かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たちばな保育園

対象事業所名 たちばな保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 妙常会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 243 - 0412
海老名市浜田町23-14
tel:046-231-5831
設立年月日 1967年06月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 昭和42年に妙常寺を母体として社会福祉法人妙常会 たちばな保育園は誕生しました。開園時は定員60名でしたが年々増加し、昭和54年には120名定員となりました。妙常寺を中心にして、周囲に当保育園の他「旭たちばな幼稚園」「たちばなクリニック」と駐車場も用意され、地域の育児センターとして活動しています。 
 毎週土曜日には広い庭園を地域に開放する他、毎月1回「園遊会」が開催され、地域の親子の交流の場を提供し、地域に根付いた活動を繰り広げています。園の保育指針として「慈しみの心を育み、安穏ある社会を目指す」「つよい身体とつよい心」を掲げています。国際的に認められているモンテッソーリ教育(子どもの自立心と自律心を養い、知的好奇心を伸ばし、お友達を想いやる気持ちを育む保育)を導入した保育に全力を注いでいます。保護者の方に、入園前見学や入園後の日中の様子を見てもらい、園の特長を理解してもらっています。


<特によいと思う点>
1. モンテッソーリ教育を導入して、子どもの自立心と自律心を養っています
 子どもの尊厳を常に尊重するモンテッソーリ教育を導入しています。職員は子どもの要求を汲み取り、自由を保障し、子どもの自発的な活動を援助する側に徹した保育を行っています。
 年間を通じてクラスは縦割りで保育を行い、異年齢の園児が日常的な交流からお互いが刺激を受け、それぞれに思いやる気持ちも育まれています。登園してから外遊びを終えた後に、およそ1時間を活動の時間としています。賑やかだった園庭や園舎の中は静まりかえり、どの子も活動に集中しています。この活動は保育方針の具体的活動としてとても重要な役割を果たしています。
2. 保護者の連携を大切にして保育を行い、子どもが達成感を得られる取り組みをしています
 「園だよりピッピ」「クラスだより」「行事だより」などに写真も添えて、子どもたちの様子をこまめに発信して、保護者との連携を大切にしています。特に「園だよりピッピ」は園長が自ら企画・執筆し、年度始めには、保護者の不安を少しでも和らげるため、頻繁に発行しています。また、大切な食に関しても保護者の意向も聞いています。3歳児以上はビュッフェスタイルを取り入れ、自分で食べられる量を盛り付け、お茶やスープをお盆に載せて自分で席まで運びます。食に関する意識を高め、主体的に行動し、完食の達成感も得られる取り組みとなっています。
3. 時間ごとのデータで保育士と園児との整合性を取り、限度内の園児受け入れを行っています
 「保育士配置表」を園独自で開発して、園児と保育士との整合を取っています。園児の受け入れ時間、退室時間を10分単位で把握しています。これに対して、保育士の出勤時間、時間別保育士の在籍、退園時間を10分毎に管理し、受け入れ態勢を一覧にしています。
 これにより、10分単位で必要な人材や人員体制を把握しています。この表は、効率的な運営だけでなく、待機児童を抱えている現状で、園が引き受けられる人員の限界もデータで明確にして、保護者も職員も納得する管理表となっています。


<さらなる改善が望まれる点>
1. 教育の進め方などの各種マニュアルの再点検が期待されます
 平成28年4月から、0歳〜2歳児のクラスを、3歳〜5歳と同様、異年齢混合クラスに変更しました。現行のマニュアルについては、職員からも自ら参加して見直しをしたいとの意向もあります。新しい保育体制に即した全面的なマニュアルの見直しが期待されます。また、マニュアル類は、必要な時に、いつでも容易に閲覧できる仕組みも必要となります。マニュアルの体系を明らかにして、保育の現場で必要なマニュアルは保育室内にも配置するなど検討されることを期待します。
2. 保護者の満足度把握の手段検討が期待されます
 「園だよりピッピ」「クラスだより」「行事だより」などで、子どもたちの様子をこまめに発信しています。しかし、保護者からの満足度、意見や要望を収集する機会が少ない状況です。保護者が意見や要望を伝えやすくする雰囲気や環境を作り、保護者の声を汲み取ることが期待されます。保護者への簡潔なアンケートなどを定期的に行い、保護者の満足度などを継続的に把握・分析して、保育運営に反映することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもの尊厳を常に尊重する教育を導入しています。職員は子どもの要求を汲み取り、自由を保障し、子どもの自発的な活動を援助する側に徹することを基本とした保育活動を行っています。この教育の共通の理解を深めるために月に2回職員の研修を行い、子ども一人ひとりの意思を尊重し、発達年齢に見合った、統一された保育支援が行われるように努めています。

