かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク平間保育園(5回目受審)

対象事業所名 アスク平間保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0015
中原区北谷町7-7 田島ビルU1・2階
tel:044-542-6920
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年01月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
 アスク平間保育園は、JR南武線平間駅から徒歩3分、比較的閑静な住宅地に位置し、鉄骨造り一部5階建てマンションの1、2階を園舎とし、3階を屋上園庭として使用しています。玄関横には遊んだり野菜を育てている小さな園庭もあります。近くには緑道や公園、小・中学校、幼稚園、保育園が点在しています。
 平成24年4月1日の開園で定員60名に対して、1歳児から5歳児まで60名が在籍しています。園目標は「よく遊ぶ子 よく食べる子 よく笑う子」です。設置法人から派遣される専門講師による英語、体操、リトミックや職員による幼児教育プログラム、クッキング保育など多様なプログラムを行い、楽しみながら子どもの感受性や好奇心を伸ばす「五感で感じる保育」を行っています。
 
【特に優れていると思われる点】
1.子どもの協同や探求心を育む環境構成
 5歳児クラスの保育室には作品コーナーが設けられ、各種ブロックで製作した作品と製作途中の作品を週末まで飾れます。友だちの作品を鑑賞して他者を認め、また仲間と作品を翌日も続けて製作することが保証されており、協同し探求することを支えています。また、「クッキング世界地図」を作り、クッキング活動を通じて食文化や食材に関して関心を深める機会を設けています。ピザを作ったらイタリアに、フォーを作ったらベトナムにマークし、視野を世界に向け物事を探求する取り組みを行っています。


2.子どものその日の様子を保護者に丁寧に伝える取り組み
 1、2歳児は保育連絡ノートで子ども一人一人のその日の状況を、3〜5歳児はクラスの様子をクラスノートで保護者に伝えています。また、2〜5歳児は担任伝言表に一人一人のエピソードを記入し、お迎え時に保護者へ口頭で伝えています。保護者アンケートの「保育の様子が情報提供されているか」の設問に97%の保護者が「はい」と答えており、高い評価を得ています。


3.保育サービスの質の向上への取り組み
 園長は職員の保育サービスの質を向上させるために、園長自ら保育現場に入り、経験の浅い職員に保育技術について実務を通じて指導を行い、職員の保育サービスの質の向上に取り組んでいます。また、月に何回か職員が他のクラスの保育に入り、自身の振り返りをするとともに気が付いたことを職員会議で発表しています。室内の環境や保育のやり方など、違う視点からの指摘により改善を図っています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.「安全チェック記録表」を活用した園内の安全チェック
 毎日の園内の安全チェックを職員が行っていますが、安全状況の確認記録がありません。園内の安全チェックは「安全チェック記録表」を使い、確認することが望まれます。


2.保護者へ事業計画の説明を
 保護者向けに事業計画の概要と実施状況をまとめた事業計画資料を作成し、運営委員会やクラス懇談会で説明して、園運営の理解と協力を得ることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・基本方針に「子どもの自主性や自ら伸びようとする力・五感で感じる保育」を掲げ、子どもを尊重した保育サービスの実施を明示しています。職員は子どもへの言葉かけや対応について職員会議などで学ぶ機会を持っています。


・散歩に行きたがらない子ども、運動会や発表会などクラスの活動に参加したがらない子どもには、無理強いせず子どもの気持ちを尊重しています。また、折り紙の色や発表会での衣裳の色や役割を決めるときなどは子どもの意見を尊重し、並ぶ順番は名前や誕生日順にするなど、性差への固定観念を植え付けないよう配慮しています。


・職員は、入社時研修で守秘義務やプライバシー保護について学び保育に従事しています。第三者と子どもの情報をやりとりする必要が生じた場合は、保護者に説明し、了解を得てから提供しています。


・おねしょをしてしまったときは、他の子どもに気づかれないように沐浴室に連れて行って着替えを済ませるようにしています。黙って濡れた衣類を隠してしまう子どもには「おねしょは悪くないことだから言ってきてね」と言葉かけをしています。


・職員は登園時や衣服の着替え時に子どもの様子と身体の傷の有無を観察し、保護者とは送迎時にコミュニケーションを深め、虐待予兆の発見に努めています。虐待の兆候が見られたときは、園長が設置法人へ連絡、相談し、必要に応じて川崎市中央児童相談所に通報する体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事後のアンケートと、クラス懇談会や個人面談で保護者の意向や満足度を把握しています。把握した意見、要望は昼会議や職員会議で話し合い、今後に活かしています。


・保育内容に関する相談・苦情窓口として設置法人と中原区役所保健福祉センター、園の苦情受付窓口、第三者委員など複数用意し、保護者が相談方法や相談相手を選べるようにしています。


