かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ねむの樹北寺尾保育園

対象事業所名 ねむの樹北寺尾保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人ねむの樹
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0074
鶴見区北寺尾6-7-6
tel:045-584-1700
設立年月日 2010(平成22)年10月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

「ねむの樹北寺尾保育園」は平成2210月に開設し、6年が経過しています。設置法人は社会福祉法人ねむの樹で、平成27年度には姉妹園を開設しています。

園は、生後57日から就学前までの児童を対象とし、定員は40名で現在44名が在籍しています。園へのアクセスは鶴見駅からバスを利用し、バス停から数分の住宅街にあります。周辺は丘陵地で、園舎は坂の途中に立地しており、2階の保育室からそのまま園庭に出ることができるなど傾斜を活用した構造になっています。園内は「でん」と呼んでいる小さな空間を階段下に作り、階段の踊り場に絵本コーナーを設けています。

近隣には乳児も歩いて行ける公園のほか、広場などがあります。子どもたちは日々、散歩など園外活動に出かけています。また、適期教育の一環として、毎週専門講師による英語教室と音楽教室を行っています。

 

≪優れている点≫

1. 地域や社会との関わりの中で保育活動を広げる工夫をしています

保育目標4項目の中に「色々な経験を通じて、五感を豊かにし想像力をふくらませる子ども」が挙げられています。園外活動では積極的に公園や施設などに出かけています。住宅地内の様々な公園、自然を活かした広い公園、大型遊具のある公園、スポーツ公園などその日の状況や目的に応じて行き先を決めています。それぞれの公園の機能を活かし、思い切り体を動かしたり、公園に来ている人とふれあったり、魚、植物などの観察などを通して四季を感じ、季節感を育んでいます。

みその公園「横溝屋敷」で昔の生活を知り、お雛様や五月人形の展示される民家では文化や風土、歴史を学ぶ機会となっています。

また近隣の畑で、ニンジンほりや芋ほりの体験もしています。さらに地域の地区センターを訪ねて地域の人との交流をしています。近隣小学校の運動会を見に行ったり、小学校訪問をするなど小学生と交流の機会も持っています。また小学校でのイベントのポスターを園内に掲示するなどしています。近隣の保育園とは、定期的に観劇会やドッジボール大会、ブラスバンド見学を一緒にするなど、さまざまな体験をする機会を大切にして保育に活かしています。

2. 子ども一人一人とゆったりと向き合うための保育実践に努めています

園児数44名の小規模園の利点を活かし、子どもたちの園生活が第二の家庭であるように保育を行っています。一人一人の子どもとゆったりと向き合うことを職員間で話し合い、実践に努めています。子どもの経過記録は全園児毎月記録しており、職員は日々の子どもの姿や保育実践について振り返りができています。進級時には、経過記録を基にした引継ぎ用資料を作成し、新旧クラス担任間で丁寧に引き継いでいます。

保護者とは、全園児が個別の「連絡ノート」で、園での生活、家庭での生活についてやりとりをし、保護者との信頼関係を作り、共感し合えるように努めています。週1回行っている音楽教室、英語教室は全園児が一緒に参加し、日常的にもほかのクラスの友だちや職員と関わる場面があります。活動中には、45歳児が乳児を抱っこしたり、手をつないだりする姿もあります。日々のなかで、自然に兄弟姉妹のような関係を築き家庭のような雰囲気の中で保育を実践しています。

 

≪努力・工夫している点≫

1.園長のリーダーシップの下、全職員で安定した保育提供に努めています

今年度、異動や退職により職員体制に大きな変化がありました。しかし、園長が主任と協力し、安定した保育の提供のために力強いリーダーシップを発揮しています。全員参加を基本とした職員会議、園内研修等で常勤、非常勤にこだわらず情報を共有し、活発に意見交換ができる環境づくりに努めています。外部研修にも積極的に参加し、スキルアップを図っています。クラス担任を受け持っている経験豊富な非常勤職員もおり、経験の浅い常勤職員をフォローしています。

さらに、保育に関わる全職員が課題票に基づいて自己目標を設定後園長に提出し、必要に応じた園長面談により達成度を把握しているほか、年度末には園長が総括のコメントを記載し、次年度につなげる仕組みがあります。年度末には法人作成の「自己評価チェックシート」に基づいて一人一人が自己評価をしており、職員の自己評価や業務を振り返りながら園の自己評価につなげる仕組みも整えています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.時代の変化に備え、中長期的な視野に立った計画策定が期待されます

