かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あいまーる保育園

対象事業所名 あいまーる保育園
経営主体(法人等) 有限会社 HARMONIE
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0052
藤沢市藤沢551-1 日進ビル2階
tel:0466-52-4150
設立年月日 2006(平成18)年05月01日
公表年月 2016(平成28)年12月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<概要>
 園は、JR藤沢駅より徒歩5分のビルの2階部分にあります。0歳児は独立した保育室、1歳児〜5歳児の保育室は可動式の壁で仕切られ、保育内容により壁を無くして広々とした空間を利用した保育が行えます。
 平成18年に開園し「温かい心を持つ子どもに育てる」「いきいきと未来を明るく歩んで行ける子へ」「周りの人と協力し合える子」「ルールを知ること」を保育理念としています。平成22年藤沢市認定保育園に、平成26年藤沢市認可保育園に登録され現在に至っています。
 現在53名(定員50名)と小規模な保育園です。神奈川県中央児童相談所や神奈川県総合療育相談センターと連携して、障がい児保育にも積極的に取り組んでいます。園庭は有りませんが、可動壁を取り除いて、子どもたちが伸び伸びと走り回れる空間を設定しています。


<優れている点>
1.子ども同士が自然と協力し合い、思いやる心が育まれています
 3、4、5歳児は一緒に散歩に出かけることも多く、異年齢での関わりを多く持っています。その中で、小さい子どもは大きい子どもへの憧れの気持ちが芽生え、大きい子どもは小さい子どもの世話をしたり、見守りをしています。5歳児は赤ちゃんの世話をしたがるので、「赤ちゃん当番」を作って交代で抱っこをするなど、世話をしています。少人数の園なので、0歳児〜5歳児まで皆の存在を感じながら仲良く生活する中で、異年齢が自然な形で浸透し、個々の育ちにつながっています。
 また、午前7時から9時までと17時以降も異年齢が合同で保育をする時間となっています。長時間保育では、人数が少なくなるため、ゆったりと安心して過ごせるように配慮をしています。職員と1対1で自分のしたい遊びをしたり、延長保育の時間だけ使えるおもちゃで遊ぶことができるなど、子どもの不安や寂しさを取り除く工夫をしています。
 0歳児クラスの子どもたちには、職員や5歳児が語りかけやスキンシップを通して愛されている喜びや甘えたい気持ちが満たされるように保育をしています。職員は、5歳児に対しても子どもの気持ちに寄り添い、スキンシップを大切にし、子どもの希望でおんぶやだっこなどをして甘えたい気持ちを満たし情緒の安定を図っています。

2.外部講師を活用して、専門的に子どもの育ちを支援しています
 4、5歳児クラスは、毎週1回専門講師による体操教室があります。スキップ運動やハシゴ床、キャッチボールなど全身運動を行っています。講師の説明を良く聞くことで聞く力を養い、身体を動かす気持ちよさを感じ、心身の成長に役立てています。講師の話を聞くことは、小学校の就学にも役立つ準備として、よく聞く事の大切さを学んでいます。
 月1回の専門講師による絵画教室では、絵具をつけたビ−玉や色々な色紙、クレヨンなどで自分の思いを絵として表現しています。絵画教室で作った作品を玄関横のガラスケースで展示しています。作品を飾ることで子どもの自信に繋げています。夏にはスイミングスクールと提携して全6回のコースにより、水泳の指導も行っています。

3.食の安心安全に配慮して、食育活動につなげています
 給食の食材や調味料には旬の物を多く取り入れています。地元食材や出来るだけ無農薬な食材、オーガニックな食材を使用するなど、安心安全にもこだわっています。ゴーヤなど、苦手な子どもが多い食材でも、子どもの食に対する経験を豊かなものにすると考え食材として取り入れています。鎌倉野菜などの珍しい野菜を調理前に子どもに見せたり、触らせたりする機会を持って食材に興味を持たせる工夫をしています。
 おやつも手作りです。4、5歳児では一人ずつ食べたものを栄養素ごとに4色に色分けしてシールを貼り、棒グラフを作成しています。自分がどんな栄養素の食物を食べたかを、ゲーム感覚で楽しみながら身につけています。また、栄養素の本や紙芝居を通して食の大切さを伝えています。


