かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

えみ

対象事業所名 えみ
経営主体(法人等) 社会福祉法人恵和
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 240 - 0035
保土ヶ谷区今井町669-1
tel:045-352-9730
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業所の概要】
 障害者通所施設「えみ」(生活介護事業所)は、相鉄線「二俣川駅」から、JR保土ヶ谷駅方面行きバスに乗り、「今井大上」停留所下車、徒歩約8分の住宅地にあります。平成16年(2004年)、社会福祉法人恵和により開設されました。同法人は、当事業所のほか、通所施設(2ヶ所)、青年寮(入所施設)、グループホーム(19ケ所)など、保土ケ谷区を中心にさまざまな事業を展開しています。
 事業所の建物は、2階建てで、1階には作業室(2室)、静養室、喫茶室などがあり、2階には、作業室(1室)、事務室、浴室などのほか、フリースペースおよび和室(2室)があります。
 定員は25名で、月曜日〜金曜日(年始年末を除く)の9:00〜16:00が開所時間です。現在、利用者は29名で、全員が愛の手帳(知的障がい)の交付を受け、うち5名は身体障がい者手帳も併せ持っています。
 運営法人が、経営理念を、恵和憲章として「今日も元気で世のため人のために頑張ろうや」と定め、基本理念を「愛」「受容」「幸」としています。それに基づき、施設の支援基本方針を「利用者の思い、願いを大切にした支援を提供する」としています。 

◆ 高く評価できる点
1、利用者は、一人一人の思いを尊重され、ゆったりと落ち着いて過ごしています
 日中活動は、利用者の希望や得意技などを考慮して、2つのグループに分かれて行っています。喫茶室での接客、ケーキ作り、園芸作業、手芸作業や絵画などの創作活動のほか、フラダンス、フラワーアレンジメント、音楽活動などもあります。どの活動に参加するかは、利用者が選択できるようにしていますが、朝、来所したとき、その日の利用者の体調などを考慮して、通常の活動で良いか、別の活動に変更するかを利用者に聞くこともあります。室内の活動だけでなく、プランターで育てた草花を法人内の他事業所や地域の高齢者施設に届けたり、毎日水やりや見回りで訪れる活動もあります。また、買い物や外出等の個別プログラムもあります。
 昼食は、主食の量(グラム表示)や刻み食・おかゆなど、一人一人に見合った食形態としています。職員は、時間を急かせるようなことはなく、配慮の必要な利用者には嚥下を確認して次の食べ物を運ぶよう十分な注意をもって支援しています。また、毎月、行事食、誕生日会、学校給食や人気レストランの再現メニュー、休日ランチ(土曜日か日曜日)などを提供し、適宜バイキング食も取り入れています。さらに、全体で行う誕生会のほかに、各人の誕生日当日にケーキを贈ったり、利用者のリクエストに応えたメニューの提供をしたりするなど、利用者一人一人に対応しています。
 また、えみの会(利用者の自治会)が月1回程度開かれ、利用者同士が話し合う機会があり、えみへの要望をまとめたり、旅行の行先を話し合ったりすることもあります。職員は、一泊とするか日帰りとするか、利用者一人一人の希望を聞き取り、コースを2つ企画するなど工夫しています。

2、職員間で情報が共有され、連携して利用者の支援にあたっています
 グループ会議や職員会議で、利用者一人一人の状況などが報告され、全職員が情報を得ています。また、利用者一人一人について、日々の活動内容などを記録しています。記録は、パソコン内に保存され、ネットを通じて、他の職員やグループホームの職員なども、パスワードを入力して見ることができます。さらに、グループホームでの夕方から朝までの利用者がどのように過ごしたかの記録などを、えみの職員が見ることができるほか、健康管理室の看護師・栄養士も利用者の情報を把握することができます。日中活動の場だけでなく、夜間等の利用者の状況も把握し、24時間体制で、一人一人の毎日の活動が適切なものとなるように支援しています。
 職員は利用者の思い・希望をくみ取ることを心がけ、グループ会議や職員会議で、気になる点などを話し合い、改善に努めています。また、他の職員の行動で、良かった点等に気づいたときは、グッド・ジョブ・ボードに内容を記入するようにしています。良い点を認め合うことで、職員相互の励みになっています。さらに、「えみ職員まもろう宣言」を定めています。例えば、「みなさんにわかりやすくせつめいします」「みなさんのおはなしをゆっくりききます」などの宣言を玄関に掲示しています。

