かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ぽれぽれ保育園藤が丘

対象事業所名 ぽれぽれ保育園藤が丘
経営主体(法人等) 株式会社ポーレ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0043
青葉区藤が丘1-28-4
tel:045-482-7047
設立年月日 1948年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

園は、東急田園都市線「藤が丘駅」から徒歩5分の商店街に位置しています。通りの向いには「昭和大学藤が丘病院」があります。

近隣には、子どもたちが園外活動に出かける、藤が丘駅前公園や藤が丘第六公園、もえぎ野公園など複数の公園があります。また、土地を借りて、子どもたちが野菜を栽培している畑「ぽれぽれふぁーむ」も園から500mほど離れた所にあります。

園の運営主体は、他に東京都で1ヶ所保育園を運営している株式会社ポーレです。園は、平成234月に横浜保育室としてスタートし、平成244月に認可保育園に移行しています。

 園は1歳児クラスが6名、2歳児クラスから5歳児クラスが各8名、合計38名の定員です。通常保育に加え、長時間保育や延長保育を実施しています。

 保育理念は「子ども一人ひとりを大切にし、時代に要求される福祉サービスを提供し、保護者から信頼され、地域に愛される保育園を目指す」です。保育方針は「子ども一人ひとりを平等な人間として尊重し、どの子も持っている自然に伸びていこうとする力を信頼し、子どもの主体的な活動を促し、生き生きした子どもを育てる」です。保育目標は「心も体も元気な子、自分で考え行動する子、思いやりのある子」に育てることで、全職員で全園児をみることを目指しています。

 

≪優れている点≫

1. 子どもの人権を尊重し、ゆとりある保育を実践しています

 「ぽれぽれ」はスワヒリ語で「ゆっくり」を意味しており、園が掲げている理念・方針に添った保育を実践しています。子どもを真ん中に、保護者も地域の人も職員も関わる誰もがゆったりと、互いの思いを共有し違いを認め理解を深めようとしています。

保育士は、子どもに対して上から接することなく子どもと同じ目の高さで接し、子どもに対して威圧的な言葉遣いをせずに、子どもを思いやる、見守る姿勢の大切さを確認しています。子どもがいけない事をした時には、なぜいけないのかを分かりやすく伝えるとともに、どうしてそうしたのかを聞き、子どもの思いに必ず寄り添いながら指導しています。保育士は、子どもを急かしたりすることせずに「ぽれぽれ」の意味するようにゆっくり、じっくり待つ姿勢も大切にしています。子どもの情報は全職員で共有し、全職員で全ての子どもを見る保育を行っています。


2. 子どもの興味や関心を引き出して、食育に取り組んでいます

近くの土地を借りた園の畑「ぽれぽれふぁーむ」では色々な野菜を子どもたちが栽培しています。種をまき、水をやり、交代で見に行き、みんなで野菜の成長を実感しています。5月には収穫したいちごを年齢に応じた工程を担当して、いちごジャムを作り、おやつのジャムサンドウィッチとしてみんなで食べました。他にも畑で育てたじゃがいも、なす、きゅうり、トマトなどは子どもたちがクッキングで使ったり、給食に出すなど食育体験を行っています。

畑で野菜を栽培して子どもたちが世話をすることで、育てている野菜に興味を持てるようにしています。畑で収穫した野菜が給食に出てくることでさらに興味を持って給食を食べるようになっています。

給食は、45歳児は見本を見て自分で自分の食べられる分量を盛り付けています。45歳児は陶器の食器や木製の箸を使用しています。誕生日会は、お花畑メニューや海のメニューなどその月のテーマに添った、子どもたちが楽しみにしている誕生日会メニューがあり、異年齢で会食をしています。

3.地域の保育園との交流保育に取り組み、子どもの成長に繋げています

近隣の同規模の保育園などに働きかけ、交流保育を行っています。公園で会った時には一緒に遊んだり、事前に日時や遊びを相談して一緒に活動することもあり、関係性が築かれています。いつもと違う友だち、環境など様々な刺激を受けながら子どもたちは成長しています。