<独自に工夫している点>
1.職員間での情報共有の仕組みにより、安全性を確保しています
 「保育士の危険感受性の向上」を目指して、予測の上で余裕を持って危険を察知する目を養う活動を行っています。職員だけでなく保護者でも理解しやすいヒヤリハットマップを作成し、保護者や職員間で情報共有しています。「ヒヤリハット報告書」「ケガ報告書」「事故報告書」の閲覧者サイン欄は、職員名が記載済みで、閲覧状況を確認し易く工夫しています。


<改善すべき事項>
1.運営に関するマニュアルの整備
 衛生管理、感染症対策、事故防止、苦情処理など起こり得る状況に対して、職員がとるべき行動についてのマニュアルが整備されています。基本的人権の遵守、個人情報保護、保育室内環境管理など保育園の運営に関する項目については、「あいまーる保育園規則」に項目とし記載されていますが、職員が日々の保育に当たって取り組むべき行動が整理されていません。
 基本的人権や個人情報保護の遵守すべき項目を整理し、職員の行動規範として、職員に周知することが期待されます。また、これらを見学者や実習生にも遵守することが望まれます。

2.職員の人材育成計画の立案と達成状況の評価・見直し
 職員は、設置法人や藤沢市、神奈川県などから来る研修情報をもとに、研修に参加し、能力向上に努めています。職員に求められる役割と能力を、経験年数や職位別に明確にした人材育成計画を立案しています。
 しかし、全体の人材育成計画をもとに、個人別の育成計画は作成していません。職員自らが個人別の研修計画を作成して、園長が承認することが望まれます。計画に沿って受講し、その結果を職員会議で発表し、他の職員にフィードバックする仕組み作りが期待されます。
 また、実習生の受入れマニュアル、受入れ実績がありません。実習指導を通じて職員自身も成長する人材育成の面からも、受入れマニュアルを作成し、積極的な実習生受入れを期待します。

