かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

睦町保育園

対象事業所名 睦町保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 乳児保護協会 
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0041
南区睦町1-30 
tel:045-710-6230
設立年月日 2001(平成13)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 法人創設者の「人間の人格形成の基礎は、だいたい幼児期までに形づけられる」という考えのもと、法人では一貫して乳幼児の健全育成事業に取り組んできました。「睦町保育園」の開設は平成13年ですが、それまでは当地で乳幼児の診療所を運営していました。当時は急激に女性の社会進出が進み、地域社会から求められたのは、保護者が安心して働くために保育所を利用したいということでした。こうした社会の要請に応えるために、法人は診療所という特性を生かし、当地で病後児保育室を併設した受入れ定員30名の「睦町保育園」を開設しました。その後、保育園に対する地域社会の要請がますます大きくなり、平成15年には保育園の園舎を増築し、受入れ定員90名に拡張しました。また、同時に、急な用で一時的に育児ができなくなった地域の保護者のために「一時保育」も開始しました。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○「食」は命を育む第一歩と考え、給食は感謝の気持ちをもっておいしくいただくことを大切にしています
 当園では、「食」は命を育む第一歩と考えています。そして食べることは、たくさんの命や自然の力、そして人々の労力があって初めて成り立ちます。子どもたちにまずそのことを伝え、おいしくいただき、感謝の気持ちを持つようにしています。食材は国産のものを中心に旬の食材で地産地消にこだわり、添加物や農薬を使った食材は避けています。献立は職員と栄養士がともに考え、新しい献立はまず試食をするなど、工夫を重ねています。こうした園の給食について、保護者は高く評価しています。今回の第三者評価で実施した利用者家族アンケートでも、「給食の献立の内容」や「お子さんが給食を楽しんでいるか」についての質問で、「満足」と「どちらかといえば満足」の回答を合わせるとそれぞれ100.0%と95.0%という結果が出ており、保護者が満足している様子が読み取れます。

 

○横浜市の委託を受け病後児保育室を開設し、地域の福祉に多大な貢献をしています
 横浜市の病後児保育室は全部で4園あります。当園は前身が乳幼児を対象とした診療所で、その当時からの看護師が子どもの健康管理を担っています。利用者数は年間で300名を超えています。しっかりと子どもの面倒を見てくれるということで、一度利用するとリピーターが多いのが特徴です。生後6か月から小学校6年生までを受け入れの対象にしています。体調のすぐれない子どもが安心して過ごし、体調の回復を図っています。こうした子どもをもつ保護者への就労支援は、地域の方々から喜ばれています。

 

○0〜2歳児の生活指導は、担当職員を決めた緩やかな担当制をとり、個々の子どもの発達を細かく把握しています
 0〜2歳児の生活指導にあたっては緩やかな担当制をとっています。食事や排泄、着脱などの介助には子ども一人一人を担当する職員を決めています。いつも同じ職員が同じ子どもにかかわることで愛着関係をいっそう深め、生活指導を円滑に行っています。また、個々の子どもの発達を細かく把握することができています。さらに、0歳児の保育室は「食事の場」「遊びの場」「睡眠の場」に仕切って、子ども一人一人の状況に合わせた対応をしています。訪問調査の当日も、「食事の場」ではお腹が空いた一人の子どもに職員がつき、優しく声をかけながら食事の介助をしていました。同時に、「睡眠の場」で眠っている子どもを職員が見守り、遊びたい子どもとは「遊びの場」でいっしょに職員が遊ぶなど、子ども一人一人の状況に応じて職員がていねいに個別対応する様子が見られました。

 