自治体とも連携して交流保育を推進しています。交流の中から公立保育園に招待される機会があり、電車に乗って行く経験もしています。小規模な園のメリットを活かし、フットワークの良さを活かして交流保育を進めています。

 


≪努力・工夫している点≫

1.保育スペースを工夫し、子どもと協力して効率良く保育を行っています

保育室は、1歳児クラス、2歳児クラスおよび3歳児から5歳児クラスの3つに区分けして使用しています。施設の延床面積は全体で約161uのため、保育スペースは、遊びや給食および午睡などの保育活動別に確保できる余裕はありません。特に3歳児クラスから5歳児クラスは限られたスペースの中ですが、これらの保育活動を効率良く行っています。

保育士は集合ゲームの時間が終わると、次の自由遊びに備え、子どもたちを保育室の隅に集めて、簡単なゲームを行います。その間に、別の保育士が、次の自由遊びのための準備を行います。このように、担当の保育士と別の保育士が協力して、保育活動から次の活動への切り替えをスムーズに行っています。また、午睡の時には、カーテンをパーテーション替わりにして午睡スペースと午睡をしないで絵本を読んだりするスペースに分けています。

スムーズな切り替えにより、スペースの狭さによる不便さを感じることなく、保育を実践しています。子どもたちもこのような対応に慣れていて、さらに片付けや床の清掃などを子どもが手伝い保育活動につなげています。

2. 近くの公園を活用して、保育に活かしています

 建物の裏手にある園庭も約30uと子どもたちが外遊びを行うには充分とは言えない広さです。園庭の使用は夏の時期のプール遊び程度となっています。園庭での活動の代わりに園では、天候の悪い日以外はほぼ毎日園の近隣にある複数の公園に出かけています。園の近くには小川の流れる遊歩道や色々なタイプの公園がたくさんあり、散歩を楽しみながら園外活動を行っています。広い原っぱのある公園、築山のある公園、様々な遊具がある公園など、公園によって特色があり、その日の目的によって遊びに行く公園を選んでいます。時には子どもたちの自主性を尊重して、どの公園に行くか子どもたちが希望を言い合い、保育士が見守る中、どうするか話し合ったりじゃんけんで決めたりすることもあります。

外へ出かけることで、子どもは交通ルールや公園でのルールを保育士の指導のもとに年齢に応じて身につけています。公園では他の園や近隣の子どもたちと一緒に遊ぶこともあり、公園への行き帰りの際に近隣の人との挨拶や会話で交流を図っています。

運動会は近くの小学校の体育館を借りて実施し、ハード面の問題にも対処し子どもたちものびのびとイベントを楽しんでいます。

3.園の規模・特徴を活かして保育の質の向上を目指しています

園の運営主体は株式会社ですが、新規開園を増やす拡大路線を取っていません。保育園の質の向上を目指し、きめの細かさ、意思決定の速さ、一貫した方針など、小規模の良さを活かした運営を目指しています。保護者や地域に、園の理解、支持が広がり、最近では卒園児の弟妹の入園が多い状況です。子どもたちがのびのびと過ごし、職員が生き生きと働き、そして保護者が安心できるように、保育環境づくりを継続して進めています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.保育活動や活動ノウハウを明文化して共有できることが期待されます

保育活動において、職員は日々様々な工夫や努力を行っています。しかし、取り入れた工夫や行った努力点などがノウハウとして明確になっていない状況です。(暗黙知)保育活動の記録化を更に推進したり、職員の保育スキルや活動ノウハウを言語化するなどして、見えるようにマニュアル化(形式知)して充実させることは大切です。個人のノウハウを明らかにして、共有することによって更に保育活動の質の向上を実現することが期待されます。

