かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

まめの木保育園

対象事業所名 まめの木保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0063
中原区小杉町3-1501 セントア武蔵小杉A棟3
tel:044-281-0565
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 まめの木保育園は平成27年4月1日に開園された0歳時〜就学前までの子ども120名定員の保育園です。JR南武線武蔵小杉駅から徒歩5分、駅近くの高層マンションの4階に開園されています。
 園の名前は、子どもたちの好きな物語の主人公のように、たくましく、すくすく育って欲しいという願いをこめて付けられています。「心も体も健康な子ども」「友だちと一緒に楽しく遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども」「楽しく食べる子ども」という保育目標のもとに保育に取り組んでいます。平日の7時から20時まで開所し、延長保育、障害児保育を行っています。開園初年度から延長保育のスポット利用を開始しています。
 運営主体の社会福祉法人川崎市社会福祉事業団は、保育園のほかに障害者施設、高齢者施設など幅広く運営しています。
 園内は木をふんだんに使用し全体に木目調で温かみの感じられる造りになっています。保育室は日当たりが良く、廊下側のドアはガラス張りで自然光が入ります。食事は保育室とは別に独立したランチルームで行っています。保育経験者のノウハウを活かして、子どもたちの心身の発達を考慮した設備を取り入れています。


<特によいと思う点>

1.職員の資質の向上への取り組みが、保育の質の向上につながっています
 基本理念の一つである「職員の資質・能力の向上」をもとに園の運営は各職員の資質向上が重要と考えています。職員の職種に応じた役割りを定めて、周知して取り組んでいます。業務分担表で業務を明記し実施することによりそれぞれの役割を担っています。保育士はマニュアル、地域、環境、保育指針のいずれかに属し各テーマの園内研修に取り組んでいます。さらに今年度は保育指針が法人の報告会での統一テーマで、まめの木保育園が3歳を担当し発表をしたことで、お互いの理解度が深まり、保育士の自信と活性化につながっています。こうした取り組みを通じて、保育内容、保育士の資質向上につなげています。


2.保護者の意見と環境を保育所の運営に活かしています
 サービスの質の向上には、利用者・保護者のニーズの把握が重要と考え、毎年「利用者の満足度調査」を実施しています。利用者が意見を伝えやすいように第三者委員を含めた「苦情申し出窓口」を明記して「ご意見箱」を設置しています。保育園建設には保育士の意見を取り入れ、マンション内でありながらも園庭を設けるなど、子どもの成長につながる環境を整えています。各行事後にもアンケートを実施し、集計結果を「園だより」に添えてお知らせしています。「園だより」の記載事項を、その月の職員会議のテーマに取り上げ、職員間で徹底した意見交換を行っています。


3.職員同士がコミュ二ケーションよくして、全員で子どもを見守る保育を実施しています
 運営や業務に関するマニュアルを整備して、研修も行い標準的に保育を行うようにしています。開園2年ということもあり、新採用の保育士も多い状況です。新人の保育士育成は主任が担当して、保育や子どもとの関りについて相談がしやすい関係を作っています。マニュアルによる対応とともに、個々の子どもへの対応については保育士間で子どもの情報を共有しています。一貫性のとれた子どもに必要な対応がとれるように職員間でのコミュニケーションを密に図り、一人ひとりの職員が意識的に動いて、子どもを見守る保育が行われています。


<さらなる改善が望まれる点>
1.マンションから外に出る機会の検討が望まれます

 園には広い園庭があり、保育に必要な機能も充実しており、園内で保育が完結できる状況にあります。立地上、周辺に公園などは少ないですが、散歩に出かけ外の景色を眺めるなど自然と触れ合う機会もあります。また散歩マップの作成や周辺地域で園外活動が行えそうなスポットの開拓などに職員が取り組んでいます。
 しかし、保護者からは園外に出る機会を増やしてほしいとの意見もあります。地域との関係性を深めるためにも、今後は公園などへ行く機会を増やすことが期待されます。また地震対策として、子どもたちに避難先・避難方法を徹底するためにもより一層の外出の検討が望まれます。


2.園を地域の子育て支援活動に役立てることを期待します
  開園2年目ですが、地域支援として園庭解放や、保育士・栄養士・看護師による離乳食、子どもの事故防止についてなどのミニ講座を何回も地域の方々に向けて開催してきました。この催しの出席率は定着しつつあります。園は駅に近く、保育に必要な機能が充実しており、園内には遊具や設備の整った地域交流室もあります。この恵まれた社会資源を地域のより多くの子育て家庭に提供できるように、地域が求める専門性などのニーズを収集・分析して、更に地域に根ざした施設となるよう注力されることが期待されます。

