢別に年間カリキュラムを組み、マットや跳び箱、なわ、平均台、鉄棒、ボール、集団行動、運動会の練習などが、種目と内容、ポイントおよび留意点の項目で、月別に詳しく設定されています。このほか、パラバルーンや組体操などにも挑戦しています。リトミックは1〜5歳児が歌や楽器、リズム遊びなどを毎週金曜日に楽しんでいます。また、理科(科学遊び)は、本園の5歳児といっしょに毎月本園で行い、空気鉄砲や鏡の不思議ワールドなど科学の楽しさに触れています。このように体、情操、知能をうまく融合した特別活動を行っています。


○子どもたちの体力作りを1歳から実施しています
 散歩マニュアルを作成しています。そこには、年齢別の散歩のねらいや、散歩時の安全・留意点、散歩の手順、散歩マップなどが記載されています。散歩を通して、子どもたちに体力をつけてもらうために綿密な計画を立て、1歳児から実施しています。卒園までに相当の距離を歩きますので、しっかりと体力がついてきます。また、散歩マップには近隣の公園や広場が25か所以上記載されています。さらに、毎年「あるこうたいかいひょう」という個別の散歩カードを作っています。このカードには27の公園や広場などが具体的に記載され、それぞれ、近・遠距離かのマーキングがあります。子どもたちがその場所に行ったらシールをはり1年間続けます。1歳児は全部行けませんが、5歳児は1年後には全部にシールがはられるようになっています。


《事業者が課題としている点》
 当園は、小学校内の保育園ということから、園庭(校庭)開放や施設開放などは実施が困難であり、また環境の狭さもあって、行事などへ地域住民を招待することも難しい状況ですが、地域の行事や活動には、子どもたちと職員で出向いて、積極的に参加しています。今後は、情報誌など外部の情報提供媒体をもっと利用して、保育園の情報を今以上に提供していこうと考えています。また、保育園から発信するお知らせ等も、地域の掲示板や回覧などを利用して情報提供を行い、開かれた運営に一層努めたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園のステートメントブックの中に「保育者の危ない一言」という記載があります。感情的な言葉使い、脅かす、中傷の言葉、権利を誇示する、拒否など子どもの人格、自尊心を傷つけてしまう言葉についての記載があり、職員に周知されています。日ごろから子どもたちには穏やかに話しかけるように心がけ、名前の呼び捨てなどはしないようにしています。散歩時は、子どものペースを見守りつつ、集団のペースから離れすぎないように、「みんなまっているよ」など子どもが自発的に行動できるように言葉がけをしています。子どもどうしのトラブルは、年齢に応じてできるだけ自分たちで解決できるように見守ったり、言葉がけをしています。子どもが失敗をしたときは、後に失敗事が上手くできたときに褒めるなどの対応をしています。
 保育室がワンフロアーで場所が限られていますが、遊びの空間はジョイントマットや机などを使用して作っています。以前、子どもが職員の目を気にせずに過ごせる場所を、本棚やロッカーを使用するなどして考えて、コーナーを作ってみましたが、子どもの様子が見えるように安全を考慮して現在は実施していません。施設は小学校と建物の一部がつながっていて、乳児の部屋は小学校のランチルームとつながっています。必要に応じてランチルームを使ったり、事務所を使うなどしてプライバシーを守れる場所を確保しています。
 出席番号や並び順、グループ分け、行事の役割、ごっこ遊びの配役、製作で使う色、身につける物などを、性差で区別をしていません。子どもたちが自分で好きな色で製作をしたり、ごっこ遊びでいろいろな配役になったり子どもたちの自主性を大切にしています。訪問時、新聞紙で作ったリボンをつけた帽子を男の子も女の子も喜んでかぶったり、鏡の前に行って新聞紙でつくった衣装を着てポーズをとるなど、のびのびと自主的に楽しんでいました。職員は、無意識に性差で区別するような話しかたをしないように、職員会議で検証して話し合う機会を設けています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程をもとに、日ごろの子どもたちの発達や課題を踏まえて、年齢ごとに「子ども保育目標」を掲げています。そして1年を4期に分け、期ごとのねらいに沿った、年間、月間、週の指導計画を作成しています。製作や絵画などの活動では、年齢や発達、特性に応じて見本を用意したり、身振りなどを交えて視覚的に伝えられるように配慮をしています。職員全員が保護者とかかわりを持ち、家庭での情報も職員間で共有して保育に取り入れています。日ごろから子どもたちの「○○をしたい」という自発的な気持ちを大切にしているので、散歩や遊びの選択などはできるだけ子どもたちの希望を取り入れて、指導計画は柔軟に対応しています。
