かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たかた保育園

対象事業所名 たかた保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 平成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0066
港北区高田西4−35−18 
tel:045-592-3251
設立年月日 1977(昭和52)年09月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は、開所年月日は1977年9月1日ですが、2014年4月1日に民間移管により社会福祉法人平成会の系列園になりました。定員は1歳児から5歳児までの69名(2016年8月現在65名が在籍)です。当園の移管については保護者と何度も話し合い、保護者の意向もできる限り取り入れる方向で進めてきました。そして、現在3年目を迎えています。特別保育は延長保育、障がい児保育、一時保育、地域子育て支援事業などを行っています。
 園は横浜市営地下鉄グリーンラインの高田駅、東山田駅ともに徒歩で約15分ほどのところにあります。最寄りのバス停の倉田屋前からは、徒歩で約8分のところにあります。園の周囲は静かな住宅地で、すぐ近くに緑豊かな公園が2つあります。このような環境の中で子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
食育の取り組みを保育課程、指導計画の中で計画的に取り入れています
 保育課程の中に年齢別の食育への取り組みが掲載されています。そして、各年齢別指導計画に食育のねらいが記載されています。さらに独立した「食育年間計画表」を作成し、各年齢の食育の取り組みを載せています。具体的にはマナー、家庭との連携、あいさつ、食への関心、栽培など食に関する柱を立てて計画し、実践しています。特に栽培活動では、園庭にすいか、オクラ、とうもろこし、きゅうり、ゴーヤなど、近くの畑にはさつま芋など多彩な野菜を育て、1、2歳児は皮むきの作業、3〜5歳児はクッキングなどに活用しています。子どもたちの食育の取り組みについて、保護者へは「栽培便り」「食育便り」を配付してお知らせしています。さらに、給食のサンプルは玄関前に掲示し、あわせて食に関する絵本を数冊用意し、親子ともども食への啓発をしています。

○多彩な地域支援活動が充実しています
 地域支援活動として地域の在宅での子育て家庭を対象に毎月2回の園庭開放、毎週木曜日の育児相談、年4回の交流保育(2歳児と遊ぶ、3歳児と色水遊び、4歳児と運動会ごっこ、5歳児とふれあい遊び)、夏場のプール開放などを行い、園庭開放やプール開放の際は絵本の貸し出しも行っています。このほか乳児食講座、人形劇や和太鼓演奏会などのイベントにもお誘いしています。どの催し物も盛況です。近隣の方々には運動会に招待したり、ベビーステーションをしていることもお知らせしています。近隣小学校とは5歳児は1年生とのふれあい体験や2年生との街探検、4年生とは子どもたちが育てた花を園にもってきてもらう「花いっぱい運動」などの活動があります。なお、高田子育てネットワーク会議において町内会、自治会、地域団体との情報交換を通じて地域支援のあり方を検討して、今後、さらに充実させていくように取り組んでいます。

○多角的な環境整備に取り組んでいます
 横浜市はゴミ減量化やエコ活動に力を入れています。具体的にはヨコハマ3R夢プランを提唱しています。3Rとはリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)のことです。園ではこれを受けて、横浜市資源循環局の協力を得て、コンポストで生ごみをリサイクルする土壌混合法をし、その土をプランターや畑の土に利用しています。このほか、ゴーヤのグリーンカーテン、プランターの花や園庭に一部芝を張るなどして緑化を図っています。さらに、節電、裏紙使用、場所別雑巾の使用(清潔と長持ちを兼ねて)などいろいろな環境整備に取り組んでいます。このような取り組みは保育課程の「社会的責任」という柱で「環境への配慮」を明記し、職員一人一人が自覚して活動しています。

 

《事業者が課題としている点》