《事業者が課題としている点》
 園が今後の課題としていることはいくつかあります。その一つ目は人材育成です。近い将来、経営陣の世代交代が迫られていますので、次代の経営層の育成とそれに伴う園全体の職員の育成を計画的に取り組むことです。二つ目は施設の改修です。現在の施設は開園以来16年間が経ち、さまざまな箇所を修繕しながら使用しています。今後はこうした改修、修繕にも計画的に取り組む必要があります。そのための資金計画も立てていかねばならない課題です。三つ目は園の保育理念、保育目標の全職員への徹底です。保育課程の作成には全職員がかかわるようにしていくこととしています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  子どもたちの最善の利益を図ることを園の理念にしていますので、子どもたちに接するときは適切な対応を心がけています。昨年度は職員の対応についてまとめた文書「保育士の所作」をテキストに、新人研修や園内研修を実施しました。こうした子どもたちとのかかわりについては、日常の保育の中で子どもたちの人格を辱め自尊心を傷つけることのないように、職員間でチェックをしています。特に主任は、園現場を巡回して職員の指導をしています。
 園の個人情報の扱いは、「規程集」に明示しています。それに従い、「園だより」には子どもの写真や生年月日は掲載せず、ホ−ムページにも子どもの写真を載せていません。また、保育中の子どもを保護者が写真撮影することは、認めていません。子どもの個人情報の扱いは、入園時に口頭で保護者に説明しています。また、「入園のしおり」にも、子どもの個人情報の利用についての説明文を載せ、利用について保護者の同意書を得ています。さらに、園で知り得た情報を園外で漏らしてはいけない守秘義務について、職員やボランティア、実習生から誓約書の提出をルール化しています。最近は、SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)による不適切な情報漏えいが頻発しているところから、個人情報の保護について適正な利用を促すため、書面による確認をしています。
 子どもたちの個人情報の入った「児童票」は、事務所の鍵のかかるキャビネットで保管しています。
 園で使用している物品は男女の性別で使い分けはしていません。また、劇遊びなどで男役や女役があれば、子どもたちが好きな役を選び、おままごと遊びでも、お父さん、お母さん役を男女で分けることはしていません。幼児になると自然に男女の違いを意識してきますので、自分で自覚できるようには指導しています。しかし、そのことで男女の差別はしていません。職員の日ごろの言動で、「男らしくしなさい」とか「女の子なんだから」という言葉は厳禁にしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程に基づき、年間指導計画や月間、週間の指導計画を作成しています。0〜2歳児は、各年齢ごとに指導計画も作成しています。3〜5歳児は、異年齢合同の保育に取り組んでいますので、年齢ごとの指導計画のほかにも、3学年をまとめた異年齢指導計画を作成しています。保育に取り組むときは、子どもたちの理解を促すために言葉だけではなく、絵本や紙芝居などを使用しています。また、活動によってはやりたくないという子どももいますが、その子の気持ちを汲み取り、保育を強制することはありません。その子がやりたくなるまで待つとともに、やりたくなるような環境を作る努力をしています。計画は先月の子どもの姿から計画を見直し、次月につなげています。
 指導計画の見直しは、年間指導計画は期ごとに年4回、月案や週案はそれぞれ月ごとに、週ごとに行っています。前の週や月にやり残したことがあれば、次の週、月につなげています。見直しの会議は、クラス担当の複数の職員で行っています。見直しにあたっては、保護者の要望を盛り込むようにしています。朝夕の送迎時の保護者との会話や連絡ノート、面談を通して保護者の要望を把握します。特に離乳食の進め方やトイレットトレーニングについては、園から保護者に声をかけて、要望を聞くように努めています。
 0、1歳児については緩やかな担当制をとり、子ども一人一人におおよそ担当する職員を決めています。そうすることによって子どもとの愛着関係を結び、食事や排便、着脱などの生活指導を円滑に行っています。0歳児の保育室は、遊ぶ、寝る、食事をするスペースを別々にして個別対応をしています。1、2歳児は、発達によって小さな集団に分けて保育をしています。3〜5歳児の午睡の場所は、保育室ではなく多目的室で行っています。3〜5歳児は異年齢保育を基本としています。5歳児は日常的に2、3歳児の着脱や給食の盛り付けなどのお手伝いをしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  指導計画の見直しは、年間指導計画は期ごとに年4回、月案や週案はそれぞれ月ごとに、週ごとに行っています。前の週や月にやり残したことがあれば、次の週、月につなげています。見直しの会議は、クラス担当の複数の職員で行っています。見直しにあたっては、保護者の要望を盛り込むようにしています。朝夕の送迎時の保護者との会話や連絡ノート、面談を通して保護者の要望を把握します。特に離乳食の進め方やトイレットトレーニングについては、園から保護者に声をかけて、要望を聞くように努めています。
 園は保護者から苦情や要望が表明されたら、迅速に解決する努力をしています。昨年度、保護者から園の玄関先の手すりを鉄棒のようにして遊ぶ子どもがいて、危ないので何とかしてほしいという要望が出ました。そこで園ではこうした危険行為ができないように手すりにネットを張って対応しました。また、園の玄関のドアの開閉について管理が甘いという保護者の意見に応えて、閉めると自動的にドアの鍵がかかるように改良しました。こうした保護者からの苦情や要望は、記録をファイルに残して今後に生かしています。
 安全管理には「地震・災害対策マニュアル」をはじめ、事故や防犯などのマニュアルがあり、職員に周知されています。地震対策上、おもちゃなどを入れる棚やロッカーは高くはありませんが、底をテープで床に貼り付けたり、隣の棚同士をねじでつないだりして倒れないようにしています。東日本大震災以後、室内では上履きを履くようにし、子どもの避難靴は避難袋に入れてすぐに持ち出せるようにしています。消防署、病院など関係機関との連絡体制を作り、保護者とは「緊急メール」で連絡できるようにしています。毎月避難訓練を行い、時には保護者参加の引き取り訓練も加えています。毎年、全職員参加で日本赤十字の指導員による幼児安全救急法の園内研修をしています。