2.地域のニーズに応じた子育て支援サービスの充実が期待されます

園から地域に働きかけを行って、地域との交流に積極的に取り組んでいます。園の子どもと地域とは様々な活動により連携はありますが、地域への支援にまでは至っていません。地域ニーズの掘り起こしや体験保育、保育相談などの実施が期待されます。育児相談についても、商店街にポスターを貼るなどして、小規模園の良さを活かし気軽に相談がしやすい体制づくりとその支援が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

「子ども一人ひとりを大切にし、時代に要求される福祉サービスを提供し、保護者から信頼され、地域に愛される保育園を目指す」という保育理念を掲げています。この理念の下に、「子ども一人ひとりを平等な人間として尊重し、どの子も持っている自然に伸びていこうとする力を信頼し、子どもの主体的な活動を促し、生き生きした子どもを育てる」という保育方針を示しています。

保育理念や保育目標は、園の事務所内に掲示して、職員の目に常に触れるようにしています。また、入職時の研修、保育課程の作成時や毎月の職員会議でも理念を確認して、職員に周知徹底しています。保護者にも、入園のしおりや保護者との懇親会などで都度説明しています。

ワンフロアの園ですが、本棚や柱の裏、ダンボールの家の中など、子どもは自分の居心地のいい場所を見つけています。事務所の中のカーテンで区切った一角を利用し、一人で過ごすことができる場所を設定し、必要に応じて使用しています。

遊びや行事の役割、持ち物、グループ分け、整列など、性別による区別はしていません。職員は第三者評価の自己評価をすることで、性差に対する意識を更に深め、改めて確認する機会としています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

指導計画は、保育課程に基づき、年齢ごとに子どもたちの意思を汲み取りながら作成しています。職員は、子どもたちが自我の芽生えや自分の意思を伝えようとする気持ちを受け止め、成長を温かく見守っています。子どもに応じて個別対応も行っています。

お迎え時には、担任が出来る限り口頭で、子どものその日の過ごし方やエピソードなどを保護者に伝えています。連絡帳を使って、12歳児は毎日、3歳児以上は2日に1回保護者と情報交換をしています。年2回の保護者懇談会の他、個別面談は希望により随時行っています。園だよりにも「少しでも不安に思っている事は気軽に相談して下さい。」といつでも相談できることを周知し、相談しやすい環境づくりに努めています。

換気扇は24時間稼働し、常に換気を行い、空気清浄器も使用しています。エアコンも設置されていますが、保育室には床暖房が設置されているため、子どもたちは裸足で過ごしています。

畑で野菜を栽培しています。子ども達が野菜の世話をすることで、育てている野菜に興味を持てるようにしています。畑で収穫した野菜が給食に出てくることでさらに興味を持って給食を食べられるようになっています。給食は、45歳児は見本を見て自分で自分の食べられる分量を盛り付けています。35歳児は陶器の食器や木製の箸を使用しています。誕生日会は、お花畑メニューや海のメニューなどその月のテーマに添った、子どもたちが楽しみにしている誕生日会メニューがあり、異年齢で会食をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

子どもたち一人一人の発達や状況をクラスの保育士が話し合い、毎月計画と反省を行い、指導案を作成しています。個別に配慮が必要な子どもには、個別の指導案を作成しています。

虐待の定義は、全職員に周知されています。少しでも虐待の恐れがあり、見守りが必要と感じた子どもや保護者がいる場合には、即座に全職員に周知し、対応の内容を確認し合っています。また、横浜市北部児童相談所に連絡する仕組みもあります。

アレルギー疾患のある子どもへの対応は、毎年年度初めに職員研修を実施し、必要な知識や情報を周知しています。特に食物アレルギー疾患のある子どもへの対応は、保護者より提示された資料を基に、職員が全員でアレルギーの状況や程度を確認しています。アレルギー除去食の提供も栄養士、保育士が口頭で名前やアレルギーを確認して、トレイの色で区別して配膳しています。毎月、栄養士、園長、担任の保育士および保護者で確認して、翌月の献立表を作成しています。