今後の組織運営に備え、事業運営に影響のある情報は設置法人で収集、分析をしています。園としては単年度ごとの事業計画を策定しており、その中から中長期的な方向性として、常勤保育士の安定的な確保、リーダー的な保育士の育成などを検討しています。

しかし、中長期計画としての計画作成とまでは至っていません。園の進む方向を明確にして職員で共有するためにも、中長期計画を策定し、定期的な進捗状況確認の機会をもつことが期待されます。

2.保護者がさらに意見や要望等が出しやすい取り組みの再検討が期待されます

保護者からの意見や要望は懇談会、個人面談などで聞く機会を作っています。また送迎時の担任とのやりとりのほか、日常会話や普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。

しかし、表面的には示しにくい事項などを保護者が抱えている場合もあります。今回の第三者評価における保護者アンケートの結果を踏まえて、内容の再確認と検討を行うとともに、保護者の意見、要望を把握することが望まれます。保護者と協力のもとより良い運営につなげるためにも、意見箱の設置や定期的なアンケート実施についても検討が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

「子どもの人権や主体性を尊重し、子どもの最善の為に、」という主旨の保育理念を掲げています。保育方針は、「乳幼児期に最も必要な感性を音楽のあふれる環境の中で育む」ほか4項目を定め、保育目標を「じょうぶで元気な子ども」「色々な経験を通じて、五感を豊かにし想像力をふくらませる子ども」「優しさ、思いやり、勇気、感動を共有できる子ども」「人の話を聞いて、自分の気持ちを言葉で表現できる子ども」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。

子どもの気持ちや思いを受け止め、自己肯定感が持てるような対応や声掛けを心がけています。日常の保育で職員の気になる言動が見られた場合は、園長・主任が助言や指導をしています。

友だちや職員の視線を気にせず過ごせる空間として、保育室出入り口付近の空間(「小さいお部屋」と称し、活動時にも使用する)があります。子どもと一対一で話し合える場所として、廊下にベンチが設置されたコーナー、階段踊り場利用の絵本コーナー、子育て支援室、テラスなどを利用しています。

人情報取り扱いに関するガイドラインを就業規則に記載しています。また「情報公開マニュアル」があります。個人情報の取り扱い、守秘義務については、入職時に説明を受けるほか、職員会議や日常業務の中で園長が話をしています。個人情報に関する記録類は事務所内の施錠できる棚に保管管理し、園外への持ち出しは禁止としています。パソコンでの業務は、個人情報が記録されているものと日常業務で使用するものと、パソコンを別々にして管理しています。保護者には、ホームページ、園だよりなどへの写真掲載について確認を取っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画を作成しています。職員は、毎月の職員会議(ケース会議含む)、随時行う学年会議や乳・幼児会議で話し合いや、振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。

2歳児クラスまで月ごとの個別指導計画を作成しています。計画は柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には離乳食の進め方、午睡時間、トイレトレーニングなど、一人一人の成長過程の把握が必要な事項で説明し、同意を得ています。

子どもの年齢、発達に応じたおもちゃ、大型遊具、教材、廃材、絵本を用意しています。合同の保育室やオープンフロアの保育室のため、日常的に子どもたちの関わりがあります。また毎週実施している英語教室と音楽教室を全園児一緒に行うことで、一緒に遊ぶことの楽しさを感じる機会を設けています。園外活動として近隣の公園などにもよく出かけています。散歩途中や、公園で出会った地域の人と挨拶を交わしたり、交流を楽しんでいます。

食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、月1回給食会議で調理の工夫点などを話し合い、次回の献立に反映しています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。

全園児個別の連絡帳、送迎時のやりとり、懇談会、個別面談、保育参観、園行事など保護者との交流の機会を設けています。園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。月1回のクラスだよりは写真を多く掲載しているほか、保護者会でDVD鑑賞をし、日常の保育や行事での子どもの様子が保護者に分かりやすく伝わるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

入園時に把握した生育歴や生活記録、入園後の成長発達記録、面談記録などは児童票として個人別にファイルしています。全園児毎月経過記録をつけています。事務室のカギのかかる棚に保管管理し、必要時に職員は確認できるようになっています。園での進級時には、引継ぎ用資料を作成し、新旧クラス担任間で引き継ぎ、ファイルに残しています。