・子ども一人一人の状況を把握し、違いを尊重して支援しています。日常の保育で、職員は「できない」とか「やって」という子どもの気持ちには、1、2歳児は一部分手助けをして自分でやるようにし、3〜5歳児は本当にできないことは手助けしますが「もうちょっと頑張ってごらん」と話し、ヒントを与えるなどしています。


・子どもの年齢や発達に合わせて歯磨き、着替え、手洗い、うがいなど基本的生活習慣が身につくよう、家庭と連携し支援しています。


・夕方の合同保育の時間は、保育室内が狭くならないように、その日の子どもの人数に応じて臨機応変に部屋分けをし、落ち着いて過ごせるようにしています。異年齢の子どもと遊ぶため、誤飲の危険性のあるおもちゃの使用を避けるなど、安全に配慮し、どの年齢でも楽しく遊べる大きなブロックや、紙芝居や手遊びで落ち着いて遊べるようにしています。


・食事を楽しむこと、最低限の食事のマナー(例えば背筋を伸ばして座る、食具の持ち方、食事中立ち歩かないこと)を守ることを大切にしています。毎月1回、特別ランチの日を設けて、旬の食材を使用し、盛り付けを工夫した季節感のある行事食を提供しています。


・体調不良の子どもは、保護者と相談しメニューを変えて体調に合った食事を提供し、アレルギーのある子どもには、トレイの色を変え、テーブルを別にし、配膳の際には複数の職員で確認のうえ誤食のないように注意し、除去食を提供しています。


・職員は、戸外活動や室内遊びの前に、子どもたちと遊びのルールを確認し、身の回りの危険について伝え、散歩に行くときは交通ルールを、公園で遊ぶ場合は、遊具の使い方や公園内での過ごし方を教えています。感染症予防のために外から帰ったら手洗い、うがいを行い、予防の大切さを伝えています。


・入園時の面談で、乳幼児突然死症候群(SIDS)対策として、園ではうつぶせ寝を禁止していることを説明し、SIDS予防のため1、2歳児は10分ごとに、3〜5歳児は30分ごとに呼吸をチェックを行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・園のホームページや中原区のホームページ、園のパンフレットで園の情報を提供しています。利用希望者から問い合わせがあった場合は見学を勧めており、見学は希望者の都合のよい日時に合わせています。


・入園説明会で、保護者に入園のご案内(重要事項説明書)と入園のしおりを配付し、保育プログラム、年間行事、延長保育料、毎月集金するものなどを説明しています。説明にあたっては、園で使用する布団やノート、通園バッグなどの持ち物の実物を見せるなど、保護者が理解しやすいように工夫しています。


・入園前説明会で「慣れ保育」について説明し、1、2週間程度の慣れ保育を実施しています。保護者の就労の都合と子どもの情緒の安定を考えながら時間を決め、徐々に保育時間を延ばし、子どもが園生活に慣れるように支援しています。


・年長児が就学する小学校の授業参観や意見交換会に年長児担当職員が参加し、そこで得た小学校の様子と就学に必要なことを保護者に知らせ、就学がスムーズに行われるよう配慮しています。


・入園時の子どもの心身状況や生活状況は、提出してもらう児童票(川崎市指定)、健康記録表(川崎市指定)などを参考にし、入園前の面接で把握しています。入園後は子どもの発達過程を生活や情緒、遊びなどから把握し、1、2歳児は毎月、3歳児以上は3か月ごとに、児童票に記入しています。


保育課程に基づき、指導計画を各クラスのリーダーが責任者となり作成し、園長が最終責任者となり確認しています。年間指導計画、月案、週案の見直しは計画期間終了時に各担任がそれぞれ評価・反省を行い、計画通りにできたかを確認し、見直しをして次期の計画に反映しています。


・個々の子どもに関するサービス実施状況は、1歳児は生活記録簿・睡眠記録簿、1、2歳児の個別の月間指導計画、2歳児以上の保育日誌(個別の記録欄)に記録しています。職員は記録内容や書き方を設置法人の「帳票類の書き方」研修で学び、園では園長、主任が新卒職員に対し個別指導をしています。


・設置法人は「保育園業務マニュアル」を制定し、保育サービスの基本事項や手順などを明示しています。他に衛生マニュアル、事故防止対応マニュアル、感染症対応マニュアルなど、項目別に制定しています。


・地震発生時の転倒防止策として、保育室の棚の上にはすべり止めシートを敷き、大きな収納棚は壁に固定してあります。さらに避難すべり台、避難梯子を設置して防災対策を講じています。


