かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

金沢ふたば保育園(2回目受審)

対象事業所名 金沢ふたば保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 黎明会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0051
金沢区富岡東2-1-14 
tel:045-771-4102
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
  金沢ふたば保育園は、横浜新都市交通シーサイドライン南部市場駅から歩いて2分の所にあります。園は福祉関連施設が並ぶ地区にあり周囲に民家はほとんどありませんが、南部市場や富岡総合公園が近く、子どもたちは市場で働く人々や豊かな自然と触れ合うことができます。
 金沢ふたば保育園は、平成15年(2003年)4月に、社会福祉法人黎明会によって開設されました。同じ金沢区内に姉妹園として学校法人が運営する幼稚園があります。
 園舎は鉄筋コンクリート造2階建てで、1階ホールが吹き抜けとなっていて、広々として明るいです。2階には広いベランダがあり、夏には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。園庭は全面芝生で、子どもたちが裸足で遊ぶことができます。
 定員は90名(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月〜金)は7:00〜20:00、土曜日は7:00〜18:30です。
 保育理念は「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指します」、保育方針は「21世紀を担う子どもたちが明るく心豊かに育つ保育を行います」、保育目標として「明るく元気な伸び伸びとした子ども」「自然に親しむ感性豊かな子ども」「一人ひとりに添った保育」です。

 

◆高く評価できる点
1、様々な経験を積み重ね、子どもたちはのびのびと園生活を楽しみ、成長しています
 園では、様々な経験を積み重ねていくことで、一人一人の子どもたちが興味や関心の幅を広げ、意欲を持って取り組めるように支援しています。
 乳児は、一対一の関わりを大切に、小さな集団の中で個々のリズムに沿った生活ができるように働きかけています。0・1歳児は、食事や睡眠などの生活面は1人から3人の小さなグループに分け、保育士がその子どもの成長に合わせて個別にきめ細かく支援しています。保育士にたくさん話しかけてもらい、スキンシップをたくさん取ってもらっているので、子どもたちは自分を素直に表現し、落ち着いて園生活を過ごしています。
 幼児は、多種多様な遊具が用意され、落ち着いて遊び込めるようコーナーなどの環境設定がされています。その日に使うことができる玩具等と使うことができない玩具等の写真を掲示して子どもに知らせ、子どもが主体的に選べるようにしています。一人で集中して指先を用いる遊びをする子ども、友だちと話し合いながらごっこ遊びをする子ども、友達と協力してブロックの大きな作品を作る子どもなど、子どもたちは思い思いに好きな遊びに集中して取り組んでいます。
 また、晴れていれば毎日、園庭や散歩先の富岡総合公園で思いっきり身体を動かし、季節の自然に触れています。子どもたちは身体を動かすことが大好きで、リズムやダンスなどで身体全体を使って自己表現しています。
 個々に合わせた保育としては、習熟度別プールや箸やはさみの指導などがあります。2歳児クラスから開始する習熟度別プールでは、3歳児クラスになると子ども自身が5段階あるコースから自分が参加したいコースを選び、自分で定めた目標に向けてそれぞれのペースで頑張ります。
 このように、子どもたちはのびのびと園生活を楽しみ、様々な経験を通して多くのことを学んでいます。

2、保育士は理念を共有し、「子ども一人一人を大切にした保育」を実践しています
 保育士は、職員会議などで理念の確認をし、方向性を共有して保育にあたっています。クラスで話し合い日々の保育を振り返るとともに、年度末には理念や「子どもの最善の利益」についての項目がある園独自の自己評価表を用い自身の保育が理念に沿っているかを確認しています。
 保育士は、子どもの言葉に耳を傾けて一人一人の子どもの思いを確認し、個別支援会議などで方向性を共有し、それぞれの子どもがその子らしさを発揮できるように支援しています。幼児になると子ども同士の話し合いでその日の活動や行事の演目を決めたりしていますが、保育士はあまり発言しない子どもの思いを拾って口添えし、子どもたちが人は皆違う意見を持っていることや人の意見を聞く大切さを理解できるように働きかけています。
 保育士は話し合いの中で子どもの最善の利益になると判断すれば、多くの保育士の手が必要となることであってもあえて選択し、保育士全員で連携して実践しています。実践例としては、乳児の食事や午睡などでの個別支援や、幼児の午睡前に一人一人がおひざで絵本を読んでもらう週一回の「おひざでご本の日」などがあります。