 園では、人材育成計画の再検討をして働きやすい職場を目ざし、職員は必要とする研修、希望する研修を受講しています。職員一人一人が保育の仕事に喜びを感じられるようリーダーとともに指導し、研修体制を見直していきます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育理念は、「地域に根差した子どもたちの施設です」となっています。理念は、「保育にあたっては、子どもの人権や主体性を尊重し、子どもの最善の利益のために保護者の方や地域社会と力を合わせ、児童の幸福を積極的に増進し、また地域の子育て支援の役割に努力します」と説明されています。理念は明文化され、保育園のしおり、パンフレット、ホームページに記載されるとともに、園入り口の掲示板など園内3か所に掲示されています。入職時に行う内部研修で、理念、方針、保育目標について説明するとともに、職員会議で定期的に話し合っています。年度末の保育園の自己評価でも理念、目標を再確認しています。
 園内研修では子どもの人権について職員間で話し合い、事例を挙げて検討しています。「たかた保育園での人権保育の取組み」を作成し、基本理念を「自尊感情」「自己表現」「他者受容」「自然や社会へのかかわり」とし、これらを全職員が認識して、子どもの気持ちや発言を受け止めるような保育を行っています。職員が子どもに話しかける口調は「〜しようね」「〜したらいいと思うよ」など、子どもの自主性を大切にしておだやかに声をかけています。職員は子どもの年齢や発達に合わせた言葉づかいを心がけています。動作が遅れてしまう子どもには、「ゆっくりでいいんだよ」と肯定的な声かけをして子どもをせかしたりするようなことはしていません。子どもの呼び名の一覧表があり、職員が勝手に子どもを名づけて呼ぶことは禁止しています。
 園にはマニュアル「男女共同参画社会に向けて」があり、職員に配付しています。職員は日常の生活や遊びの中で子どもに性差を感じさせるようなことをしていないか意識し、例えば家事の役割、仕事の分担について父親・母親の役割を固定的にとらえて子どもに話すことのないように気を付けています。男女を色で区分けしたり、男女別にグループを作ることはしていません。おたのしみ会などの配役は、子どもの意思で決めています。出席簿は五十音順としています。園内研修では、子どもへの気になった言葉づかい、しぐさ、無意識に行う言動などについて話し合っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程は園目標と保育姿勢に連携した一貫性のあるものとなっています。園の利用者には近隣住民が多く、保護者の多くは企業などに勤務し、介護が必要な家族を持つ保護者も多いという特徴があります。保育時間の長短、在所時間の長短、子どもの発達及び家庭の状況に対応するために、延長保育、障がい児保育、一時保育、地域子育て支援事業などの特別保育を実施しています。保育課程は毎年見直し、乳児会議、幼児会議で検討しています。入園時説明会で施設利用重要事項説明書「保育園のしおり」を保護者に渡すとともに、保育課程の内容を保護者にわかりやすいようにやさしくかみ砕いて説明しています。
 園内外とも、清潔に保たれています。清掃マニュアルがあり、園内の保育室、トイレは毎日清掃を行っています。そして、清掃を行った職員が記録を残しています。保育室には温度・湿度計、空気清浄機が設置されています。採光は十分です。1、2歳児の保育室の出入り口の扉は二重式になっていて、外遊び中や食事の後などは換気しています。また、土曜日の清掃では、玄関、窓ガラス、網戸、フィルターなどの清掃を行っています。タオルは毎日、シーツは週に一度、保護者に持ち帰ってもらっています。遊具は定期的にアルコール消毒、水拭き、天日干しをしています。BGMなどの音は流さず、子どもたちは職員の弾くピアノに合わせて歌っています。
