かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

かのん保育園(2回目受審)

対象事業所名 かのん保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 みどり会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0043
金沢区大川7-20 
tel:045-790-3656
設立年月日 2005(平成17)年07月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

 《施設の概要》
 当園は社会福祉法人みどり会の系列園です。開所は平成17年7月1日で12年目に入りました。京浜急行の金沢文庫駅からバスで10分ほどのところにあります。園を取り巻く一角は南フランスをイメージしたマンション群で約1800世帯の高層住宅棟が立ち並んでいて、そのイメージに合わせた園舎になっています。
 特別保育は産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。そして、モンテッソーリ教育やヨコミネ式の運動などを基軸とした保育を展開しています。
 定員は90名(平成28年9月現在98名在籍)です。静かな環境の中で、子どもたちはのびのびと過ごしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○モンテッソーリ教育や専門講師によるプログラムを導入しています
 当園は、「子どもの成長したい」「一人でできるようになりたい」という内的要求に応えるよう、モンテッソーリ理論に基づいた保育を導入しています。具体的には、「日常生活の練習」「感覚」「数字」「言語」「文化」の5つの分野を教具を使いながら体系的に実践しています。
 また、外部の専門講師による種々の活動を行っています。具体的には体操指導(3〜5歳児月2回)、ヨコミネ式の運動(3〜5歳児月2回)、英語(4、5歳児月3回)、音楽(3〜5歳児週1回)、茶道(表千家、5歳児月2回)などです。
 こういった多彩な活動を、子どもたちは経験しながら成長しています。職員は子どもたちを見守りながら支援するとともに専門講師の指導を吸収しています。

○地域支援活動が充実しています
 毎週金曜日は園庭開放を実施しています。園庭開放に来た親子から、乳児主任の職員や地域支援担当の職員が育児相談を受けたり、いろいろな要望を把握するようにしています。また、園庭での遊びにとどまらず、室内でもリトミックやわらべ歌、ベビーマッサージなどを行い喜ばれています。このほか地域の方々に、夏祭りや運動会、人形劇、講演会への参加を呼びかけています。地域の催しの際には、園の所有しているかき氷機、綿菓子機、餅つきの道具などを貸し出しています。さらには、園の駐車場も要請があれば使用してもらっています。
 5歳児は毎月カレンダーを作り、近隣のデイサービスセンターを訪問して、高齢者に渡して喜ばれています。そのほか、年度末には職員が工夫して「お楽しみ会」を開催し、地域の方を招いて楽しく過ごしています。

○職員どうしのコミュニケーションが良く、スムーズな保育運営ができています
 当園は3〜5歳児の縦割り保育を実施しています。「うさぎグループ」と「きりんグループ」の二つに分かれて行っています。また、保育の内容によっては年齢別保育も導入しています。3〜5歳児の担任はそれぞれいますが、縦割りの際は3〜5歳児の子ども全体を見ながら保育をしています。従って年齢別の担任とは違う職員の連携が要求されます。職員たちはミーティングや職員会議を通してより連携を図るのはどうしたらよいか検討しています。そしてお互いに声を掛け合って保育を進めています。職員アンケートを見ますと、職員間の雰囲気がとても良く、担任だけでなくパートの職員も多くいて手厚い、といったことなどが記載されています。職員どうしのコミュニケーションの良さが伝わるとともに、園長、主任をはじめ職員が一体となって保育を進めていることがわかります。

 

《事業者が課題としている点》
 ホームページのリニューアル後は、在園児の保護者へ向けての情報とともに、地域の育児支援につながるようなコンテンツを作成して発信していくことを検討しています。
 施設設備の修繕やメンテナンスの検討を進めるなかで、保育上使いづらい設備については、主任やチーフと話し合いながら見直し、抜本的な入れ替えを含めて保育環境を整備していきたいと考えています。
 子どもの最善の利益や保護者への支援をより充実させるため、また、保育園利用に際しての理解をより深めるために、カウンセリング技術向上の研修やプログラムをより拡充させて取り組みたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