 

◆独自に取り組んでいる点               
1、「大きな家の大家族」をイメージし、異年齢保育に力を入れています
 「大きな家の大家族」という方針のもと、「幼児クラスの乳児クラスへのお手伝い」と「幼児クラスの縦割り保育」という特色のある縦割り保育(異年齢児保育)を実施しています。
 5歳児になると朝の人数調べ、園内の掃除、お茶の準備、2歳児の朝おやつの用意など係に分かれて様々なお手伝いがあります。訪問時にも、自分達なりに責任感をもち、主体的に活動に取り組む姿が見られました。また、係とは別に子どもが自分から立候補するお手伝いに「乳児クラスへのお手伝い」があります。「乳児クラスへのお手伝い」は、子どもの心を育てることをねらいとして、5歳児クラスを中心に、給食後に乳児クラスの子どもたちの着替えを手伝ったり、絵本を読んだりしています。
 「幼児クラスの縦割り保育」として、「ミックスベジタブル」と名付けられた取り組みがあります。“それぞれの野菜はおいしいけど、3種類そろったらもっとおいしいね!”という考え方に基づいて、3歳児クラス、4歳児クラス、5歳児クラスの子ども3名が1つのグループとして、週1回、1年を通して活動しています。ミックスベジタブルの日には、朝の会から帰りの会まで、給食の時間も一緒に3名が過ごしています。年度当初の給食では、食事のよそい方などを年上の子どもが年下の子どもに教える姿などを見ることができます。ミックスベジタブルでクッキングを行ったり、散歩に行ったり、運動会ではミックスベジタブル対抗の応援合戦を行うなど、活動の内容は多岐に渡っています。

2、工業団地の中にあるという地域の特性に合わせた地域との関わり方を工夫しています
 園の周囲は公共施設や企業が多く、近くにあった公務員住宅が移転してからは、子育てをする家庭がほとんどいない状況となっています。そのため、園が子育て支援事業として実施している園庭開放、育児相談、栄養相談、赤ちゃん駅(乳児を連れた地域の親子が授乳やおむつ替えなどに立ち寄れる場)などの利用者も少なくなっています。このような地域性を踏まえ、園は地区の社会福祉協議会等の「エンジョイ子育て委員会」などで地域の保育イベントに参画し、地域に関する情報を得ています。また、地区の保育園8園や、地区の社会福祉協議会等と協力して、「スポーツフェスティバル」や「にこポカ!とみおか・なみきっず」、「おやこわくわくひろば」など、地域の親子に向けたイベントを行い、その専門性を地域に還元しています。
 このように地域は、散歩などで地域住民と日常的に触れ合うことは難しい状況ですが、園では、近隣の高齢者福祉施設や南部市場、企業などと子どもたちが交流する機会を設けています。高齢者施設とはお互いの行事に行き来し、子どもたちとお年寄りの世代間交流の場としています。また、南部市場にクッキングの材料を買いに出かけたり、ハロウィンで仮装して市場や企業を回ったりすることで、子どもたちがいろいろな人と触れ合うとともに、働く大人の姿を実際に見て社会性を養えるようにしています。

 