 年間指導計画は、担任が子どもたちの発育状況に応じて作成し、リーダー、副園長、園長の確認と、必要に応じた修正があり、その後、月間指導計画、週間指導計画に展開されています。職員は、指導計画や保育日誌の中で自己評価をして見直し、改定はリーダー会議で検討し決められています。各クラスの情報は全体会議で伝え共有化を図っています。職員は、保護者の行事アンケートや懇談会、連絡帳、会話などから、保護者の要望を把握するように心がけています。例えば、トイレットトレーニングなどについては保護者の要望や意見を把握し、全体会議で知らせています。
 3歳未満の子どもについては、個別の指導計画を作成しています。3〜5歳児は、月案の中に個別配慮欄を設けています。配慮を必要とする子どもには、個別の指導計画だけではなく、おたより帳や個人面談、保護者との登降園時の会話などで情報を共有して、家庭と連携を取りながら保育を実施しています。個別の目標や計画については、職員会議やパート会議などで子どもとのかかわりかたについて話し合いが持たれ、子どもに変化が見られたときはその子どもが過ごしやすくなるように柔軟に変更、見直しを行っています。個人差のある離乳食やトイレットトレーニングの進めかたについては、一人一人の状況を保護者に説明して同意を得て、連絡帳などを通して家庭と連携しながら対応をしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  保育所児童保育要録は、担任や主任、副園長、園長がかかわって作成し、小学校に送付しています。子ども一人一人の個人ファイルがあり「面談記録」「経過記録」「児童票」などがとじられています。このファイルを見ることで、子どもの保育園での心身の発達や成長、家庭での子どもの状況などがわかるようになっています。また、個別配慮やけが、病気など、必要に応じてノートを作成しています。記録された内容に基づいて、会議で子どもへの対応や状況が話し合われ、全職員に周知できるようになっています。これらの記録は鍵のかかる専用の保管庫で管理しています。進級時は書類と口頭で、新しい担任に引き継ぎを行っています。
  苦情対応マニュアルを作成し、職員に周知しています。苦情が届けられた場合は迅速に職員会議で話し合い、解決策や対応方法などを話し合うしくみが確立されています。さらに、議事録や連絡ノートでも、職員間で共有するように努めています。園内だけで解決ができない苦情が寄せられた場合は、第三者委員と苦情担当の副園長が解決に向け情報交換をしています。要望や意見について、過去の保護者アンケートの記録をファイルして内容を分析し、保育に生かしています。
 子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、視診チェック表を基に日々子どもの健康状態を把握しています。入園時に保護者に記入してもらう健康台帳は、年2回の内科健診前に家庭に一旦戻し、内容を確認してもらい、子どもの状況に変化がある場合には追記して園に戻してもらっています。このように定期的に保護者から子どもの健康について情報を得て、職員間で情報を共有しています。保育中の子どもの健康状態に不安があった場合には、担任は副園長や主任に報告し、判断を仰ぐしくみです。さらに必要に応じて看護師の意見も聞き、迎えの保護者に状態を伝えています。食後の歯磨きについては、1歳児クラスから行い、職員によるしあげ磨きを5歳児クラスまで行っています。
4 地域との交流・連携  地区の子育て支援活動「子育てささえあい連絡会」があります。そこでは0〜2歳児の未就園児対象の「わいわい広場」や、0歳児から小学校6年生対象の「プレイパーク」や子育てサロン「みんなあつまれ」などがあり、機関紙「きらきら」を発行して参加を呼びかけています。このほか、旭区主催の「保育園ひろば」や、旭区の公立保育園と私立保育園の6園で構成する「北部エリア」の活動もあります。このような活動を通して地域住民と交流を図っています。また、旭区の育児支援案内に育児相談を随時受け付けていることも載せています。このほか、近隣の保育園との研修会や交流、あるいは、地域の主任児童委員との交流を重ねて、地域の福祉ニーズの把握に努めています。
 地域の子育て支援ニーズについては、職員会議の中で折に触れて話し合っています。当園で一時保育をしてほしいという要望がありますが、施設がワンフロア―という限られたスペースであるために、日常的に受け入れることは無理がありますので、そのことはていねいに説明をして理解をしてもらっています。ただ、急な出産や家庭の事情などでやむを得ない場合は、何とかやりくりをして預かることもあります。また、「北部エリア」ではリズム遊びなどの講習会を開催し、地域の方に参加してもらっています。そのほか、「子育てささえあい連絡会」では、地域の子どもたちや保護者のためのイベントをさまざまに行っています。