3.保護者の意見・要望の把握と保育への反映
 年度初めのクラス懇談会、年1回の個人面談、年度末の保護者アンケートを行い、保護者の意見・要望の把握に努めています。
 保護者の意見・要望は、子どもの成長に伴って変化してきます。多くの親子行事後のアンケートや、匿名で要望を提案できる仕組み、職員と個別の面談の機会を増やし、保護者の意見・要望を把握する検討が望まれます。また、把握したことなどを、今後の年間行事予定や保育課程、年間指導計画に反映する仕組み作りが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念や保育目標をもとに、子どもたち一人一人が「温かい心を持つ」「いきいきと未来を明るく歩む」「ルールを知って、周りの人と協力しあえる」を園の方針として、心身共に成長できる保育に取り組んでいます。園規則には、「職員の心得」として「基本的人権の遵守」「平等の原則」「保護者への配慮」「保育者としての責務」の項目を設け、職員は、日々の保育、保護者との関わり方に活用しています。
法人の就業規則及び保育所保育指針解説書をもとに、園規則の「平等の原則」に従って、子どもの発達、性差、国籍、出身国や文化の違いを認め合い、子どもたちがお互いにありのままの姿を受け入れられるよう支援しています。
園規則の「職員の心得」に個人情報保護に関する規定が定められ、職員は、個人情報の取得、利用、守秘義務について、入社時に研修で学び、職員会議、乳児会議、幼児会議と会議録の回覧で再確認しています。
園見学者へは、園長が対応し、見学者用パンフレットを用いて保育内容や園の方針、保育室の様子を説明しています。見学時に園内にある個人情報は、事前に見学者から目に付かないよう配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育理念や園規則(家庭連絡)に「保護者と常に密接な連絡を保ち、一緒に子どもを育てる」を掲げています。職員は、送迎時の保護者との会話や連絡帳で、乳児は毎日、幼児は連絡が必要な時に記入して、個別に情報交換しています。各クラスのその日の出来事や様子を、玄関に掲示しています。
園だよりとしての「あいまーるレシピ」、クラスだよりを毎月発行、クラス懇談会、個人面談などで、情報共有しています。年度末に、保育に関する保護者アンケートを実施し、評価・検討し、結果を6月に保護者に配付しています。
自由遊びでおもちゃの取り合いになった時などは、職員は様子を見ながら仲立ちをして、それぞれの子どもの気持ちを代弁しています。子どもたちが、相手の気持ちを知り、譲り合う気持ちや分かち合う喜びを得られるよう支援しています。
月1回専門講師による絵画教室で、絵具をつけたビ−玉や色々な色紙、クレヨンなどで自分の思いを絵として表現しています。専門講師による体操やダンス教室で子どもたちは、リズムに合わせて体で表現する楽しさ、喜びを感じています。
職員は、基本的生活習慣について、子どもたちの発達、個人差を考慮し、職員が手本を見せ、少しでも出来た時は褒め、自分から進んで取り組むよう声掛けを行っています。4、5歳児の食育は、子どもたちが食べた食材を栄養素別にシールで棒グラフを作り、どんな食材が体の成長に役立っているかを学んでいます。子どもたちが興味を持った食材について職員は、絵本や図鑑で子どもたちにわかり易く、理解しやすいよう伝えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 苦情解決の仕組みは、苦情処理要綱に意見・要望等受付担当者を主任職員、意見・要望等解決責任者を園長とし、第三者委員3名(近隣保育園園長、弁護士2名)を任命しています。意見・要望・苦情等解決の仕組み一覧表を、入園申込者に配布すると共に、玄関の保護者向け掲示板及び事務室に掲示しています。現在まで、第三者委員と相談する苦情は寄せられていません。
健康管理マニュアルを用いて、保護者と連携して健康管理を行っています。保健日誌で子どもたちの健康状態や保育室の温度を記入し、職員間で情報共有しています。衛生管理、感染症対策、藤沢市作成の「保育園、幼稚園における与薬ガイドライン」に基づく与薬依頼書、事故防止マニュアルなどを整備しています。衛生点検表、事故防止点検表、保健日誌、ケガ報告書で、子どもたちの健康状態の観察や体調不良児対応について確認し、保護者と連携して健康管理を行っています。
防災計画(消防計画)を定め、月1回防災訓練を実施しています。火災、地震、消防署への通報を想定した訓練、不審者対応訓練、一時避難所で保護者への引き渡し訓練を計画に沿って実施しています。
4 地域との交流・連携 「子育てを応援します。1人で悩んでいませんか?保育士とお話をしてみませんか?」と記載した子育て応援のパンフレットを作成して、近隣の未就園児の保護者を対象として、育児相談を開始しています。育児相談のポスターを系列保育園で掲示しています。園舎近隣の商店街への育児相談ポスターの掲示も検討しています。園児と職員で近隣地域の清掃活動への参加を、地域交流の一環として検討しています。
藤沢市幼保小中特別支援学校連絡会議に5歳児担任が参加し、近隣の小学校と連携し、5歳児が小学校の運動会に参加できる機会を得ています。
地域の子育てニーズの把握、具体的な子育て事業の実施は、園長を中心に今年度から重要検討課題として取り組み始めています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 年間行事計画表で、保育参観・参加を明記し、保育参観・参加時間を午睡後から午後6時までとし、保護者が参加しやすく、子どもの様子が見られるよう開催時間を決めています。
昨年度、子どもの援助5項目、保育課程・健康管理6項目、保護者支援6項目、職員の資質向上6項目、組織的基盤9項目からなる自己評価を全職員対象に実施しています。今年度も年度末に同様の自己評価と、第三者評価での自己評価を実施し、保育の質や組織としての運営の自己評価を行います。
園が繁華街に面したビルにある為、安全性を考慮して、保育園の存在を積極的にはアピールしない事を法人の方針としています。園のホームページには、園の目標、概要、特徴を掲載しています。藤沢市の「保育施設ガイド」には、概要を掲載しています。
6 職員の資質向上の促進 保育理念、保育方針は、あいまーる保育園規則や園紹介パンフレットに記載され、保護者や見学者にもわかり易くなっています。保育課程にも明記し、年間指導計画、月間指導計画に反映しています。職員は、職員会議で保育理念、保育方針を再確認し、周知を図っています。
職員は、設置法人や藤沢市、神奈川県などから来る研修情報をもとに、研修に参加し、能力向上に努めています。職員に求められる役割と能力を、経験年数や職位別に明確にした人材育成計画の立案が望まれます。それをもとに、職員の意向を聞き、園長承認のもと、計画に沿って受講し、その結果を職員会議で発表し、他の職員と共有する仕組み作りが期待されます。
実習生受入れマニュアル、受け入れ実績もありません。実習指導を通じて職員自身も成長する人材育成の面からも、受入れマニュアルを作成し、積極的な実習生受入れを期待します。

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