・園長は設置法人の園長会議で得た他園での事故事例について職員会議で周知し、自分の周りでも起きていないか見直し、未然防止策を検討、協議しています。

4 地域との交流・連携

・園の情報は園のパンフレットや設置法人のホームページ、中原区の子育て情報ガイド「このゆびと〜まれ」で紹介しています。今年から各園でブログができるようになり、職員は毎日更新して子どもの様子を伝えています。また、子どもと職員で一緒に作った夏祭りや運動会のポスターを、八百屋、薬局、パン屋など近隣の店に貼らせてもらい、参加を呼びかけました。


・保育園見学者や保護者から「園の近辺に図書館がないので絵本の貸し出しをしてほしい」という要望があり、近隣の方にも絵本の貸し出しを始めましたが、日もまだ浅いため利用実績がありません。


・「ボランティア受け入れガイドライン」があり、受け入れに関する基本方針や手順、守秘義務について事前に説明すべきことを明記していますが、ボランティアの受け入れはありません。


・園長は、中原区認可保育園長・認定こども園長全体連絡会議や中原区幼稚園・保育園・小学校連絡会議に参加しています。中原区幼稚園・保育園・小学校連絡会議では、就学にあたっての取り組みを話し合っています。そこで得た情報は職員にも伝え、就学前に基本的な生活習慣を身につけさせるよう取り組んでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念、基本方針は安全への配慮や子どもの自立に向けた発達援助からなり、子どもの最善の利益を第一とする設置法人の考え方を示しています。


・職員会議で、理念の「安全・安心第一」「いつまでも想い出に残る保育」について、公園など戸外遊び時の安全確保を行うよう、また、運動会、発表会が子どもたちの想い出に残るような内容になるよう討議し実行しています。


・理念・基本方針の実現に向け、開園時に5年間の長期計画「日々の生活の中で生きる力を育む」「異年齢保育の中での思いやりの気持ちを育む」「食育を通して、様々なことに関心を持つ」を作成し、目標を明確にしています。


・中期計画を反映した事業計画を作成しています。事業計画は前期、後期に分けて実施計画を立て、半年ごとに進捗状況をチェックし評価反省し、次期計画の見直しを行っています。事業計画について職員会議と昼会議で職員に説明していますが、保護者に説明していません。


・園長は、年間指導計画、月間指導計画、週案の評価見直し内容や日々の保育活動から、職員の保育スキルの現状把握に努めています。そのうえ、園長自ら保育現場に入り、経験の浅い職員に保育技術について実務を通じて指導を行い、職員の保育サービスの質の向上に取り組んでいます。また、職員が定期的に他のクラスに入り保育をする制度を設け、その際気づいたことを職員会で発表し、必要に応じて改善に取り組み、保育の質の向上を図るよう努めています。


・毎年、第三者評価を受審し、全職員が自己評価を実施しています。第三者評価結果を基に、今年度は「指導計画の記録内容の改善」「中長期計画に連動した事業計画の策定」「第三者委員の存在を保護者に周知する」を改善課題とし、職員会議と昼会議で改善策や改善実施計画を策定のうえ実行しました。


・園長が定期的に設置法人の園長会に出席し、業界動向や会社全体の事業動向についての説明を受け、最新情報を把握しています。園見学者のニーズ「子育て支援」「絵本の貸し出し」については、今年度の事業計画に掲げ取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の人事管理部門で、職員の採用や各園の人員体制、人事管理全般を担当しています。設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」には、保育士の年次・レベル別に必要とされる専門的知識・技術や組織の中で必要とされる協調性・指導力などが明示されています。


・就業規則や倫理規定、保育園業務マニュアルで遵守すべき法令・倫理について定めており、職員は入社時に研修を受け、理解しています。また、園長は安全委員会で取り上げられた他園の事故や不適切な対応事例を職員会議で報告し、法令遵守するよう職員に周知しています。


・設置法人は職員の資質向上を図るため、各階層別に受講が義務づけられている必須研修の「階層別研修」と職員が自由に選択できる専門的テーマからなる「自由選択研修」を用意して、職員研修を積極的に行っています。研修参加者は、研修レポートを作成・提出し、園長は必要なものを昼会議もしくは職員会議で発表させ、職員間で知識の共有を図っています。


・園長は毎月、出勤簿をチェックし、職員一人一人の勤務状況、有給休暇の消化率や土曜勤務に伴う公休取得状況、時間外労働などを確認しています。職員各人の有給休暇消化率や公休取得状況に問題があれば、職員と話し合いのうえ、シフトを変更するなどで休暇取得ができるように調整しています。


・職員の健康維持と悩みの相談に関しては、定期健康診断に加え、カウンセリング窓口の利用、設置法人の産業医または設置法人内の発達支援チームと相談が可能で、体制が整備されています。


・実習生受け入れ方法、事前説明事項、オリエンテーションの実施方法などが明記された設置法人の「実習生受入れガイドライン」に基づき、園長が責任者となり実習生を受け入れています。

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