◆改善や工夫が望まれる点
保護者への情報提供のさらなる工夫が期待されます
 園は毎月園だより「ふたばっこ」を発行し保護者に情報提供するとともに、朝夕の送迎時には保育士は保護者との会話に努め、園での活動の様子を伝えています。また、懇談会や個別面談などでも園の方針を伝え保護者の意向を聞いています。行事後や年度末の保護者アンケートでも保護者の意向を聞き、園の考えをフィードバックしています。
 このような園の取り組みは今回の保護者アンケートの高い支持率につながっています。ただし、自由記述欄には園が大切にしている薄着や裸足について保護者から不安の声が見られます。園の方針だけでなく園が行っている細かな配慮についても具体的に説明することが期待されます。また、一目で情報を把握できるよう掲示物を整理するなど、情報伝達のさらなる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は、「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指します」、保育方針は、「21世紀を担う子どもたちが明るく心豊かに育つ保育を行います」で、利用者本人を尊重したものとなっています。
・「虐待に関する解説&マニュアル」があり、全職員に配付し周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合は金沢区こども家庭支援課、横浜市南部児童相談所などの関係機関と連携する体制ができています。
・職員会議などで、職員が相互に言動を振り返る機会を持っています。年1回年度末に行う職員各自の自己評価では、「子どもの最善の利益とはどういうことでしょうか」、「人権に配慮した保育について、思うところがあったら記入して下さい」などの質問を設定し、職員各自が自分の保育を振り返り、園長に提出をしています。
・保護者に対して、「入園のしおり」でプライバシーポリシーを説明しています。ホームページへの写真掲載については、子どもはもちろん、保護者の写真の掲載についても「ホームページ写真の掲載についての可否申出書」を通して確認しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・日々の保育の中で、子どもたちがやりたいことを行事につなげるなど子どもの意見や意思を指導計画に活かしています。
・多種多様な玩具や教材を用意し、さまざまな遊びが展開できるような保育環境を設定しています。3・4・5歳児クラスでは、その日に使うことができる玩具等と、使うことができない玩具等の写真を掲示し、子どもたちに知らせています。
・「大きな家の大家族」という方針のもと、「幼児クラスの乳児クラスへのお手伝い」と「幼児クラスの縦割り保育」という特色のある縦割り保育(異年齢児保育)を実施しています。
・散歩や屋外活動を積極的に取り入れ、天気の良い日には屋外に出るようにしています。近くに富岡総合公園があり、散歩の目的や子どもの発達状況に応じて、公園のどの場所で遊ぶか決定しています。
・夏場には、毎日プール遊びを楽しんでいます。0、1歳児クラスは園内のビニールプールで遊び、2歳児クラスになると、習熟度別のプールが開始されます。
・食事は、ありがたく、おいしく、楽しく食べることを基本に、食事マナーの習得にも力を入れています。
食育の取り組みとして、園庭で育てた野菜をピザにトッピングをしたり、赤紫蘇を細かくして、ごはんにふりかけるなど日々の生活のなかで子どもが興味を持てるように取り組んでいます。
・乳児クラスの子どもたちは、保育士の膝で一対一になって絵本を読んでもらってから毎日就寝しています。就寝する際には一斉ではなく、数人ずつ午睡室に入るようにしています。幼児クラスでも、週1回は、個別に絵本を読んでもらってから就寝をしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもや家庭の状況・要望などは、入園時に保護者に児童票に記載してもらっています。入園後の子どもの成長発達は、乳児は毎月、幼児は期ごとに月案の項目に沿って記録しています。子どもの記録は事務室に保管し、職員は必要な時にいつでも確認することができます。
・園は統合保育を掲げていて、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があります。個別支援が必要な子どもについては、個別支援委員会で話し合っています。
・園は障がいがある子どもと他の子どもとの集団での関わりを大切にしています。障がいがある子どもの思いや意見を拾って伝え、子どもたちがいろいろな子どもがいることを理解できるように働きかけています。
・「健康管理・安全管理マニュアル」を整備しています。マニュアルに改訂があった際には、改訂箇所を職員会議で伝達しています。また、職員休憩室などにも、変更箇所に関するお知らせが置かれていますが、年1回以上、研修を実施するまでには至っていません。
・月1回行う安全委員会や職員会議、非常勤職員会議などで、ケガや事故、ヒヤリハットを報告・共有し、「なぜ起きたのか」、「どうすれば防げたのか」など再発防止策の検討し、保育士の立ち位置を改善するなどしています。