  「子どもに接する時の大人の心得」という文書に、必要としているときにかかわる、良いところを見つける、悪口を言わないなど10項目が記載されています。また、子どもの最善の利益、発達保障、プライバシー保護など8項目からなる「全国保育士会倫理綱領」も用意されています。職員はこれらを通して、職員会議や職員研修を通して、子どもの人格尊重の意識を高めています。トラブルの多い子どもに対しては、職員が一人で抱え込んで情緒不安定にならないように、複数の職員が見守る態勢をとっています。なお、子どもに対する言葉がきつくなっていると感じられる職員には、園長や主任が注意するようにしています。
 事務室には子ども用の机と椅子が置いてあり、情緒不安定な子どもがいた場合に、本人の要望や保育の状況によっては事務室で一人で過ごします。その際、園長や看護師、主任などが温かく見守り、子どもがそこでゆったり過ごせるようにしています。保育室内では一人ないし少人数で過ごしたい場合は、パーテーションを利用して狭い空間を作っています。子どもがトラブルなどで興奮しすぎた場合は、クールダウンをするための空間(和室、園文庫のスペース)があります。そこでほかの子どもに見られないで担任とじっくり話し合うことができます。なお、おもらしをしてしまったり、午睡時のおねしょなどの場合は、職員がほかの子どもにわからないようにさりげなく処理をしています。
 法人作成の「保育園業務マニュアル」の中に、男女共同参画社会の項目があり、そこには、性別にとらわれず個性を尊重し、子どもの可能性を伸ばす保育を行うというテーマで具体的に記載されており、当園を含む系列園では、子どもの性別に関係なく保育を行うことが当然となっています。具体的には、グループごとの当番活動(掃除当番、ベッド当番、乳児当番、うさぎ当番)は男女関係なく役割を担っています。また、クッキングや掃除なども男女いっしょに行っています。保護者の一日保育士体験も母親、父親が自由に来ており、保護者も固定化した役割意識をもっていません。万が一職員が性差による保育を行うことがあれば、クラス会議や職員会議で話し合うようにします。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供   各年齢の指導計画のほかに、3〜5歳児の縦割り保育用の年間指導計画も作成しています。当園は、年齢別の保育のほかに1、2歳児と3〜5歳児の縦割り保育も実施しています。これらの指導計画を作成し、実践していますが、ときには子どものつぶやきや要望なども妥当であれば柔軟に組み込んでいます。具体的には、子どもたちが雲や花を見て、「きれいだなあ」と歓声をあげていたときにその気持ちを大切に考え、近所から花を買ってきてプランターで育てたり、運動会や敬老会での出し物を子どもたちが話し合って決めたりしています。子どもが自主的・主体的に動けるよう職員が環境を整えてあげることで、子どもの意見や意思を大切にしています。
 年齢、月齢に見合ったおもちゃを用意しています。園の特徴でもある子どもたちの五感を豊かに発達させるモンテッソーリ教具などを、自由に取り出しやすいように用意しています。教具は、乳児がハイハイの姿勢、つかまリ立ちの姿勢でも自由に手にすることができるように置かれています。教具のある棚の角はゴムカバーで覆い、子どもたちの安全に配慮しています。園庭では子どもが興味を持った遊びの道具を職員が提供しています。0〜2歳児は部屋の中に独立した活動の場所があります。3〜5歳児は活動内容によって敷物、机、パーテーションを使ってコーナーを作り、落ち着いて遊びこめる環境を作っています。子どもたちが自分で選択した遊びを持続できるように、職員は無理に活動を終わらせたりせず、子どもが落ち着いて遊びこめる時間や機会を十分確保しています。