 
虐待防止の対応として登園時や衣服着脱時の視診、また、連絡ノートによる食事や睡眠の確認など日ごろから注意をしており、気になる点は保護者に確認を取っています。職員は海老名市の虐待防止の研修を毎年受講し、都度、全職員にフィードバックしています。


入園時に配布する「園のしおり」で個人情報取り扱いについて詳しく説明し、園の情報掲載の許可について保護者の同意書で確認をしています。また、保護者向けのホームページを開くにはパスワードを設置しています。「個人情報保護規程」を作成しており、職員・ボランティア・実習生など園関係者からは機密保持の誓約書を取り交わし、子どもや保護者のプライバシー保護の取り組みを行っています。 多岐にわたるプライバシー保護に必要な配慮を明確に示すマニュアルの作成が望まれます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

「園だよりピッピ」「クラスだより」「行事だより」などに活動内容の写真も掲載した子どもたちの様子をこまめに発信しており、その都度保護者からの感想も寄せられ、意向などを把握しています。しかし、利用者満足度を把握・サービス向上に繋がる仕組みは整備されていません。今後は定期的なアンケートなどの実施で園の満足度を集約・分析して改善につなげる仕組みが期待されます。


縦割り保育は年間を通して行っています。園庭での遊びや室内活動など園での日常的な交流からお互いが刺激を受け、それぞれに思いやる気持ちも自然に育まれています。人格形成の基本となる大切な乳幼児期に子ども自身が持っている命の力、自ら成長しようとする力を最も重要とした保育活動に取り組んでいます。
登園時の視診チェックや連絡ノートで子どもの体調や家庭での様子など保護者に確認を取っています。保護者からの連絡事項は記録に残し、各クラスに伝え、経過観察しながら保育支援をしています。基本的な生活習慣の自立は、家庭と連携しながら一人ひとりの発達状態に合わせた支援を行っています。降園時にはその日の子どもの様子を保護者に口頭で伝えています。


旬の食材を使い、素材本来の味を引き立てるために薄味に調理しています。3歳児以上の園児はビュッフェスタイルを取り入れ、自分で食べられる量をトングでよそい、お茶やスープをお盆に載せて席まで運びます。この一連の行動は、食に関する意識を高め、注意しながら主体的に行動し、完食の達成感も得られる取り組みとしています。アレルギー児の対応は、医師の指示書に従い、クラス担当、給食担当の複数の目で確認し、色分したトレイで配膳するなど安全確認を徹底しています。


病気やけがを防ぐために手洗いやうがいの必要性を集りの会や紙芝居でわかりやすく説明しています。玄関には、熱のある子ども、下痢、咳、途中で帰宅などクラスごとに欠席している子どもの様子を掲示しています。また「園だよりピッピ」・「クラスだより」に感染症の症状や予防などの最新情報を伝え、保護者や職員に注意喚起しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

社会福祉法人妙常会ホームページに園の情報を提供しています。見学時には「保育所のしおり」写真も満載したパンフレット「夢いっぱい」「たちばなっ子の園生活」を配付しています。入園時には説明会を開催、在園期間中常に手元に置いていただくことを前提にした「園のしおり」を配付しています。他に入園願書と緊急連絡先カードを兼ねた「生活調査票」、「お子さんについておたずねします」、「食品摂取の進みとアレルギーに関するお尋ね」「災害緊急時のお迎え」「個人情報の取扱いについて」などの同意確認を行っています。