4 地域との交流・連携 ・地区の社会福祉協議会等の「エンジョイ子育て委員会」や、学区小学校との定期的な交流、「幼・保・小教育連携事業」に関する金沢区の研究会、学区内の保育園交流などを通して、関係機関や他園、他の社会福祉施設と、情報交換やイベントなどについて検討会を行っています。
・地域子育て支援として、一時保育(2歳以上)や園庭開放(週3回)、育児相談、育児講座(ベビーマッサージ)、交流保育(園行事への招待)、赤ちゃん駅(乳児を連れた地域の親子が授乳やおむつ替えなどに立ち寄れる場)などを実施しています。
・地域住民に向けて、育児相談や栄養相談を実施しています。
・学区の小学校と、年5回程度、定期的に交流をしています。また、小学校1年生の担任に、園で流行っている遊びやダンスなどを伝えたり、中学校との連携として職場体験を受け入れています。
・近隣にある2つの高齢者施設と日常的な交流をしています。5歳児クラスは、毎年高齢者施設の野点やフラダンスに招待されています。子どもたちは高齢者に歌を披露したり、会話をしています。また、園の夕涼み会に高齢者を招待するなど、お互いの施設を行き来しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育士一人一人の自己評価を踏まえ保育所としての自己評価を行っていま す。自己評価の結果について職員会議で話し合い、保育所としての課題を明らかにし改善に向けて取り組んでいます。
・職員の自己評価、保護者アンケートの集計結果を数値化し、ホームページに掲載しています。また、園としての自己評価もホームページに掲載しています。     
・ホームページで資金収支計算書、貸借対照表を公表しています。
・横浜市緑アップ計画緑化助成事業に応募し、園庭を芝生化していて、横浜市緑アップ計画のステッカーを門の外の掲示板に貼っています。
・非常勤職員を含む全職員が出席する全体職員会議で理事長、園長が理念について話しています。また、必要に応じて職員会議で取り上げ、確認しています。自己評価シートにも理念についての項目を設け確認しています。
・異なる部門の職員による安全委員会、食育委員会などの委員会があり、組織を上げて取り組む体制ができています。
・園長や理事長は職員会議などで、今後の方向性などを職員に示してはいますが、中長期計画として文書化するまでには至っていません。理事長、園長などの経営層と現場の職員とで進むべき方向性についてすり合わせを行い、理念に向かってどのように進むかを、中期計画としてまとめることが期待されます。
6 職員の資質向上の促進 ・人材育成計画としては「職員育成要綱」を策定しています。「個人目標シート」を用い、年度初めの園長面談で前年度の振り返りと目標設定を行い、年度半ばの面談で中間期の達成度合いの評価をしています。
・園内研修としては、熱性けいれんの対応、アレルギー対応などの研修を実施しています。非常勤職員に対しては、非常勤職員会議でフィードバックしています。職員は、横浜市や神奈川県、横浜市南部地域療育センターなどが主催する外部研修に積極的に参加しています。外部研修に参加した職員は研修報告書を作成するとともに、職員会議で報告しています。
・「職員育成要綱」で非常勤職員も職員と同じ資質向上の取り組みを行うことを定め、非常勤職員に対しても「個人目標シート」を用い、人材育成を行っています。
・保育士は、「個人目標シート」を用いて目標設定と達成度の評価を行っています。また、保育の計画性・人権、保育の在り方、保育者としての資質、保護者対応、などの9項目の「自己評価シート」を用い自己評価しています。

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