 子どもの発育、発達状況に合わせて体を動かしたり、歌う、踊る、絵を描くなどして、自分の気持ちを自由に表現できるように配慮をしています。リトミックの時間では音楽に合わせ全身を使い表現を楽しんでいます。毎月テーマを決めて絵画、製作の時間があり、季節や行事にかかわるものを手先を使って作っています。子どもたちが自由に表現遊びをするために、折り紙、チラシ、のり、はさみ、粘土を設置して自由に使えるようにし、必要に応じて子どもたちが必要なものを職員が提供しています。クラスの活動でも歌の時間を設けるなどして表現をすることを大切にしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  年間指導計画のもとに毎月、月案を作成しますが、その際、子どもの状況、発達、健康面などについて勘案します。具体的には毎週のクラス会議で意見を出し合い週の評価・反省を行っています。そして、第3週目のクラス会議の結果、担当者が次月の指導計画を作成します。その月案は乳児主任、幼児主任がそれぞれチェックし、最終的に園長が目を通します。なお、子どもの育ちや保育環境についての保護者の要望や意見については、連絡帳への書き込みや随時参加できる「一日保育士体験(保育参加)」の際のアンケート、さらに、日々の送迎時のやり取りなどさまざまな機会で吸い上げ、参考にしています。
 園内には、車いす対応の多機能トイレやエレベーターを設置し、障がいのある子どものための環境を整備しています。また、いろいろな障がいのある子どもの対応を円滑に進めるために横浜市南部地域療育センターとの連携体制を整えています。障がいのある子どもが入園してきた場合は、地域療育センターや保護者との連携を図るとともに「特別支援児個人日誌」をつけて、ケース会議で成長や発達、対応について職員間で話し合うようにしています。また、ほかの子どもたちとも日常的に触れ合うことでともに成長するような統合保育を実施しています。さらに重い障がいのある子どもに対しては「保健資料ファイル」を作成しています。この保健資料ファイルは看護師が作成しています。
 「事故対応マニュアル」「災害対策マニュアル」があり職員に周知しています。家具、ピアノには転倒防止策を施しています。かのん保育園ガイドの「非常事態発生時のお願い」の項目に、さまざまな災害に対する園での対応、引き取り訓練、避難場所についての記載があります。災害時の職員の分担が決められ、毎月の避難訓練がさまざまな想定で行われています。職員は消防士による消火訓練、毎年の消防署の指導による救急救命法の研修を全員が受けています。マニュアルは随時更新して、職員会議、研修で内容を確認し周知しています。9月1日は保護者の引き取り訓練を行い、非常食をおやつにして備蓄食の入れ替えをしています。
4 地域との交流・連携   園庭開放日の記録ノートや園行事などでのアンケートなどをもとに、地域子育て支援担当者や乳児リーダーが中心となり、地域の子育て支援ニーズについて毎日の「5分会議」や週1回のクラス会議、月1回の職員会議などで報告と話し合いをしています。地域の子育て支援サービスとして、一時保育や毎週金曜日の園庭開放(夏季はプール開放)と室内遊び、ベビーマッサージなどの育児講座などを行っています。また、夏祭り、運動会、人形劇、年度末のお楽しみ会(手遊び、歌、紙芝居、マジックショー、リズム楽器体験)などの園行事に地域の未就園児親子を招待して、園児とともに交流しています。年2回の外部講師による育児講演会にも地域の方々の参加を募っています。
 育児相談の内容によっては園だけで解決できないこともありますので、事務室に医療機関の電話一覧や金沢区の福祉保健センター、横浜市こども青少年局、横浜市南部地域療育センター、横浜市南部児童相談所などの関係機関、団体のファイルを置き、速やかに連絡が取れるようにしています。また、これは全職員に周知しています。関係機関との連絡は園長と主任(事務主任、乳児主任、幼児主任の3名)が担当しています。園長と主任は関係機関の担当者から情報を受けたり、相談したり、巡回訪問を受けたりして日常的な連携ができています。
 法人系列の3保育園では、在園児だけでなく、地域の子育て家庭への支援も園の重要な役割と考えており、系列3園共同で1名の専任の担当者を置き、地域子育て支援事業に取り組んでいます。園は園庭開放や育児講座、園の行事の参加者、一時保育の利用者などに不定期にアンケートの記入をお願いしたり、話を聞いたりして園に対する子育て支援の要望の把握に努めています。毎週金曜日の園庭開放の日には室内遊びもあり、乳児担当の主任も参加して育児相談に応じて、要望を収集しています。園長は金沢区の園長会や系列園園長会議などで情報交換をしたり、専任担当者は金沢区子育て支援拠点「とことこ」などを通じて地域のニーズを入手したりしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性   職員の自己評価や保育の月案、週案、日誌などの自己評価の結果を基に、各クラス会議や職員会議で話し合っています。話し合いの中から「情報が全員で共有できていない」という課題が明らかとなり、検討の結果、子どもの午睡時間中に全職員で「5分会議」を行うこととし、連絡事項の伝達を徹底した結果、情報の共有ができ、コミュニケーションも改善した例があります。保育の自己評価などを踏まえて、園長と3人の主任で園の理念、目標に沿った園の自己評価を作成しています。園の自己評価は玄関に掲示し、保護者や来園者に公開しています。