職員は、発達支援、虐待、アレルギーなど配慮が必要な子どもの様子については職員会議(ケース検討含む)で報告、話し合い、記録を残しています。必要に応じて園長、主任が観察をして配慮の仕方をアドバイスしています。食物アレルギー、横浜市東部地域療育センター訪問・見学などの園内研修を計画し、保育に活かしています。

保護者からは懇談会、個人面談などで意見や要望を聞く機会を作っています。また送迎時の担任とのやりとりのほか、日常会話や普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。他機関の苦情解決窓口の紹介については、かながわ福祉サービス運営適正化委員会の電話番号を明記しています。

健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

毎月行う一時保育希望者のための説明会時や、入園を考えている見学者からの相談を随時受け付ける中で、地域の子育て支援に関するニーズを把握しています。鶴見区や社会福祉協議会主催の園長会、園長が実行委員を務めている幼保小連絡会等さまざまな会合に園長が出席し、地域の情報を得ています。

園で行っている一時保育のほか、地域ケアプラザで行われる、寺尾地区の認可保育所、小規模保育園が主催の寺尾地区育児支援イベントには、保育士が絵本の読み聞かせ、手作りおもちゃ、簡単おやつの作り方など担当を持ち毎年参加しています。また、3ヶ所の地域ケアプラザでの出張保育に毎年参加し、園の専門性を活かしたサービス提供に努めています。

近隣の畑での、ニンジンほりや芋ほり、地区センター、スポーツ公園、大型自然公園、ログハウス、横溝屋敷、お雛様や五月人形の展示される民家など文化や歴史、自然に関する施設に出かけています。近隣の保育園と定期的に、観劇会やドッジボール大会、ブラスバンド見学参加などで交流を持っています。45歳児が少人数のため、他の保育園のお友だちや大勢の仲間と触れ合うこと、色々な体験をする機会を大切にしています。5歳児クラスは近隣の多数の保育園と5歳児交流会に参加し、小学校就学に向けての友だちづくりや連携を深めています。

年度、保育ボランティアを受け入れています。実習生については実習の目的に応じ、効果的なプログラムの工夫をしています。クラスの担当職員が毎日、実習生と話し合い、最終日には、園長との面談を行い、助言や意見交換をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

職員の自己評価後に話し合う機会を重ね、評価できる点や課題等の把握に努めています。その後園としての自己評価を作成しています。玄関にファイル展示し、公表しています。

職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則に明記されており、入職時に説明をしています。職員マニュアルは全員に配付しています。他施設での不適切な事例や、新聞やニュース報道などを職員会議などで取り上げ、話し合っています。

年度ごとに設置法人の現況報告書、財務諸表を作成しています。事務室に置き、保護者の求めに応じて公開ができるようにしています。

事業運営に影響のある情報は設置法人で収集、分析をしています。園では、単年度ごとの事業計画を策定しています。中長期的な方向性として、常勤保育士の安定的な確保、リーダー的な保育士の育成など検討しています。

6 職員の資質向上の促進

職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準としてキャリアパスを作成し、それに基づき人材育成の計画を策定しています。保育に関わる全職員が課題票に基づいて目標を設定し園長に提出しています。必要に応じて園長が面談をし、達成度を把握しているほか、年度末には園長が総括のコメントを記載し、次年度につなげています。

園内研修は、年間計画に基づいて実施しています。外部研修は、本人の希望も取り入れ、効果的な研修となるよう園長・主任がアドバイスを行っています。研修受講後は職員会議で内容を発表し、職員間で共有しています。非常勤職員もクラス担任を受け持っている場合があり、職員会議は原則全員参加としています。さらに、非常勤職員は園内研修のみならず、外部研修に参加できる体制を整えています。

設置法人代表は、年12回職員と個別面談をし、職員の満足度や要望を把握しています。設置法人理事が毎回出席する職員会議で意見・要望を聞くほか、行事の後には反省会を行い、次回につなげています。日常的に園長が現場に入っているほか、今年度主任はクラス担任としても現場を良く把握し、話しやすい雰囲気を作っています。さらに現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り、権限を委譲しています。主任、園長に連絡や報告をすることで最終的な責任を明確にしています。

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