かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

聖保育園

対象事業所名 聖保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 ノエル
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山3-41-17
tel:045-543-3695
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 「聖保育園」は、東急東横線大倉山駅から徒歩3分という交通至便の商店街沿いに本園があり、さらに1分程通りを進んだ先に分園があります。本園では0歳児から3歳児クラス、分園では4歳児、5歳児クラスの保育を行っています。本園、分園ともに駅の近くにありますが、隣に空地や向かい側に森林もあり、近隣には子どもたちが屋外活動を行う公園や運動会を開催する公園など複数の公園があり、自然にも恵まれた環境に立地しています。
 「聖保育園」の前身は「地域保育室」として昭和53年に誕生し、平成9年に「横浜保育室」、平成17年に「認可保育所」となり、今日に至っています。
 「目の前に困った人がいたら、すっと手を差し伸べる」という保育理念の下に、障害のある子どもや外国籍の子どもも積極的に受け入れ、一時保育、休日の一時保育も行っています。
保育園は地元商店街に加入するとともに、園長も役員になり、地域交流を進め、地域に根差した子育て支援を行っています。


≪優れている点≫
1.利用者の要望を幅広く受け止め、子どもの満足と成長につなげています
 園は「目の前に困っている人がいたら、すっと手を差し伸べる」という保育理念の下に、家庭や子どもを支援しています。障害のある子どもや援助が必要な子どもたちを積極的に受け入れて、子どもの将来に繋げる保育をしています。また、保護者の要望に応え午前7時から午前8時までと午後7時から午後9時までの延長保育を実施しています。その他にも一時保育や休日の一時保育を実施し、保護者の働き方などに合わせて対応できるように支援しています。
 子どもの健康に配慮して、延長保育では園で長時間過ごす子どもも多いため、子どもの活動量に配慮した食事提供をしています。食事は総カロリー数の配分を考えて行い、見直しを年3〜4回行っています。おやつでもお菓子という意味でなく、軽い軽食として提供し、子どもたちの心身とも健康な身体づくりの栄養管理に配慮しています。
 給食時には、子どもたちが楽しく完食することを推進する工夫をしています。給食を完食できた子どもは、壁に貼ってある「完食表」の自分の欄にシールを貼っていきます。完食するたびにシールを貼っていき、進捗に応じて「完食表」が色の異なる「完食表」に移る仕組みです。子どもたちはシールを貼れる楽しさ、シールが増えていく達成感から自然と完食ができるようになっています。この仕組みの導入により子どもの食育の効果が出ています。

2.各種の特別カリキュラムを実施して創造性を育み、卒園後につなげています
 子ども一人一人の特性を意識して、よりスムーズに小学校へ移行できるように、4歳児と5歳児のクラスでは、幼稚園に準じたカリキュラムを取り入れています。また、時間的な制約で習い事へ行けない子どもへの配慮として園で各種の教室を行っています。外部から専門の講師を迎えて、曜日ごとに各種教室を開設しています。幼児教室では人の話を聞くこと、一定の時間座って物事に取り組むことなど、就学も意識して理解力を高めるような取り組みをしています。その他にも創造性を育む絵画造形教室、心身の成長を図る体操教室や英語教室、お習字教室を行い、子どもの将来に役立つ教室を2歳児から年齢に応じて行っています。子どものことを第一に考え、明るい将来につなげる保育を実践しています。また、費用面でも工夫をして負担の少ない配慮を行っています。

3.施設環境の課題を工夫して、楽しみに変えています
 本園には屋上園庭、分園には屋外園庭がありますが、スペースが限られており、園庭で多くの子どもたちが一度に活動したり、思いっきり走り回ることは難しい状況です。
そのため園では天気の良い日には保育園の近くにある複数の公園に出かけ、屋外での遊びを楽しんでいます。公園ではブランコ、すべり台、縄跳びや砂遊びなどのびのびと身体を動かしながら、好きな遊びを楽しんでいます。運動会も公園で開催しています。時には、公園に遊びに来ている近隣の子どもとも一緒に遊び交流することもあります。
 また、園では限られた園庭などの遊び場を有効的・効率的に使用するために、本園と分園が協力して相互に利用しています。本園の屋上園庭は、遊具などを置いた遊び場とし、夏にはビニールプールを置き水遊びを楽しんでいます。プールは夏でも温水を使用して塩素チェックを随時行い衛生管理にも配慮しながら行っています。プールは予めタイムスケジュールを組み、それに合わせて動くことで効率良く活動できています。子どもたちは、本園と分園に行き来して、その違いも楽しんでいます。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1. 職員が実施したことの共有と徹底を図る仕組みの検討が期待されます
 園では年間を通して各種の研修を行い、研修記録を作成しています。研修に参加しなかった職員は後日研修記録を閲覧して内容を確認しています。
 しかし、閲覧した職員を確認するサイン等がされていない状況です。他にも、反省点や改善方法などを職員で話し合う場やしくみはありますが、記載されている内容を職員が確認したというサイン等がない書類が見られます。
 周知する必要のあるものには、徹底・確認するというルール作りが期待されます。