3.保育士のばらつきの少ない保育内容への取り組みを期待します 

 保育士は園に合ったマニュアルの作成や、園内研修、発表、法人研修参加などスキルアップに前向きに取り組み、自分達で出来る事などについても真摯に取り組んで成果を出しています。
 しかし、開園2年目ということで保育の力量にバラつきがある部分も見られます。園長は、日頃より保育は気持ちだけではなく、具体的な事でどのような保育をするか、保育への心構え等について職員に伝えています。これからも研修、系列園合同研修などを活かして、法人の理念に沿った保育園になるよう保育士のさらなる資質向上に期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 保育の基本方針に「川崎市子どもの権利に関する条例」による子どもの権利を守る保育園と明記されています。「子どもの権利」に関する研修にも参加しています。保育士は保育中の言葉使いや、声のトーンにも気を配り、できた事を認め褒めるように心がけています。日々の保育の中で遊び、ルール、お散歩、歌いたい歌なども子どもの意思を尊重する保育を実施しています。川崎市社会福祉事業団の系列保育園の方針として「保育理念」「保育の基本方針」「保育目標」を定めています。
法人の「個人情報保護要綱」「個人情報保護マニュアル」に基づき保育園が取り扱う個人情報やその利用目的について保護者に保育内容説明会等で説明しています。園児の写真掲載などは保護者の同意を得てから実施をしています。実習生からも守秘義務に関する誓約書を取っています。保護者からの相談があるときは、相談室を利用して話がしやすい環境を整えています。幼児クラスは着替えをするときにはカーテンを閉めるなどして、外部から直接目に触れないように配慮しています。
虐待防止マニュアルを作成しています。虐待に気がついたときの対処、通報先などを職員は周知し、関係機関と連携した体制づくりをしています。看護師の視診、保育中の子どもの様子、着替え、おむつ交換時のチェックを徹底し小さな変化にも気づけるよう努めています。保護者とのコミュニケーションを大切に保護者への声かけをするなどして家庭との連携も大切にしています。虐待が疑われるような場合は職員間で情報を共有して園全体で対応をするようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 法人では年に1回「利用者満足度アンケート」を実施しています。また、園の行事後にもアンケートを実施し保護者からの要望、意見などを把握しています。クラス別懇談会を開き、保護者同士の交流をもてるようにしています。その際にも直接保護者からの意見や要望を聞いています。
年齢や発達に合わせた遊具があり自分の好きな遊びができるように机などでコーナーを作り遊びに集中できるように配慮をしています。発達の気になる子どもについては個別の計画を作成しています。ルールや時間を伝える手だてとして、視覚的に理解できる方法を使うなどして他の子どもたちと一緒に成長ができるように支援をしています。保育士は発達支援コーディネーターの研修を受けています。
乳児は、個人の連絡帳を使って1日の様子を保護者に伝え、降園時にもできるだけ口答で伝えられるように心がけています。幼児は連絡票を使って、その日の伝達事項を伝えています。その際には良い事、嬉しい事、出来たことなど成長の様子を積極的に伝えています。年間のカリキュラムに沿って、個々の成長や発達に合わせて基本的な生活習慣が身につくよう家庭と連携しながら進めています。
保育士は子どもがストレスを感じないように、一人ひとりの子どもの年齢や性格、その時々の場面や状況に応じて適切な声かけをするなどしています。日頃から異年齢で過ごすことにより年長児が年下の子どものお世話をしたり、ゲームのルールを教えてあげるなど、年下の子に対して優しく接する気持ちが育まれています。また小さい子は年上の子どもに対して、あこがれを持ったり、追いつこうと努力をするなど心身の成長があり、異年齢間の交流により、強さや弱さ、思いやり、優しさといった感情などを子どもたちは自然と身に付けています。
栄養士は子どもたちが食に興味を持つ事を大切に考えています。食育は年齢に応じて見る、触るなど出来る事をしています。看護師が健康指導で手洗い、歯磨きなど保健指導をしています。感染症一覧、登園許可が必要なものは重要事項説明書に記載があります。感染症発生時には、園内での発生情報や川崎市からの情報を掲示し、健康便りに流行しやすい感染症の情報を記載するなど保護者にも注意喚起を促しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、睡眠チェック(SIDSチェック表)を年齢毎に時間を定めて記録しSIDS予防に努めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 法人および川崎市のホームページ「子育て応援ナビ」に園の情報を提供しています。随時受付をしている見学時に基本理念や保育目標、事業内容などを記載したパンフレットを配付しています。また、進級する子どもの保護者に向けて、保育内容説明会を実施し年間予定表などを配付して、年間の保育について説明をしています。小学校に届けられる保育所児童要録は担任、園長が作成しています。小学校への就学に向けて5歳児は1月頃からは午睡を減らし、生活リズム、生活習慣を整えられるように配慮をしています。