3、地域との交流に力を入れています
 毎年「えみまつり」に地域住民を招待しているほか、週に2日、道路に面した一室を喫茶店として開放し、地域の人々が来訪できるようにしています。また、利用者と職員が近隣の自治会の清掃活動に参加したり、職員が自治会の防災活動である「青色パトロール」に参加したりしています。
 また、日中活動の一部として、利用者が近隣の今井地域ケアプラザに行き、「うたごえサロン」で地域の人々と一緒に歌を歌ったり、体操をしたり、図書室の本を借り出したりするなどの活動を取り入れています。さらに、日中活動で行った絵画など創作活動の発表の場を広く求め、保土ケ谷区役所・岩間市民プラザ・横浜ラポール・保土ケ谷公園内ギャラリー等で作品展を開催しています。開催時には、利用者も作品を見に訪れています。
 利用者が、地域の人々と交流する機会を設けることで、えみとグループホーム・自宅を往復するだけでない、地域との関わりがある、より充実した生活となるようにしています。
  
◆ 改善や工夫が望まれる点
1、マニュアル類の整備が望まれます
 衛生管理、感染症予防対策等に関するマニュアルは作成されていますが、そのほかの日常業務にかかわるマニュアルは、ほとんど作成されていません。日々の活動の中で、職員は一人一人の利用者の意向を尊重し、丁寧な対応をしていますが、最低限守るべきこと、チェックすべきことの基準や手順を定めたマニュアルを作成することが望まれます。マニュアルがなぜ必要なのか、マニュアルにどのような事項を盛り込むかなどを職員間で検討することにより、現在良くできている点や改善すべき点などが分かり、支援の質のさらなる向上につながることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・運営法人の経営理念として、恵和憲章を「今日も元気で世のため人のために頑張ろうや」と定め、基本理念を「愛」「受容」「幸」としています。それに基づき、えみの支援基本方針を「利用者の思い、願いを大切にした支援を提供する」としています。
・運営法人として職員行動指針を「笑顔で、いきいきと、生きる」と定め、具体的な基準を6つのキーワード「誠実・尊重・本気・信頼・和・前進」にまとめています。
・虐待防止規程および個人情報保護規程を定めています。また、入職時には、守秘義務についての誓約書を職員が提出しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・個別支援計画には、長期目標および短期目標を設定しています。個別支援計画の作成・見直しを行った場合は、その内容を利用者または家族等に説明し、同意を得ています。
・利用者一人一人について、日々の活動内容や利用者の状況などを記録しています。記録は、パソコン内に保存され、ネットを通じて、えみ内の他グループ担当の職員や、利用者が居住しているグループホームの職員なども見ることができるようになっています。
・利用者のほとんどがグループホームで生活しています。えみの支援基本方針である「利用者の思い、願いを大切にした支援を提供する」に基づき、利用者の生活が充実したものとなるよう、法人の共同生活援助室(グループホームを管轄)等と協力して、地域生活を支援しています。また、運営法人の恵和として、通所施設事業と地域生活協同援助事業をまとめて地域生活支援部門と捉えていて、統括所長を定めています。入所支援施設である恵和青年寮等と連携しながら、通所施設への移行、グループホームへ居住する体制を整えてきました。今後も、地域生活を送るための支援を続け、新たなサービス創設等も検討しています。
・日中活動の中で、買い物や外出等の個別プログラムを用意し、利用者が地域生活をより良く過ごせるよう支援しています。
・一人一人の食事に関する留意事項として、全員の主食の量(グラム表示)と、副食を含めた食形態(刻み食など)を明記しています。また、アレルギー対応食の提供も行っています。
・多種多様な活動プログラム(フラダンス・フラワーアレンジメント・音楽活動・手芸作業や絵画等の創作活動・健康維持のための活動等)を用意しています。また、生産活動として、えみの喫茶店での接客やコーヒー豆挽き、ケーキ作り、園芸作業、手芸作業等があります。
・年間を通して多くのイベントを提供しています。毎年実施している旅行は、利用者の意向や状況に合わせて、日帰りと一泊を選択できるようにする等、きめ細かい配慮で企画されています。
・広報紙として、運営法人の「恵和」と、事業所の「えみ通信」を季刊で発行し、家族に郵送しています。また、年1回家族向けの勉強会を催しています。さらに、運営法人全体の家族会の懇談会を年2回、えみの懇談会(事業所説明会を兼ねる)を年1回実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・サービス利用契約時に、支援内容などについて重要事項説明書に基づいて説明したのち、サービス利用契約書に本人の署名をもらっています。
