かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

洋光台保育園(3回目受審)

対象事業所名 洋光台保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜悠久会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0045
磯子区洋光台三丁目18-26
tel:045-833-1139
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 洋光台保育園は、JR洋光台駅から大規模団地を抜けた徒歩5分ほどの閑静な住宅地の中にあります。近隣には大木のある公園や起伏に富んだ広い公園や神社などがあり、自然豊かなところです。平成21年度に公立園から民間移管して社会福祉法人横浜悠久会により、運営されています。現在、1歳児から5歳児までの定員60名を受け入れ、延長保育や障がいのある子どもとの統合保育、地域子育て支援などを実施しています。建物は鉄骨造り平屋建てで掃除が行き届き、自然光がたくさん取り入れられる明るい環境です。各保育室からは、すぐに園庭に出られる構造になっています。園庭は広く、鉄棒、砂場、プールなどがあります。園庭には大きな木々や小さな畑、プランターがあり、四季ごとに野菜や花が栽培されています。子どもたちは保育士が温かく見守る保育の下、のびのびと遊び成長しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○お米や野菜作りをはじめとする充実した食育を展開して園の目標の子どもの健康な体作りに努めています
 お米やトマト、なす、パプリカなど季節に合わせてさまざまな野菜をクラス別に育て、観察して絵を描き、収穫後はクッキングや給食の材料にしています。自分たちで育てた野菜への愛着が生まれ、いっしょに食べることで、野菜を嫌いだった子どもも食べることができるようになりました。栄養士と調理師は毎日交替でクラスに入り子どもたちといっしょに楽しく給食を食べ、喫食状況を見て意見を聞いています。3〜5歳児はセミバイキング方式をとり、5歳児のクラスでは当番の子ども3人が保育士とともに子どもが申し出た分量を盛りつけます。お代わりもできるため残食はあまりありません。栄養士、調理師は給食会議で保育士の意見や希望を聞き、次の献立や調理に役立てています。充実した食育を展開し園目標の子どもの健康な体作りに努めています。


○子ども一人一人の気持ちを大切に受け止める保育を実践し子どもたちはのびのび過ごしています
 日ごろから子どもの人権について積極的に外部研修に参加し、園では子ども一人一人の思いを大切にする保育を実施しています。特に子どもに対する言葉かけを重視し「子どもがこっちを向く言葉かけ」と題した内部研修を行いマニュアルを作成し職員に配付しています。保育所保育指針の「子どもの人権の尊重」について振り返りや読み合わせを行い確認しています。さらに食事やトイレなどの場面ごとに「子どもにこう言ってはいませんか?」「では、どう言えばいいの?」として、わかりやすく表にまとめています。また「子どもたちの4つの願いとして@子どもの話に耳を傾けるA決めつけないB同じ人として向き合うC早く、早くとせかさない」を廊下に掲示しています。保護者も保育士も声かけについて常に意識し子どもに接するなど取り組みの成果が出ています。


○施設の手入れや清掃が行き届き、子どもの安全や健康に配慮した取り組みが行われています
 園の建物は古いためさまざまなところが痛んでいますが、手入れや清掃が行き届き、子どもの安全や健康に配慮した取り組みが行われています。トイレやシャワー室の清掃のしかたを掲示し、全職員がだれでも同じように清掃できるようにしています。年長児は3つのグループに分かれ、自分たちの部屋の床拭き、棚と遊具の整理整頓を毎日行い、清掃の習慣が身に着くようにしています。ゴミ箱は分別できるようになっており、子どもも分別してゴミを捨てています。感染症予防では、チェック表に基づき、保育室やトイレの清掃やおもちゃの消毒を毎日行っています。嘔吐の対応では、ペットボトルやバケツに目盛りのテープをはり、消毒液をだれでも作れるよう工夫しています。全職員が救命士による蘇生法の研修を受け、また災害時の避難訓練も行っています。