 1、2歳児の保育室、3〜5歳児の保育室ともに子どもたちの手の届きやすい棚におもちゃや絵本が置かれています。子どもたちはめいめいに好きな絵本やおもちゃを自由に取り出して遊んでいます。職員は時期を見て絵本やおもちゃを入れ替えるなどして年齢や発達に合わせた環境構成に配慮しています。各保育室には畳やござを敷き、子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。また、キッチンセットを常備し子どもたちはままごと遊びをしています。このほか買いものごっこや乗り物ごっこなどもしています。園庭は園児全員が一斉に出て遊ぶには狭く、思いきり体を使った遊びがしづらいため、年齢ごとに優先時間を設けています。園は1、2歳児、3〜5歳児の縦割り保育を実施し、主として生活場面で縦割り保育を取り入れています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  保育所児童保育要録を小学校に送付しています。決められた様式の個人記録があり、子どもの健康、生活状況や要望が記載されています。成長発達記録は1年ごとに取りまとめ、クラスごとにファイリングされています。子ども一人一人の児童票、健康台帳、保育経過記録は決まった場所に保管され、職員が必要に応じて閲覧、情報共有できるようになっています。記録など個人情報は鍵のかかるキャビネットに保管され、退室時は施錠しています。進級時の保育の引き継ぎ内容は、経過記録に記載されています。進級時に担任が変わる際、新任の職員と担当職員が引き継ぎをする場合には、口頭のみでなく、経過記録の記載内容も参照しています。
 園は特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れ、個別に記録を作成しています。子どもの障がいの内容や、必要な配慮に応じて、専門機関と連携を取り、より良い支援の方向、手立てについて考えています。話し合いの内容に基づいて個別支援計画を見直し、乳児会議、幼児会議で子どもにどのように接していけばよいかを話し合っています。最新の情報や知識は外部研修で得ています。子どもを担当しているクラスの職員が研修を受け、内容は研修報告書にまとめています。その結果を乳児会議、幼児会議で発表して、職員共有の知識としています。情報はファイリングされ、いつでも確認できるようになっています。
 園には事故防止、安全点検、避難訓練計画、自衛消防組織など安全に関するマニュアルが整備されています。職員はこのマニュアルに基づいて活動しています。自衛消防組織では、情報係、連絡誘導係、消火・安全係、応急・救護係など担当を決めて行動することになっています。また、子どもが安全に園生活を過ごせるよう「安全教育計画」を立て、これに基づいて遊具の使い方、交通安全、室内遊びのルールなど各月のテーマを決めて子どもに話をしています。緊急時には職員が保護者に電話連絡をすることになっています。職員は救急救命法の講習を受けています。なお、ピアノは動かないように固定し棚などの備品については地震に備え転倒防止策を講じています。
4 地域との交流・連携  園は「地域の子育て支援の役割に努力する」との理念のもと、毎週木曜日に育児相談を行い、地域のニーズを把握しています。育児相談のご案内は正門横に看板を掲示するほか、「たかた保育園のしおり」にも明記しています。また、地域に向けた定期的な園庭開放やプール開放、交流保育、育児講座などでは、職員が参加者から直接相談を受けることが多いだけでなく、他の地域から引っ越してきた親子には職員から積極的に声をかけたり、参加者を対象にアンケートを実施するなどしてコミュニケーションを図り地域のニーズの掘り起こしに努めています。園長は、民生委員や地域育児教室「赤ちゃん会」などから情報を得るほか、町会の地域機関である「高田子育てネットワーク」のメンバーとして情報交換や虐待防止などの課題検討を行っています。
 園では、毎週木曜日に育児相談を実施しています。育児に関する相談は、一時保育の見学登録の際に職員が受けることも多くあります。園は、園庭開放やプール開放の参加者に園の年間行事予定、交流保育、育児講座のお知らせを配付するほか、地域の子育て支援施設「たかたん」「たんぽぽ」や近隣の幼稚園、高田地域ケアプラザなどにも園の情報を掲載したチラシを置いて情報提供に努めています。今年4月1日には園のホームページを立ち上げ、園のさまざまな情報を発信しています。また、園長は、高田地区ネットワーク会議に参加して園の情報を提供しています。
 子育て支援のニーズについては、「たかた保育園事業計画」を通じ職員会議で全体に周知して話し合いがもたれています。横浜市からの移管の条件として、平成27年11月より一時保育を開始しました。定員は3名ですが、緊急保育も受け付けています。また、園では保護者に休息のための利用を勧めたことで、育児環境の改善につながるなどの成果を上げています。園は、港北区の事業である「ベビーステーション」に登録をしています。月2回の園庭開放では、園を訪れた地域の親子に絵本の貸し出しを行い、交流保育では2歳児から5歳児まで年齢ごとに「色水遊び」「運動会ごっこ」など年齢に合わせた活動を実施しています。園で実施している1、2歳児向けの食育講座、和太鼓演奏会や人形劇は地域の人たちも楽しみにしている講座です。