2.保護者に十分に伝え、理解してもらえる工夫が期待されます
 園では、各種の特別教室を設けて、子どもの将来に向けた保育を実施しています。各カリキュラムの費用は定額の集金や参加無料化などで受講し易い配慮を行っています。
 しかし、多くのカリキュラムや保育に対する感謝の意見とともに、「保護者の意見が反映されている」「費用や決まりに関する説明」について不満を感じている保護者も見られます。保護者からは多くの意見が寄せられており、保護者も一緒に保育園を良くしていこうとの意思が現れています。
 今後は保護者会も活用するなど、保護者とのコミュニケーションを深め、説明方法の再検討を行い、保護者の意向把握や理解につなげることが期待されます。

3.中期的方向性を明示することにより全職員が共有して取り組むことが望まれます
 園では、重要案件については、経営母体の理事会で個々に決定し対応しています。決定された案件について、直近の事業計画には反映していますが、中長期の計画として明文化するには至っていません。理事会などで保育園の将来の目指す姿を明確にして、事業の中長期計画として明文化することも大切です。中期的方向性を職員で共有し理解することにより、その実現に取り組むことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念、保育目標および保育方針は園内に掲示するとともに、全職員に配布し、職員会議などを通じて周知し、理解しています。保護者にも「保育園のしおり」や懇談会などで説明して、理解を深めています。職員は「目の前に困っている人がいたら、すっと手を差し伸べる」という保育理念の下に、子どもたちの創造性を育み、子どもたちの将来へとつなげる保育を心がけています。
保育士は子どもたちに対して優しく、子どもにも分かりやすい言葉で穏やかに声をかけ、信頼関係を深めるように努めています。
保育士は、性差についての研修を受け、性差による区別のない子どもたち一人一人の人権を大事にした保育を実践しています。
個人情報の取り扱いは、「聖保育園における個人情報保護について」に基づき、書類やメモリーの保管場所および守秘義務などについて職員に周知しています。また、入園時に保護者から「個人情報使用同意書」をいただき、個人情報の取り扱いについて同意を得ています。
子どもが、友だちや保育士の視線を気にしないで過ごしたい時や、友だちには知られずに保育士と話がしたい時には、プライバシーを守るため、階段の踊り場やエレベーターホールの空間を活用しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育士を始めとする職員は、子どもたちが自我の芽生えや自分の思いを伝えようとする気持ちを受け止め、日々の成長を見守っています。職員はその情報を共有して、保育に活かしています。
新入園児は、保育園に慣れるまでは子どもが心理的よりどころとしている、おもちゃやぬいぐるみなどを持ち込むことができます。園に慣れてきた頃から徐々に減らしていくように保育士が接しています。
保育士は子どもたちの異年齢交流を通じて、年上の子どもが自然に年下の子どもを助けたり、手伝いをしたり、年下の子どもが年上の子どもに憧れて努力するなどの、思いやりの心と自立の気持ちを育んでいけるよう支援しています。
保育士は保護者と送迎時になるべく口頭でコミュニケーションを取る様にしています。保育士は「引継ぎノート」やミーティングで子どもたちの情報を保育園全体で共有するよう努めています。また、各クラスには「クラスノート」があり、子どもたちの保育園での活動の様子を記録し、保護者に伝えるよう努めています。
保護者からの育児相談に対応しています。相談の受付窓口は主任が担当しています。相談内容は園長の保管内容記録として取り扱い、相談を受けた職員が、園長や関係職員からアドバイスを受け、迅速に回答するようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 保育課程は、保育の基本方針に基づき、全職員が参画して、年齢ごとのねらいを共有して作成しています。入園時や年度当初、また改訂した場合にも保護者に説明して納得を得るように努めています。