4 地域との交流・連携  園では、地域子育て支援事業に取り組んでいます。地域の実態を把握し、施設開放や交流保育、育児講座を実施しています。また、一時保育室や病後児保育室も併設しています。行事に参加された方にはアンケートで感想を聞き、意見や要望などは職員会議で話し合っています。横浜市南区には、「南区子育てもっとネット」という子育てのための支援組織があり、年に2回、各関係機関が集まり、地域の子育て支援について話し合っています。この会合では、区が策定した保健福祉計画の報告を受けたり、事例検討や研究会を行っています。特に相談事業は実施しているとは公表していませんが、相談に来られる方々にはその都度、職員が対応し保護者の相談に応じています。
 地域の交流や園の事業を広く地域に理解してもらうため、ボランティアを受け入れています。受け入れにあたっては「ボランティア受け入れマニュアル」を整備しています。昨年12月には地元の中学校の職業体験を受け入れました。主任が窓口となり、事前オリエンテーションで園の理念や方針を伝え、子どもと接する際の注意点や守秘義務についての説明を行います。体験終了後は感想文を書いてもらい、実習記録簿として全職員に回覧しています。近隣の方が園舎周辺の草木の手入れをしてくれたり、町内の避難訓練では旗振り誘導のお手伝いをしてくれています。
 当園の周辺には、横浜市睦地域ケアプラザや横浜市南福祉授産所などの事業所があり、日常的に連携が築かれています。必要な関係機関や地域団体の情報を一覧にはしていませんが、職員室の電話前の壁面に医療機関などの情報を掲示し、職員が一目でわかるようにしています。また、区役所やその他の多くの関連機関については、1冊のファイルにしています。関係機関との連携の窓口は園長で、日常的に南区福祉保健センターのこども家庭支援課と連絡を取り合い、必要に応じて横浜市中部地域療育センター、横浜市南部児童相談所、小児科医などとも連携をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  就業規則の服務規程で遵守事項について明文化しています。新人研修では、守るべき法・規範・倫理の説明を行い、職員会議や日常業務の中でも、折に触れて職員の周知を図っています。就業規則や管理運営規程などの規程集は、1冊のファイルにまとめ、職員がいつでも自由に確認できるように職員室に保管しています。園長は、人件費や必要経費について職員会議の中で伝えています。詳細な経営や運営状況の情報については法人のホームページで公開しています。他施設の職員の不適切な事件や虐待などが起きたときは、ミーティングで話し合っています。参加できない職員には「伝達ノート」に新聞記事を添付して、全職員が共有できるように努めています。
 過去に、3〜5歳児の保育形態について、年齢別保育から異年齢の合同保育に変更した経緯があります。その際には、保護者説明会を行い、目的や変更理由などを十分に説明しました。建物の老朽化に伴い、設備や照明などの補修工事が増えています。補修や工事にあたっては、職員や保護者に説明し理解を求めています。当園では、現在は保護者会としての組織がありませんので、保護者からの行事アンケートや意見、要望を大切にしています。保育士が栄養士や看護師とチームとなり、子どもの年齢や技能に合わせた保育内容を検討して、実践しています。常にチームで意見交換、情報交換しながら取り組む姿勢を持っています。
 園長は、事業運営にあたり、南区私立保育園連絡会、南区福祉保健センター、幼稚園・保育園・小学校交流事業などの関係機関と連携しています。それらの会議や法人の理事会などを通して事業に影響のある情報を収集しています。当園の施設は開設以来16年が経過し、園舎の老朽化に伴い、さまざまな個所を修繕しながら使用しています。昨年は壁紙の補修や照明器具の交換など、約10か所の補修や修繕を実施しました。これらは、職員の育成計画とともに中長期計画の重要な課題の一つとしています。今後も法人内での検討を継続し、内容により職員会議で全職員の周知を図り、取り組んでいく予定です。
6 職員の資質向上の促進  園長は常に園の運営に必要な人材が確保されているか意識しています。人材が必要になったときは、ハローワークや人材派遣会社、かながわ保育士・保育所支援センターに登録し、人材確保に努めています。職員は、毎年資質向上に向けた職員個別の目標を定め、達成度の評価を行います。その自己評価をもとに園長・主任と職員面談し、目標の振り返りを行い、次年度に活かしています。個々の職員の育成に取り組んでいますが、職員のキャリアや職位に応じてのキャリアパス(キャリアアップのモデル)の策定までには至っていません。園長は、法人の理事と相談して策定する予定です。
 平成27年度事業計画の中で、保育の質の向上を図るために「保育計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当園の保育内容について評価を行う」と明記されています。園では、技術の向上に向けて、職員の自己評価を毎年行っており、サービス向上のために、他園とも連携し勉強会を開催するなど研鑽しています。保護者より職員の言動に対しての意見があったので、「保育士の所作」について学ぶ機会を設けました。子どもの気持ちを受け止める、語気を強めず優しく語りかける、おとなの都合に合わせず急がせないなど、保育園の職員としての基本姿勢です。園は今後も勉強会の議題として継続していく予定です。
 研修に関する担当は主任が行い、内部研修計画を作成しています。内部研修では、「乳幼児救急法」「熱中症について」「保育士の所作」「汚物処理」「手洗いの講習」などを実施しました。外部研修については希望を募り、最低年に2回以上受講するように指導しています。「歌遊び・リズム遊び」「障害児保育の理解」などの外部研修に参加した職員は、定例の職員会議で研修報告を行います。全職員で研修の成果を共有し、日々の保育に活かす工夫をしています。南区には「保育資源ネットワーク(横浜市が実施している市立保育所を活用した保育資源ネットワークの構築事業)」があり、園も他施設と合同で、実践研修や職員交流研修に積極的に参加しています。

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