かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

港北コスモス保育園

対象事業所名 港北コスモス保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 聖会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0058
港北区新吉田東5-78-24
tel:045-716-8297
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】

1.立地および施設の概要

港北コスモス保育園は、平成24年4月に開園し4年目を迎えています。東急東横線綱島駅からバスで10分、新田農協前バス停からすぐでバス道路と住宅地に隣接し、園舎396.41u(延床面積)、園庭162.12u、園児数定員60名で、現在62名の園児が在園しています。園の周辺には、畑や果樹園、公園、河川があり、緑が多く残っている地域です。設置法人は社会福祉法人聖会で、1982年に福岡で開園し、福岡市を中心に現在5園の系列園があります。

 

2.特徴

@保育の考え方

「乳児における身体づくりや、五感の育ちを大切にすることと幼児における教育の実践が、人間形成の基礎と生きる力の源となり、子どもたちの就学に向けた大切な仕事である」と考え、7つの保育目標を定めて取り組んでいます。

 

A専門講師による特別クラス

 幼児(3〜5歳児)ではイングリッシュクラス、ダンス、5歳児はバイオリンを、子どもたちの世界観を広めたり健康増進を目的として取り入れています。

 

【特に優れていると思われる点】

1.多様な機会をとらえた異年齢交流

 園では、月1回、幼児クラスを3グループに分け、遊びや食事を異年齢で行っています。大きい子どもと小さい子どものペアを決めて手をつないで散歩に出かけて公園で一緒に遊んだり、バイキング形式の食事のときは5歳児が戸惑っている3歳児に声をかけてやり方を教え、自分たちで好きなものを選んで食事を楽しんでいます。

また、年長の子どもが、散歩から帰ってきた乳児を出迎えて頭をなでたり手をつないでクラスまで一緒に行ったり、午睡明けの乳児の着替えを手伝うなど、日常的な異年齢交流のなかでも、大きい子どもが自然に年下の子どもに手を貸したり、小さい子どもが大きい子どもにあこがれを持つ気持ちが育っています。

 

2.積極的な地域情報の収集

設置法人本部は福岡市に在り、法人が横浜市内に初めて開園した園です。園長は、横浜の保育について情報を収集するため、地元住民に声をかけたり周辺の保育園に積極的に働きかけています。園長会で知り合った園長からは、地域支援の情報を得て園庭開放や育児講座を開催したり、他園研修先として受け入れてもらうなど、地域資源の活用や園の専門性を活かした地域支援に努めています。また、毎日使用する食材は、安心安全を確認して近所のスーパーマーケットから購入し、園のお知らせや行事のポスターを貼ってもらうなどの協力を得ています。

 

3.地域資源の活用と交流

近隣の情報を得て、子どもたちが散歩で馴染みになった新羽消防出張所には、勤労感謝の日に手作りの感謝状を手渡し、消防車の試乗や署内見学をさせてもらっています。近隣のデイサービスや高齢者施設を訪問して一緒に歌を歌ったり、園行事に招待するなど、交流を深めています。また、少し離れた高台の農家の畑(コスモス農園)を借りてサツマイモを栽培し、子どもたちが散歩がてら出かけて、植え付けから草取り、水やり、収穫までを体験しています。

 

【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.幼児の保育室でも子どもが主体的に遊び込める環境の整備

 乳児の保育室では、複数のコーナーを作り、好きな遊びに取り組める環境を整えていますが、35歳児が遊ぶ玩具は午睡明けから夕方のお迎えまで過ごすホール(収納庫)に置いてあり、各保育室は、子どもが自由におもちゃを取り出して遊んだり、一人で落ち着いて遊べる環境になっていません。幼児の保育室でも、生活の流れの中で子どもが自発的・主体的に遊び込める環境構成が期待されます。

 

2.保護者の意見・要望を聞く機会のさらなる充実

 保護者の意見・要望を聞く機会として、日々の情報交換、乳児の連絡帳、年1回の個人面談を主としています。利用者家族アンケートによると、「意見や要望への対応・職員が話しやすいか・相談事への対応・懇談会や個人面談の機会」の4項目で、「どちらかといえば不満・不満」の回答が平均25%となっています。クラス懇談会の設定は、来年度からとなっていますので、それらの機会を活用したり、送迎時の情報交換の折にも保護者の意見に耳を傾け、保護者の意見や要望を聞きだす努力が期待されます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、「思いやりの心、豊かな感性を持つ子ども」「国際的視野を持つ子ども」「自ら遊びをつくる元気な子ども」で、理念の実現のために7項目の保育方針を掲げています。それらは、子どもの自発性や基本的生活習慣の習得など、子どもを基本としており、利用者を尊重したものとなっています。