障害のある子どもについては、一人一人の状況により、保育士との関わりや他の子どもたちとの関わりなど、障害のある子どもが必要としている援助をしっかりと受け止めて、環境の整備を行っています。障害のある子どもも、できるだけ他の子どもと一緒に活動できるように、担当の職員だけでなく全職員で見守っています。
園の苦情解決体制が構築されています。苦情受付者や第三者委員も任命されて、その氏名や連絡先が玄関に掲示されています。「みんなのこえ」という意見箱を玄関に設置し、日頃から要望や苦情を受け付けています。また、権利擁護機関の相談窓口の連絡先も玄関に掲示していますが、横浜市の福祉調整委員会の案内はしていません。
子どもたちの健康状態は健康や保護者からの話で情報を得て、保育園全体で共有し、対応しています。子どもの健康状態や発育状態について相談の必要がある場合は、専門機関からアドバイスを受けています。
子どもの怪我は小さなものでも必ず保護者に報告しています。事故の状況を伝えられる保育士と保護者が直接会えない場合は、「引継ぎノート」により引継ぎを受けた保育士が報告しています。事故が起きた場合は、必ず上司に報告し、職員会議で全体に周知し、話し合いを持ち、事故の再発防止に努めています。各クラスには「クラスノート」があり、子どもたちの保育園での活動の様子を記録しています。
4 地域との交流・連携 保育園は地域の商店会に加入しています。園長は役員にも就任し、商店会の会合などを通じて、地域の情報や保育園に対する要望などを把握しています。
保育園で使用する給食関係の食料品、文具類および雑貨などは、近隣の商店で購入しています。また、子どもたちは、散歩や屋外活動に出かけた時に地域住民と出会うと、必ず挨拶を交わしています。
子育て支援の一環として、延長保育、一時保育および休日の一時保育を実施し、保護者のニーズに応えています。
地域や保護者に対する育児相談は、定例日を設けず、随時行っています。育児相談の告知は「えんだより」で案内したり、本園の玄関扉の外に掲示して、地域の子育て支援に努めています。
幼保小交流事業にも積極的に参加し、中学校の職業体験も受け入れています。近隣の保育園や幼稚園とも交流しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 保育園の理念、保育目標及び保育方針は、本園の階段の壁や職員室、また、分園にも保護者や職員の目に留まるように掲示しています。その他にも「保育園のしおり」で案内するとともに、機会があるごとに、「えんだより」や保護者との懇談会などでも説明しています。
保育園の情報は、「保育園のしおり」、横浜市のホームページおよび日本保育協会のホームページなどで提供しています。「保育園のしおり」では、保育サービスの詳細、料金および保育施設の紹介などの情報を提供しています。
保育園の見学希望者には、基本は毎週水曜日に対応していますが、保育に影響がない範囲で、希望の日時に合わせるようにしています。日程の調整ができない場合は、パンフレットなどを配布し、情報を提供しています。
保育園は公認会計士、弁護士および外部の専門家などの意見を聞き、経営母体のNPO法人として運営に活かすとともに、経営情報を公開しています。
保育園の重要案件は経営母体のNPO法人の理事会で承認され、事業計画に反映しています。しかし、中長期計画の立案までには至っていません。
6 職員の資質向上の促進 個々の職員の資質向上に向けて、個人面談などを通じて、自己を振り返る機会を設け、次年度の目標設定につなげています。
職員面談を通じて、職員が意見や要望を述べる機会が設けられ、職員の満足度や要望を把握しています。提案については、その都度話し合い、業務改善に結びつけています。
保育士など一人一人が週案や月案を通じて自己評価を行い、自己の活動の改善やその後の計画作成に活かしています。保育士は自己の反省を活かして、より高い目標を目指しています。
子どもたちの状況に応じて自主的に判断ができるように、職員に可能な限りの権限を委譲し、責任を明確にしています。
職員は園内の内部研修だけでなく、年間研修受講計画などに基づき外部研修を受講しています。研修報告は職員会議の時に行い、研修の資料などは職員の誰でも閲覧できます。

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