保育課程に基づき、クラス担任が、指導計画を作成しています。0〜2歳児は、個人表を作成して保育を行っています。計画に従ってサービスが行われている確認は昼に行うショート会議、クラス会議で行います。保育課程に基づき、クラス別に月間、週日指導計画、日誌を作成しています。指導計画は子どもたちの自主性や主体性が発揮できるように職員が配慮して作成しています。食育計画には看護師、栄養士などが中心となりクラス担任との意見も参考に計画をたて、実施しています。


子どもの基本的な状況は「個人記録」とモンテッソーリ教育(M活動)の「M活動の記録」に記載しています。「個人記録」には健康、人間関係、環境、言葉、表現、食育の6項目、「M活動の記録」には日常生活の練習、感覚教育、言語教育、数教育に区分して、子ども一人ずつのカルテとし、日々の記録になっています。子どもに関する情報は「生活調査票」に個別に記録され、個人の健康状態、成長の様子などは発達過程に添って記録しています。「災害・避難・防災・防犯マニュアル」を用意して、毎月防災訓練を実施しています。
苦情受付窓口や意見箱などを玄関に掲示し、いつでも意見・要望・苦情・相談などに答える体制を整えています。日常の送迎時には保護者と直接話すことを心がけ、保護者の表情から話しやすい言葉かけに配慮するなど細やかな対応に努めています。口頭での対応が難しい時には、連絡ノートを使うなど、家庭と園で育つ子どもたちの情報共有を行っています。

4 地域との交流・連携

地域社会に向けて開かれた保育園になるよう、情報を開示しています。年3回「園遊会」と名付けたチラシを作成し、各種行事の開催を通知しています。公表された行事は、保育園を会場に毎月開催され、幅広い参加を募っています。このチラシには、保育園の教育の状況もPRするページもあります。


保育園の機能を活用して、地域への提供としては、毎週土曜日に園庭の開放、地域高齢者施設の方々をご招待して交流を図る「お遊戯会」、「子育て支援ベビーマザーコース」研修などを開催しています。


日本モンテッソーリ協会全国大会(学会)に参加しています。今年度は9月末からは妙常寺講堂での教育研修が開催され、全国から参加者が集まる予定となっています。広い施設を資源として活用し教育普及にも貢献しています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育指針として「慈しみの心を育み、安穏ある社会を目指す」「つよい身体とつよい心を持つ子どもになろう」と掲げ、「つよい心」とは、・最後までやり通す心と身体・楽しみ、苦しみを分かりあえる心・楽しいものに感動する心」と掲げて、園のしおりにも明記しています。平成16年から、年齢(発達段階)に応じてのモンテッソーリ教育を導入し、子どもの自立心と自律心を養い、知的好奇心を伸ばし、友達を思いやる気持ちを育むことに全力を注いでいます。


園の中長期計画として、平成16年から年齢(発達段階)に応じた教育方法を導入しました。この計画が保育士の成長にも大きな効果をもたらし、ここで育った人材を有効活用して待機児童問題の解決に向けても、努力しています。


川崎市公立保育園の民間移管の計画を進めています。平成28年10月の川崎市立橘保育園、平成29年10月川崎市立上作延保育園の運営を引き受ける予定となっており準備を進めています。

6 職員の資質向上の促進

「保育士配置表」を園独自で開発、保育士の出勤時間、時間別保育士の在籍、退園時間を10分毎に予測し受け入れ態勢を一覧表にして作成します。これに対して、園児の受け入れ時間、退室時間を10分単位で把握しています。これにより、10分単位で必要な人材や人員体制が公表されています。この表は、効率的な運営だけでなく、待機児童を抱えている現状で、当園が引き受けられる人員の限界もデータで明確にして、職員にも納得してもらえています。


社会福祉法人妙常会として、関係3施設の「就職案内ガイドブック」を作成して、保育方針、働く時間と休暇、モンテッソーリ教育研修、給与体系を明確にしています。


園長は、職員と年3回面接を行い、目標設定、振り返り、次年度目標設定を指導し、人事考課を行っています。園長による保育評価によって点数化し、例年賞与3回合計7〜9ヵ月分支給を実現しています。またモンテッソーリ免許取得者特別手当を支給し、その目指す保育の実践を促しています。これが、これから資格取得を目指す職員の研修への意欲を促しています。

 

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