運営法人の基本理念に基づき、法人内の保育園で統一した保育課程を作成しています。保育課程をベースにクラス別に年間、月間、週日指導計画を作成しています。作成された計画は、園長、主任の確認を得て実施され、期の終わりや、月の終わりにクラス別に内容の評価、反省の話し合いを行って、次の保育につながるようにしています。栄養士や看護師が中心となって健康指導が実施され、食育計画では各担任の意見等も反映した計画を立てて食育活動に取り組んでいます。
入園から卒園までの個々の子どもに関する基本的な記録は児童票に記載しています。児童票や緊急連絡票など個人情報に関する記録は鍵のかかる場所で保管管理しています。各クラスに法人の運営マニュアル、業務に関する各種マニュアルを設置し、必要時にすぐに見る事ができるようになっています。看護師が乳幼児突然死症候群(SIDS)や嘔吐・下痢の対応などについて園内研修を全職員対象に実施しています。マニュアル類は必要に応じて見直しを行い、改訂しています。
「苦情申出窓口」の設置について保護者に向けて苦情解決の流れ、体制について周知できるようにし、意見箱も設置してます。苦情に対しては速やかに対応し、利用者(保護者)と面談し、改善に向けて会議で検討しています。日ごろから、保護者とコミュニケーションをとるようにし、子どもの登降園時、挨拶などを大切にして信頼関係を深められるように努めています。保育士は子どもに対して否定的な態度や言葉使いをせずに、子どもがの自主的な気持ちを尊重して受けとめるようにしています。
4 地域との交流・連携 法人のホームページで園の紹介を行っています。園は高層マンションの4階にあるため、住民参加で行われる建物の理事会に参加することもあり、住民代表の方々と交流する機会があります。また園で行う夏まつりは、マンションの掲示板にポスターを掲示し住民の参加もできるようにしています。
毎週火曜日には園庭の開放を行っています。他に、保育士・栄養士・看護師による離乳食や、子どもの事故防止についてなどのミニ講座“まめ豆講座”を、年6回、地域の方々に向けて開催しています。開催通知は、保育園入口の掲示版に発表しており、毎回、親子8組、15人前後の出席があり定着しつつあります。
地域のネットワーク会議などに園長・主任・看護師・栄養士がそれぞれの担当職員として参加しています。週1回の園庭開放の他、地域の子育て家庭の相談事業、親子交流の場の提供などに積極的に取り組んでいます。行政が開催する保育まつり等、地域のイベントに、年長児の作品の展示、園の紹介を行っています。開園2年目の新設施設ですが、マンションの4階にあり、人工芝の園庭などの特徴も影響してか、福祉関係の方々をはじめ、地域の方々の見学希望が多く寄せられています。本年度は、8ヶ月間ですでに300件を超える訪問見学があり、主として園長・主任が応対しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 法人の保育園共通の基本理念や基本方針をホームページに掲げ、園の玄関掲示板等にも掲示しています。保育園のパンフレットには、4項目の「保育目標」を記載し、この目標実現に向けての取り組みを分かりやすく説明しています。保護者へは、入園説明会、保育内容説明会配布資料で、保育目標を“目指す子ども像”として掲げ、保護者の皆さんと共に考え、学びながら保育を進めることを宣言し、実践を積み重ねています。園としては保護者のご理解を得るために保育参加を積極的にお勧めして、実際の保育現場を直接見てもらうこともしています。
園長は、サービスの質の向上に向けた取り組みには、利用者、保護者のニーズを把握することが大前提と考えています。毎年、利用者の満足度調査を行い、その結果を法人と協力して職員で分析、評価し改善策を検討しています。さらに、行事後にはアンケートを実施して、園として集計結果を毎月1日発行の「園だより」に掲載「感想あれこれ」「ご要望あれこれ」「園長の考え、感想」を添えてお知らせしています。この「園だより」の記載事項は、その月の職員会議のテーマに取り上げ、翌年度の事業計画に何処まで反映するか議論を行っています。
6 職員の資質向上の促進 福祉サービス事業に携わる者としての法令、規範、倫理等については、法人が中心になり研修会を入職時に実施しています。月1回の全体会議では折に触れて、ガイドブックを使用して周知徹底を行っています。目標管理制度を採用し、本人の目標と自己評価が提出され、園長との面談が徹底して行われています。次世代の保育士育成支援として、実習生を積極的に受入れる方針です。開園2年目ということもあり、本年度の受入れは1名でしたが、体制も整い今後は更に受け入れを行っていく予定です。
全職員の経験年数、担当業務、前年度の研修参加等を確認して、園として参加させる研修を選択しています。同時に職員が受講したい研修希望も受け付けています。職員全員の希望に沿うことは難しい状況にありますが、土曜、日曜を活用して個人が参加している研修が多くあることも把握しています。研修受講者は研修終了後、必ず報告書を作成します。その内容を他の職員にも伝達したいものは、園内会議で受講者から報告させています。この報告は、園内全員に回覧、全員が目を通したことを確認し、その記録も残しています。
園長は、職員の年次有給休暇の取得状況をチェックして職員の就業に配慮しています。夏休みは全員が取得していますが、年の有給休暇取得率は50%前後であり改善に取り組んでいます。園長は、日々の勤務シフト、時間外勤務を把握し、特定の職員に偏っていないかを常に確認しています。職員の健康診断受診率は100%、産業医による巡回相談も実施しています。メンタルヘルスの一環として、「ストレスチェック検査」「腰痛検査」も全員受診しています。園長は、職員が働きやすい環境や雰囲気作りに配慮しています。

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