5 運営上の透明性の確保と継続性  クラスリーダー、園長は保育日誌の自己評価を常に確認し、必要に応じて職員にアドバイスしています。そこで得られた課題に対し乳児会議、幼児会議、さらに職員会議での検討課題とし改善に取り組んでいます。園としての自己評価では、保育理念・保育方針の確認をしたうえで自己評価を行っています。同時に保護者に対し横浜市の保育所自己評価の書式を応用したアンケート調査を実施し、その結果とあわせた評価結果を全職員と法人、各家庭に文書で配付し公表しています。
 園の社会的責任については、保育課程の中で適切な運営、人権尊重、説明責任、個人情報保護、苦情解決、地域ネットワーク、環境整備について明文化されています。これに基づき「たかた保育園職員の心得」や「全国保育士会倫理綱領」によって職員が守るべき規範、倫理が明文化されています。園長は職員の入職時にこれらを配付し説明しています。また、苦情解決マニュアルにより、保護者からの苦情に対してはていねいに対応しています。園の経営状況については、決算報告を園のホームページに公開しています。また他園で発生したアレルギーの事故などに関する情報が横浜市から得られた際には、職員会議や乳児会議、幼児会議で議題として取り上げ注意を喚起しています。園長はリスクマネジメントの研修を受け法令順守に努めています。
 法人では「社会福祉法人平成会 長期・中期計画」を策定し、「発展的な施設運営」「人材育成」「長期的な資金計画」による「子どもも保護者も職員も満足できる園」づくり、そして「地域ニーズに即したサービスの展開」として「社会福祉法人としての地域貢献」「地域の子育て拠点となる施設運営」による地域に根差したトータルサービスの構築を目ざしています。それに向けて積極的な研修参加による次世代の人材育成や園長のOJTによる将来の園長育成、時代や新制度に即した施設運営に向けた保育時間や一時保育など地域ニーズの収集と分析に法人本部とともに取り組んでいます。また、法人の理事が近隣保育園の園長であることから常に外部からの第三者的な意見を得ることができます。法人では経理に関し、専門の会計士の意見を取り入れています。
6 職員の資質向上の促進  園の運営に必要な人材、欠員の補充については、雇用状況と現状をふまえ系列の法人での採用や人事異動により配属しています。職員は年度ごとに自己目標シートで自己の目標を立て、半期ごとに目標に対する取り組みやその成果・結果について自己評価を行い、園長と面談し振り返りをしています。園長は職員に対して、面談を通じて半期の取り組みを評価し、さらに資質向上に向けた課題や期待について伝えるとともに日々の保育につなげられるよう指導しています。
 毎年、年度末に年間指導計画、月間指導計画、異年齢クラス指導計画の自己評価欄に保育の実践の自己評価と保護者アンケートの結果を保育園の自己評価として記入しています。この内容は、職員には職員会議で文書を配付し一つ一つ検証し、各家庭にも文書を配付してお知らせしています。また、この結果をもとに年度末の会議で課題を提示し、乳児会議、幼児会議、給食会議などで次年度へ向けた検討を行っています。園では園内研修や事例をもとに検討会を行い、知識や技術の共有、取り組みの工夫を行っています。職員の日常業務に関して、職員の負担がやや大きいという職員アンケートの結果に対し、業務改善のチームが立ち上がるなど意識の高さが見られます。
 法人の中長期計画に「長期的な視野を持ち、後継者の育成を図り、職員の向上心を引き出すキャリアアップ制度の構築」とうたわれています。この観点から、現在検討中の人事考課表では、経験年数に応じた習熟度や役割の水準を明示しています。保育の現場では、まずリーダーの判断、そこで解決できないことは主任の判断、最終的には園長が責任を負う形で権限を委譲し責任を明確にしています。園長は、「自己目標シート」をもとに半期ごとに職員との面談を実施し、そこでは評価を伝えるだけでなく、職員一人一人の思いや要望、提案も聞いています。職員アンケートの結果から職員が業務改善委員会を立ち上げ改善に取り組んでいます。

詳細評価(PDF487KB)へリンク