・要望、苦情の受付担当者は主任であることを重要事項説明書に記載し、利用者や家族に説明しています。また、第三者委員が2名定められ、直接苦情や要望を申し立てることができることも伝えています。
・年に10回程度、オンブズパーソンが来所し、利用者は直接苦情や要望を申し立てることができます。担当のオンブズパーソンの氏名や顔写真を所内に掲示し、利用者に周知しています。
・えみの会(利用者の自治会)が月1回程度開かれ、利用者同士が話し合う機会を設けています。えみへの要望などが出されることもあります。
・衛生管理、感染症予防対策に関するマニュアルは、法人内健康管理室が作成し、えみの職員に周知しています。しかし、マニュアルの内容をきちんと職員に理解してもらうための研修は行っていません。
・日常の業務について、マニュアルが作成されているのは、一部分のみです。現在、全体的なマニュアルの作成・整備に取りかかっています。
4 地域との交流・連携 ・地域の福祉ニーズを把握するため、地元の2町内会の住民、民生委員、PTA等で構成される「福祉のまちづくり検討会」に所属し、会議等に参加しています。また、毎年「えみまつり」に地域住民を招待しています。
・町内の清掃活動(利用者と職員で)や、地域自治会の防災活動である「青色パトロール」(職員)に、毎回参加しています。
・道路に面した一室を、週に2日喫茶店として開放し、地域住民の利用も受け入れています。
・利用者は、今井地域ケアプラザを日常的に利用しています。「うたごえサロン」や「レコードカフェ」、体操などのイベントに参加したり、図書室で本を借りたりするなど、地域の人々と共に楽しんでいます。
・ボランティアの協力による日中活動(フラダンス・フラワーアレンジメント・創作)もあり、積極的にボランティアを受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・運営法人のホームページで、法人理念・事業所紹介・活動の様子・空き情報等の最新情報を提供しています。
・法人として、職員行動指針を定め、全職員に周知しているほか、職員就業規則中に、服務規律として守るべき事項を記載しています。また、非常勤職員として、障がいのある人を雇用しています。
・法人内の他事業所での不適切な事例があったことを契機に、えみの職員に対して研修を行いました。また、他法人等での不正・不適切な事例等を入手した場合は、職員会議等で報告し、職員に周知・啓発しています。
・ごみの分別回収を行っているほか、厨房内で発生した野菜の皮等の生ごみを利用して堆肥作りを行っています。
・所長は、えみの会(利用者の自治会)の会議に出席しているほか、日常的に現場に出て利用者に話しかけ、利用者の声を聴くようにしています。また、えみ家族会の懇談会に出席し、家族等の意見を聴いています。
・毎月の職員会議で様々な課題を検討しています。職員会議には、必要に応じ、法人内の健康管理室の看護師・栄養士、相談支援室職員等が参加しています。
・主任は、個々の職員の能力や経験に合わせ、的確な助言や指導を行っています。また、朝礼や終礼(夕方のミーティング)の際に、気づいたことなどを伝えています。
・事業運営に影響のある情報は、法人本部から得ています。重要な情報は、職員会議で職員に伝えています。
・法人として、係長以上の管理職による地域生活支援部門調整会議、地域生活支援部門会議等を開催し、現状把握、課題整理、今後の取り組みの方向性等を検討しています。
6 職員の資質向上の促進 ・えみ内部の研修会や勉強会、法人が行う研修や横浜市等が行う外部研修等に、職員・非常勤職員とも参加しています。外部研修に参加した職員は、研修報告を作成し、回覧したり、ネットにアップしたりして、他の職員も情報を共有できるようにしています。
・法人内に人材育成室が設置され、職種や経験年数に応じたさまざまな研修を行っていますが、人材育成計画は策定していません。どのように人材育成を行っていくか、内部研修のほかに、外部研修、職場訓練(OJT)、自己啓発等も含めた総合的な方針を明文化することが望まれます。
・グループ会議や職員会議で、利用者への接し方で、気になる点等などを話し合っています。また、他の職員の行動で、良かった点等に気づいたときは、グッド・ジョブ・ボードに内容を記入するようにしています。良い点を認め合うことで、職員相互の励みになっています。
・会議の場だけでなく、職員がいつでも業務改善の提案をしたり、自分の意見を自由に述べたりすることができる雰囲気となっています。

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