園での苦情解決の仕組みができています。苦情受付者や第三者委員も告知しています。また、権利擁護機関などの他機関の苦情解決窓口も紹介しています。

衛生管理に関するマニュアルに沿って全職員で年2回研修を行い、定期的にマニュアルの見直しをしています。「おう吐処理」に関する研修を行った際には、職員で話し合い、職員1人は子どもに付いて対応し、もう1人の職員は汚物処理だけをするなど、保育士2人体制で対応することに変更しています。保育室の床は毎日塩素消毒をし、清潔、適切な状態が保てるようにしています。

4 地域との交流・連携

地域ごとの連携や子育てネットワークの充実を図るために、横浜市青葉区の園長会等に園長が出席して地域の情報を得ています。青葉区こども家庭支援課とも連携を取って地域の園と定期的に交流会を行って情報交換をしています。地区センターで行っている地域の子育てサークルに参加をして、未就園児と遊んだり育児相談を行っています。

連携を取っている関係機関等をリスト化して職員が共有し、いつでも利用できるようになっています。地域療育センター、青葉区こども家庭支援課等の情報を整理しており、情報を活用して積極的な連携が図られています。

園は、独自のホームページを作成し、園の活動内容や特徴を公開しています。スワヒリ語で「ゆっくり、ゆったり」を意味する「ぽれぽれ」の説明、異文化とのふれあいを目指す「英語で遊ぼう」、人とのふれあい、買い物体験、交流保育、自ら興味を持ち楽しみながら学びに触れられる環境作りおよび「ぽれぽれふぁーむ」の食育・畑仕事などの情報を提供し、園の目指す方向性を示しています。

将来の利用希望者の問い合わせには常時対応しています。見学希望者には園の保育に影響がない範囲で、希望に沿った日程を組み園長が対応しています。問い合わせ者や見学者全員に、園の事を理解してもらえるように丁寧に説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育士等の自己評価は結果を互いに報告し合うまでには至っていませんが、保育士等の自己評価の結果から園としての課題を明らかにし、改善に取り組んでいます。職員の欠けている点や気づきを園全体の課題としてとらえ、園全体の向上に活かすようにしています。

ゴミの減量化に向けて、独自のコストカットを全職員で意識し、取り組んでいます。牛乳パックを活用して保育室で使用している飾り棚を制作したり、包装紙を裁断して折り紙として使用しています。照明はLEDを使用し、一部を間引きしたり、使用しない電気器具はコンセントから抜くなど省エネルギーを実践しています。夏場には、朝顔を栽培してグリーンカーテンを作っています。

主任は個々の職員の能力や経験に合わせ的確な助言や指導を行っています。乳児リーダー、幼児リーダーなどからの意見を聴取しアドバイスをしたり、職員の指導を行うなど役割りを担っています。しかし個々の職員状況の把握や育成プログラムなどは検討中の部分もあり、試行しながら取り組んでいる状況です。今後の取り組みが期待されます。

次代の施設運営に備え、幹部職員は計画的に育成しています、また、運営に関し、公立園園長、同業の経営者及び第三者委員などの外部の機関や専門家から意見を聞いて、運営に活かしています。中長期的な事業の方向性を定めた計画は作成されていません。

6 職員の資質向上の促進

園の理念や方針を踏まえた保育を実施するために、経験年数や能力に応じた人材配置を行っています。年度初めに職員一人一人年間目標、月間目標を定め、毎月その達成度を園長との面談によって確認し、次月に繋げています。

非常勤の保育士は主に担当するクラスが決まっており、担当するクラスの常勤の担当保育士から業務の伝達や指導を受けています。また、業務にあたっては、常勤職員と非常勤職員を組み合わせて、常に常勤職員が一緒に勤務している体制を取っています。

経験、能力や習塾度に応じた役割が職員の期待水準として明文化されています。子どもたちの状況に応じて自主的な判断ができるように、職場の職員に可能な限り権限が委譲され、責任が明確化されています。

実習生の受け入れは現在行っていませんが、保育士の資格取得に向けて必要な実務経験を求める実習生を支援するために、法人が創った「資格取得支援制度」を活用することを考えています。

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