 環境への考え方を「かのん保育園の環境への取り組み」に文書化して、環境委員の職員を中心に環境保全に取り組んでいます。牛乳パックやペットボトル、段ボールを製作素材にしたり、ごみを分別管理したり、広告紙や不要な個人情報のない使用済みコピー紙の裏をメモ用紙などにしたり、おもちゃを補修して大事に使ったり、乳児保育で布おむつを使用したり、家庭で不要となったおもちゃなどを引き取り、清潔にして再使用したり、3R(Reduce:減らす、Reuse:繰り返し使う、Recycle:再資源化する)に努めています。また、園周辺に季節の花や植物を園児が育てたり、エアコンの室温設定をこまめに調節したり、夏はプールの水で園庭に打ち水したり、園庭にオーニング(屋根)やテントで日影を作ったりして緑化や省エネルギーの推進を図っています。
 「中長期の視点から目ざすべき内容」として「かのん保育園の今後の保育ビジョン」を作成しています。園は「変化する社会状況や地域の要望を踏まえて、今後とも園を含めた地域における子育て支援を担っていく必要がある」として、多様なニーズに対応した保育業務、地域の子育て支援、研修、健康・安全、保育士の確保などの項目で対策を述べています。人材育成につながる資格取得研修などへの園の時間的、経済的支援など、新たなしくみを常に考えています。次代の園の運営に備え、園長を補佐する事務、乳児、幼児担当の3人の主任のもと、人材育成計画に沿った後継者育成を図っています。園の運営に関して、税理士や社会保険労務士の指導、意見を取り入れています。
6 職員の資質向上の促進   園長は園の運営に必要な人材が確保されているか常にチェックし、採用や人材育成の計画を立てています。定期または随時系列3園合同で人材募集をし、全園長同席で面談をし、本人と園双方に適切な園に配属を決めています。園の理念、目標を踏まえた人材を育成するために、職員ごとに人材育成計画を作成しています。年度初めに園長と主任は非常勤を含む全職員と面談を行い、キャリアパス(ある職位に必要な経験・能力)を渡して、資質向上に向けた目標と実施計画を話し合っています。年末にかけて全職員から意向調査票の提出を受け、園長と面談し、翌年度の勤務の希望とともに職員の業務の振り返りや目標の達成状況、反省点を確認して次につなげています。
 職員の研修希望や人材育成計画などから、園長と乳児、幼児両主任で研修計画を作成しています。毎月園行事で出席する職員の多い土曜日の午後に内部研修を行い、職員は全員受講し、非常勤職員も希望があれば受講できます。受講できない場合でも、研修記録を回覧したり、研修資料を渡すなどしてフォローしています。横浜市こども青少年局や大学などの外部研修に積極的に申し込み、参加したり、系列園と交流したりして保育の質の向上に努めています。外部研修受講者は外部研修報告書を作成し、月1回の内部研修前に研修報告をして研修成果の職員間の共有を図っています。園長と主任は研修成果を評価、見直しをして次の研修につなげています。
 非常勤を含む全職員が4月の目標設定時から8、12、3月の年4回、定型化された自己評価表の各項目を自己評価し、期首目標の達成度を振り返り、反省を記入し、自己の資質向上につなげていくしくみがあります。また、保育所の自己評価は年度末に園長と3主任が協議して行っています。東京や地方のモンテッソーリ教育の実施園を積極的に見学に行き、写真などで報告勉強会を開き、良い事例は園の環境に合わせて保育に取り入れる努力をしています。横浜市南部地域療育センターから年2回の巡回訪問があり、配慮を必要とする子どもの保育評価、指導を受けており、また月2回ヨコミネ式の体育指導コンサルタントから職員は指導を受けています。

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