 園の情報はホームページやパンフレットでわかるようにしています。ホームページやパンフレットには、保育方針や保育目標、年間行事、園舎見取り図、一日の流れ、クラス編成、給食など細かく園の情報が載っていて、これらを見れば園の概要が理解できるようになっています。なお、パンフレットは来園された方に渡しています。また、毎月の園だよりは同敷地内の若葉台小学校と、交流している北部エリアの6園には届けています。育児相談に関しては旭区の育児支援案内に、随時相談できることを載せています。改まった育児相談はあまりありませんが、見学に来たときに相談するケースは少なくありません。その際は、副園長や主任がていねいに応対をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  ステートメントブックの中には、職員の基本的な行動のマニュアルや、全国保育士会倫理綱領、人権について記載があり、これらは3月の系列園の全体研修の際、冒頭に理事長が読み上げています。このステートメントブックは事務室や各保育室に置いて、職員が常に確認できるようにしています。また、就業規則には法の遵守や服務規律が明記されていて、全職員が閲覧し、常に確認できるように事務室に置いています。横浜市や旭区から寄せられる、事故や保護者対応などの他施設での不適切な事例は、職員に回覧して情報の共有を図っています。なお、園の運営についてはホームページに載せて公開しています。
 職員の自己評価を踏まえ、保育園としての自己評価も作成しています。大きな柱としては、運営管理や守秘義務、安全・危機管理、保育環境、保育内容など8分野あります。それぞれの分野で数項目ずつあり、4段階評価で、園長や副園長、主任が中心となり評定します。そして努力が足りない項目はその理由を記述しておきます。この園の自己評価および職員の自己評価は、理事長や事務長、園長、副園長、主任が参加するリーダー会議で、問題解決への取り組みや改善点について話し合っています。なお、保育園の自己評価はホームページで公表しています。
 当園には、「今後への保育園の中・長期について」という文書が作成されています。そこには、ビジョンとは何か、ビジョンを作るために、ビジョンを作る着眼点、子育て集団のさらなる成長という柱で詳述されています。ただ、この考えを明確にしたうえでの具体的な、3〜5年先を見通した中・長期計画の策定には至っていません。やはり、健全な事業運営には単年度計画だけでなく、先を見通した中・長期計画は必要でしょう。今後の策定を期待します。なお、理事会のメンバーになってもらっている外部の理事には病院関係や大学関係、元園長などが入っていますので、その方々からアドバイスが得られます。さらに公認会計士によるアドバイスも得られます。
6 職員の資質向上の促進  職員として望ましい人材像として、「協調性のある人」「家庭的な雰囲気の中で温かく見守る人」などを園長は考えています。そういった人材像を求めて、地元の学生が実習に来たとき、条件に合う学生であれば職員に採用するようにしています。入職後は、理念をはじめ心得、人権、保育など詳細に記載した園の「ステートメントブック」のもとに、社会人としての教育や保育士としての教育を、園長や副園長、主任が行います。また、理念や保育方針は各保育室に掲示するとともに、毎週開催される職員会議の冒頭に輪番制で読み上げ、理解を深めるようにしています。なお、職員の資質向上のために年3回自己評価表をつけるとともに、園長や副園長との個別面談も実施しています。
 保育士の自己評価表は年3回記載し、園長や副園長が面談をしてアドバイスをしたり、達成度を把握したりしています。系列園と合同で外部講師を招き、リトミックなどの研修を実施しています。また、本園と職員を交換して実地研修を行い、互いの優れた技術を学ぶ機会を作っています。そのほか近隣の保育園と合同研修を行っています。その保育園を参観したときに、おもちゃや製作材料など子どもたちが自由に取り出して生き生きと遊んでいるのを見て、自分の園では職員が管理して与えていたので、早速、自由に取り出せるように改善した例もあります。さらに小学校の支援コーディネーターの指導を受けることもあります。
 入職1、2年の職員には、スムーズな人間関係作りや体調管理、保育は自分で楽しんでするなどの期待水準があります。中堅の職員には、学年の柱となる力の育成や、新人が見ていることを意識する、後輩を引っ張っていくなど、ベテランの職員には、後輩の見本となる保育力や、後輩の指導・育成、保護者対応など、それぞれの経験に合わせた期待水準があります。クラス運営はクラス担任に、行事は各行事担任に任せ、園全体の責任の部分は園長、副園長、主任が持つなど、役割分担を明確にしています。また、職員会議の中で、購入してほしい物を提案したり、おもちゃの消毒についておもちゃ担当の職員が話し合うなど、いろいろな提案がなされています。なお経営層は、職員の自己評価や意向調査で、一人一人の満足度を把握するようにしています。

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