《事業者が課題としている点》
 保護者への情報伝達について、掲示板や送迎時のコミュニケーションの工夫など、園内研修で事例を参考に学習し、全職員の意識を高めることを課題ととらえています。園庭開放や絵本の貸し出しを地域に浸透させるため、利用時間の変更や積極的な宣伝をしたり、町内会はじめ地域との交流も子どもたちを主体にできることをやっていきたいと考えています。また、非常勤職員の研修や会議時間の定着など、体制の強化も考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育園運営マニュアルには、「子どもがこっちを向く言葉かけ」や「叱り方」「ほめ方」「子どもたちの4つの願い」といった項目について記載されています。園内研修で、子どもの自尊心を傷つけたり人権を否定するような言動をしないように、職員に周知しています。特に、言葉遣いについては具体例をあげて対策を立て、威圧・命令口調ではなく、穏やかな温かみのある声で子どもたちに話しかけています。子どもの年齢や発達に応じてわかりやすい言葉で話をするよう努め、職員間で相互に言葉遣いや言動に注意を払っています。子どもどうしも大声を出すことなく、相手に届く大きさの声で話しかけ、相手の話を聞いています。
 子どもが安心して落ち着ける場所として、また一人になりたいときに保育士の目を意識せず過ごせる場所として、職員間で話し合い保育室を使い分けたり、事務室や事務室前のスペースを確保しています。事務室前にはベンチや絵本ラックを置いてコーナーを作っています。事務室の中にもおもちゃやマットなどを置いてくつろげるコーナーを作るなど工夫しています。3歳児の保育室は物入れの下段に視界を意識せず過ごせる場所があります。3〜5歳児については、必要に応じて保育士と子どもが一対一で安心して話せる場所や子どものプライバシーを守れる場所を確保するために、保育室の一隅についたてでしきられたコーナーなどを設置し、一人で過ごせる場を確保しています。
 保育士は、並び順やグループ分け、行事の役割、ごっこ遊びの配役、身に着ける物の色などを性差で区別することはありません。製作活動において子どもたちは好みの色を自由に選び、お楽しみ会や運動会の配役決めや衣装などでも、子どもの自主性を尊重しています。自由遊びの時間には、性差に関係なくままごと遊びでお父さんになったりお母さんになったりしています。また、子どもや保護者に対して、父親、母親の役割を固定的にとらえた話はしないように注意して、「お家の人」という話しかたをしています。園では、無意識に固定観念で話をしてしまわないように、職員会議やミーティングで職員どうしお互いに注意をするしくみがあります。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程には園の理念や保育方針、保育目標が明記され、子どもの健やかな発達のために養護と教育のねらいを定め、各年齢に応じた生活や活動の内容を記載しています。子どもを取り巻く家庭環境や園の周囲の環境、地域の実態について、職員会議で話し合い保育課程の見直しをしています。園の周辺には公園が多いため、散歩や運動遊びなど自然との触れ合いを取り入れるよう考慮して作成しています。保護者には、年度初めの懇談会で園長より理念や基本方針、保育目標について話をしたり、園だよりに掲載したりして伝えています。各担任からは、年齢ごとの子どもの成長と保育の進めかたについて具体的に説明しています。
 古い園舎ですが手入れや清掃が行き届き、常に安全に清潔な環境に保たれています。保育室は日が良く入り明るく、定期的に換気し、温湿度計や加湿機能付き空気清浄機が設置され、日々適切な環境が維持されています。トイレやシャワー室の清掃のしかたを掲示し、全職員がだれでも同じように清掃できるようにしています。年長児は、自分たちの部屋の床拭きや、棚と遊具の整理整頓を毎日行い、清掃の習慣が身に着くようにしています。保育士の声は穏やかで、保育室内には「声のボリューム」表が置かれて子どもたちの声にも配慮しています。3歳児と4歳児の保育室の間は、互いのクラスの声やピアノの音が聞こえないように工夫しています。
 子どもたちは近隣のこども宇宙科学館や公園に出かけ遊んでいます。横浜市の施設であるプレイパークに遊びに行き、NPO法人による遊具やビニールプールで地域の子どもといっしょに遊んでいます。また、年長児がカレー調理の材料を近隣のスーパーに買い物に行っています。洋光台地区の6園による年長児の交流を行い、お互いの園を訪問したり、近隣の公園で交流しています。近隣の小規模園と連携し園庭遊びやプール遊びで交流しています。ハロウィン・キャンドルナイトを保護者に案内したり、正月に3〜5歳児がいっしょに初詣に出かけています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  主任とクラス担任が中心となり、年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画を子どもたちの発達状況に応じて作成しています。園長が指導計画を読み、気づいた点は再検討を促しています。年間指導計画は年度末に全職員で見直して次年度の計画に生かし、4月の保護者懇談会で保護者に説明し玄関に掲示しています。月間指導計画、週間指導計画は、職員会議で複数の職員がかかわり、評価、改定を行っています。保護者へはクラスの活動を伝えるボードで週の予定や保育の活動を伝えていますが、送迎時の会話や面談、連絡帳、アンケート結果、意見箱を通して意向をくみ取り、午睡の時間やトイレットトレーニング、箸の使用などについて指導計画に反映させています。