・子どもに対しての言葉遣いや対応について、年度初めの職員会議で確認しています。保育中に気になる言動があった場合は、その都度、職員間で注意し合ったり、昼礼で話し合っています。

・園では、子どもを見守り、褒めることを心がけ、丁寧な言葉遣いで子どもに接し、気持ちに寄り添うよう努めています。

・友達や職員の視線を意識せずに過ごせる場所は保育室内には、特に設けていませんが、プライバシーを守れる場所として、子育て支援室やクラスをパーテーションで区切って利用しています。

・職員会議などで、性差について固定観念を持たないように話し合い、保育の中で性差による区別をしないよう心がけています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・年齢や発達に応じた教材や素材が用意され、乳児の保育室では、おもちゃ類は手の届く棚に置き、棚や机の利用、カーペットを敷いてコーナーを作って、落ち着いて遊べるようにしています。幼児では、朝夕の合同保育時に1階ホールに、コーナーを設定して自由に遊んでいます。

・園庭のプランターで、ミニトマト、オクラ、ナス、ゴーヤなどの野菜類や、コスモス、チューリップなどを栽培しています。近隣に借りている畑にサツマイモを植え、子どもたちが水やりや草取りをし、野菜の収穫後は、中を切って観察したり、絵を描いたり、食材として給食に利用しています。

・乳児のおもちゃの取り合いなどは危険がないように見守り、声をかけるなどの仲立ちをしています。幼児の子ども同士のけんかや意見の食い違いなどは、職員は、見守るとともに双方の言い分を聞き、自分たちで解決したり、自分の言葉で表現できることを大切にして助言し、相手の気持ちも分り合えるように配慮しています。

・異年齢同士が関わりを持てる場として、朝夕の合同保育の自由遊び、朝礼、週に一回の異年齢縦割りグループがあります。また年明けから午睡をしない年長児が、他のクラスの午睡後の着替えや片づけなどを手伝っています。

・乳児クラスでは、ほぼ毎日散歩や園庭遊びを行っています。幼児クラスでは、散歩は週1回程度ですが、近隣の坂の上の畑に出かけ、歩く能力の育成や健康増進に努めています。室内では平均台やマットを使い、園庭には枕木クライミングを設置して、体を使った遊びで運動能力を高めるよう配慮しています。

・食事は、子ども一人一人の食べる量や体調を把握して提供し、苦手なものが少しでも食べられたら褒め、授乳や離乳食は、一人一人のペースに合わせ、乳児では、手づかみや食べこぼしをしても自分から食べようとする意欲を大切にしています。

・幼児クラスからクッキング保育を取り入れ、献立材料をもとに、三大栄養素についてクイズ形式で問いかけるなど、子どもたちが食への関心を持てるようにしています。職員は、子どもたちに調理の話をし、食事を作ってくれる職員への感謝の気持を育てています。

・午睡時は、眠くない子どもにも、横になって体を休めることも大切であると伝えています。午睡せず、絵本を読んで過ごす場合もあります。

乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分おき、1歳児は10分おき、2歳児は30分おきにタイマーを使って呼吸チェックをし、記録しています。

・トイレットトレーニングは、一人一人の発達状況に応じて、保護者と連携を取りながら進めています。

・幼児クラスでは2、3か月に一度、バイキング給食を取り入れ、大きい子どもが小さい子どもの面倒を見たりしながら、自分の好きなおかずやデザートを、子どもたち自身で盛り付ける体験をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・「入園・進級のしおり」「重要事項説明書」に運営方針、保育方針を明記し、保護者に対して、入園説明会、進級説明会で説明しています。

・登園時に職員が保護者から聞き取ったこと、日中の様子で保護者に伝える必要があることは「引継ぎ簿」に記入し、子どものエピソードは口頭で伝えるようにしています。その日の保育の様子を「保育記録」として写真を交えて保育室に掲示し、ブログでも知らせています。

・要望苦情受付担当者は主任で、解決責任者が園長であること、第三者委員の氏名と連絡先を書面にし、保護者の目に触れる事務所の園庭側の窓に貼り出しています。

・苦情処理マニュアルを整備し、相談があった場合は、マニュアルに基づいて対応する仕組みがあり、要望や苦情があった場合は、解決策と共に各ミーティングで報告し、職員に周知しています。