 職員は横浜市こども青少年局や磯子区の福祉保健センター、横浜市南部地域療育センターなどが主催する、配慮を必要とする子どもの保育についての研修を受講し、研修後は研修報告を行って情報を職員間で共有しています。配慮を必要とする子どもを受け入れた場合は、個別のケースについては職員会議で話し合うほか、必要時には園長や主任、担任が保護者と個人面談を行っています。対象となる子どもには「個別指導計画」「個別日誌」を作成しています。なお、横浜市南部地域療育センターの巡回相談の記録や各種会議の記録、指導計画などは、必要に応じていつでも閲覧できるようにファイリングされ、職員室のキャビネットに保管されています。
 職員は園内研修で虐待について学び、虐待の定義や早期発見のチェックリストなどが記載された「虐待の発見と対応マニュアル」に沿って、虐待の早期発見に努めています。虐待が子どもの人権侵害であることを、職員全員が認識したうえで保育に携わっています。虐待の疑われる場合には、磯子区こども家庭支援課、南部児童相談所などに相談する体制が整っています。見守りが必要な子どもの様子については、欠席理由の確認や、着替えの際に体のチェックを行ったり、観察したりしています。保育士は送迎時に、親子の関係や子どもの表情の変化から家庭の状況を把握し、気がかりな保護者には積極的に声をかけ虐待の予防に努めています。
4 地域との交流・連携  園では、地域の子育て家庭を招いての交流保育や育児講座、見学者に対するアンケート、児童委員でもある園の第三者委員からの情報提供などから、0歳児保育などの地域の子育て支援ニーズを把握しています。また園庭開放の際には育児相談を行っていますが、この育児相談の中でも園への要望を把握しています。磯子区、洋光台地区の地域子育て支援連絡会での、地域の子育て家庭への支援を充実させる施策についての検討会に参加しています。また、磯子区の幼・保・小子育て交流事業に参加し、子どもの育ちについて理解を深めるための講演会にも協力して取り組んでいます。
 園では地域子育て家庭に情報を提供するため、園の門に掲示板を常設しています。掲示板では、園庭開放や育児相談、育児講座、交流保育などについて案内しています。これらの内容は地域の子育て支援センターとなっている保育園の情報紙にも掲載され、地域に情報を提供しています。毎週火曜日に行われる育児相談では、子どもの食事での好き嫌いや離乳食などさまざまな育児相談にのっています。こどもの日や七夕、運動ごっこ、ひな祭りなどへ地域の子育て家庭の親子を招いて行う交流保育のチラシを、町内会の掲示板や、横浜市の子ども向けの施設である「ログハウス」に掲示するなど、地域の子育て家庭に情報提供しています。
 年度末の職員会議で、それまでに把握した地域の子育て支援のニーズなどを参考に、次年度に向けての取り組みを検討しています。そこで、絵本の貸し出しや育児相談などの充実について全職員で話し合い、育児講座や交流保育、園庭開放、育児相談などを柱にした育児支援年間計画に具体化しています。園では毎週火曜日に園庭開放と育児相談を行い、こどもの日や七夕、運動ごっこ、にこにこパーティー、節分、ひなまつりなど、地域の子育て家庭の子どもを招いた年6回の交流保育を行っています。また、育児講座として栄養士による手作りおやつの作り方と試食会を行ったり、園の絵本を保護者や地域の子育て家庭に貸し出しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 公立私立合同園長会、磯子区社会福祉協議会、横浜市社会福祉協議会、磯子区のこども家庭支援課などから、地域の子どもの動態や虐待の動向、地域の子育て家庭支援の動向などの地域の福祉ニーズなど、事業経営に影響のある情報を収集し分析しています。重要な情報は園長、主任で意見交換し、必要な場合は職員会議で職員と情報共有し話し合っています。地域育児支援について、園庭開放の時間延長や、絵本の貸し出しの利用者増の対策などの改善課題については、職員会議で話し合い、園全体で取り組んでいます。
 保育士の自己評価について指導計画の見直しの際に職員会議で話し合い、翌月や翌年度の指導計画に生かしています。保育士自らの保育実践やサービス内容の改善をもとに、子どもへの声かけなどさまざまな課題を明らかにし、園内研修として「子どもがこっちを向く言葉がけ」を話し合うなど改善に取り組んだり、園の次年度の保育計画にも反映させています。保育士の自己評価や保育所の自己評価は保育所保育指針や保育課程に沿って行っています。保育所の自己評価の主な内容は、保育所の自己評価を行う際に実施した保護者アンケートの結果とともに、保護者に配付し公表しています。
 就業規則の「服務規律」には、守秘義務の遵守など不正・不適切な行為を行わないよう守るべき規範が明記され、職員に周知しています。また、子どもの最善の利益の尊重やプライバシーの保護などが明記された全国保育士会倫理綱領を職員会議で周知し、職員室に掲示しています。園を含む法人全体の財務状況報告書や現況報告書が、全国社会福祉法人経営者協議会のホームページに公開されているほか、保育園にも備え置いています。食物アレルギーのある子どもの誤食や虐待など、他施設での不正、不適切な事例は、新聞などの報道や横浜市こども青少年局からの情報を得て、その内容を職員会議で周知し情報共有しています。

6 職員の資質向上の促進  職員の募集は、保育園や駅周辺の掲示板に掲示したり、タウン誌に募集記事を掲載しています。保育知識や技術、人間性などを視点に採用しています。職員配置は国基準より多く配置し、退職者が出た場合は速やかに募集します。募集が間に合わない場合は派遣制度を利用し、必要な人材を常に確保しています。理念実現の視点から、各職員の課題とそれに対応した研修を明示した研修計画と、全職員を対象とした「園内研修計画」を策定しています。職員は、「職務における目標」を記入して園長と面談し、年度目標を確認します。年度末には「職務における目標及び意向調査についての振り返り」に記入し、園長と面談して目標の達成度の評価を行い、次年度の課題を定めています。
 保育の計画性やありかた、保育士としての資質、保護者対応、自然や社会とのかかわりなど82項目からなる保育士の自己評価のしくみがあります。また保育所の自己評価のしくみも確立しています。日常の保育実践や研修で学んだ工夫や改善事例をもとに、「上手な叱り方、上手なほめ方」「落ち着きのないクラスへの対応」などについて職員会議で学び合っています。配慮を必要とする子どもへの対応について、保育士が横浜市南部地域療育センターから指導を受けています。また、今年度の重点目標であるリズムについて、保育士が毎月研修に参加するとともに年1回専門家を招いて指導を受けたり、体操教室では子どもへの指導方法について講師から助言をいただいています。
 「階層別研修体系」には、主任、リーダー(10年以上)、中堅(5年以上)、初任者、新人など、経験・習熟度に応じた役割が期待水準として明文化されています。職員の権限は「運営方針」の「保育所職員の役割」に明記され、通常の保育業務は職員に権限委譲されています。対外的な業務や、事故や苦情など偶発的業務は、園長、主任に報告、連絡、相談することが徹底されています。年度末に職員アンケートを実施し、リズム保育の方法の改善などが提案され、業務に生かしています。また年度途中と年度末に全職員が園長面談を行っており、園長は、改善提案や、来年の配属や業務への希望、研修希望、業務への満足度などを把握しています。

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