・送迎時に保護者とコミュニケーションをとることに努め、意見表明がしにくい保護者へは職員から声をかけたり、意見表明ができにくい子どもには、子どもの表情や態度から思いを汲み取り、言葉かけを変えたり質問形式で問いかけるなど、自分から話せるように援助しています。

・園内はオール電化となっています。保育室の収納庫は作り付け、引き戸で、棚の上に荷物など載せないようにしています。ガラスフレームの絵や額は使用せず、ホールの窓には飛散防止ガラスを使っています。

・警備会社と契約し、各保育室に直接連絡できるシステムがあります。玄関は電子錠で、保護者はIDカードを使用することとなっています。保護者用と、業者・来客用の出入り口を別にしています。

・衛生管理に関するマニュアルがあり、入職時に職員に説明するほか、職員会議などで内容確認をしています。毎年、嘔吐処理について内部研修を行い、周知の徹底を図っています。

・2歳児の年明けから、歯ブラシを使ったりうがいを行い、3歳児クラスから食事、おやつ後の歯磨き指導をしています。職員が仕上げ磨きをしています。歯科衛生士から、紙芝居、模型を使った歯磨き指導があります。また園長が毎朝の朝会で、食事や歯磨きの大切さについて話をしています。

・「感染症マニュアル」があり、「入園・進級のしおり」に感染症発症時の対応や、登園停止基準について記載し、入園説明会と、感染症発症時にその都度保護者に説明しています。感染症が発生した時は、速やかにメール配信をし、保護者が読んだかどうかの確認をしています。

4 地域との交流・連携

・園行事の運動会、お遊戯会に、地域の高齢者、園見学者を招待しています。近隣の新吉田小学校体育館を借りて運動会を開催しています。また、中学生の夏休みボランティア体験者を受け入れています。

・おもちゃ類の寄付を受けたり世話になった方、交流のある消防署などには、子どもたち手作りの「サンキューカード」を持参しています。

・毎日の散歩や公園で近隣の方と挨拶を交わしたり、親子連れと交流しています。近隣の農協の朝市に行き、地元野菜を購入して給食に利用することもあります。新羽消防出張所に行き、消防車や署内の見学をしています。

・高齢者施設の高齢者を園の行事に招待したり、施設を訪ね、定期的に交流しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育理念は明文化され、事務所や各保育室に掲示するほか、昼礼、職員ミーティング・乳児幼児別ミーティングで、園長や副園長が説明しています。

・園長は、年1回職員との個別面談で基本方針が理解できているかを確認し、副園長・主任は、日誌の記載内容などから基本方針が浸透しているかを読み取って、職員の指導をしています。

・園長は、港北区公立私立保育園園長会、私立保育園園長会、横浜市園長会などに出席して、保育の動向や現状を把握・分析し、園として重要な情報は、園長・副園長・主任・副主任と共有し、課題として明確化を図っています。

・幹部職員で話し合って抽出した課題は、職員ミーティングなどで日常的に職員に伝え、園全体の課題として取り組んでいます。

・社会福祉法人聖会港北コスモス保育園の短期計画(単年度)・中期計画(5年)・長期計画(10年)として、「組織能力の機能・役割」「保育的機能・役割」「子育て支援事業及び連携事業の機能・役割」を項目として、策定しています。

・次世代の運営に備えて、設置法人は幹部の養成を行い、人材育成や産休・育児休業が取りやすく復帰しやすい環境を整えるなど、後継者の育成を検討しています

6 職員の資質向上の促進

・園内研修は、救命救急・嘔吐処理・英語指導など、必要な研修を行っており、全職員は参加できます。また、全国保育団体連絡会や日本保育協会の大会や研修会に参加するほか、地域の保育園に実地研修に行っています。

・研修結果は報告書にまとめ、職員ミーティングで発表して共有し、また、研修内容を検討して、次回の受講に活かしています。

・非常勤職員に対しては、指導は主任が担当し、副主任が職員ミーティングの内容を伝え、研修報告は回覧して、資質向上を図っています。主任と副主任は、職員の体調や家庭の状況を把握し、常勤職員と非常勤職員の仲立ちするなど、チームワークを大切にしています。

・職員は、日々の日誌や指導計画を定型化し、評価・反省欄は、子どもの変化や子どもの成長の様子、指導に対して取り組む過程を重視して自己評価し、園としての自己評価は、2年に1回行っています。

・乳児幼児別ミーティングを月1回開催し、保育を振り返って話し合い、質の向上を目指した会議となっています。

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