かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

日野保育園(4回目受審)

対象事業所名 日野保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 尚徳福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0053
港南区日野中央3-41-1
tel:045-833-1849
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】

 本園は昭和46年(西暦1971年)71日に横浜市立保育園として開園され、平成19年(西暦2007年)41日に横浜市より民間移管が行われた保育園です。本園は港南区の最北部の、隣の磯子区との区境い近く立地しており、最寄りの駅は磯子区のJR洋光台駅で、徒歩10分の所にあります。園の周辺は戸建て住宅の区画で、園の南西部より5階建の県営日野団地が広がっています。そのような立地のために、園は港南区と磯子区にまたがる地域交流の機会を持っており、両区の子育て支援に関し、最大限にその特徴を活かしながら園運営を行っています。

 運営法人の理事長が小児科医であり、医師の立場から健康管理体制や保健計画を指導・立案し、園は盤石の体制を持って運営されています。

 

【特に優れていると思われる点】

 

今回の第三者評価に際しての保護者アンケートでは、本“保育園を総合的に評価すると、どの程度満足していますか?”という問いに対して、「満足」「どちらかと言えば満足」と回答された方が98%を超え、非常に高い満足評価が得られております

 

1.民営化による運営の自由度の活かした運営

 園長は運営法人の理事を兼任するなど、園経営に責任を持ち、法人の保護者の負担は最小限度にとどめるという姿勢を貫き、働く保護者の便益を図っています。給食の主食は持込みか、園提供かの選択も自由とし、年2回のバス遠足も無償で実行するなど、子ども、保護者の利益にも配慮しています。

 公立の時の朝夕の保護者対応で、福祉員が行っていた制度はやめ、保護者対応は主として、子どもの園での生活状況を一番よく知っているクラス担任が行い、迎え時間の関係で会う機会が少ない場合には、シフト調整を行い、会える回数が増えるように配慮しています。

 

2.子どもの生活経験の幅を広げる地域と人との交流  

 築40年の県営日野団地は高齢者世帯が殆どという地域の特性に配慮し、園は高齢者との交流を目玉とした「異年齢保育年間計画」を作成し、団地住民「あじさいクラブ」さんとの交流を年間7回行い、その他多様な異年齢保育プログラムが多く組まれており、これが園の保育の中核を形成しています。「あじさいクラブさんとの交流」では、5歳児が近隣の公園で「グランドゴルフ」を教わりながら楽しみ、恒例の「大学芋パーティ」では、園に「あじさいクラブ」メンバーを招待して、子どもたちが調理体験で作った大学芋を一緒に味わっています。 

 

3.日々の子どもの園内生活を保護者に伝える工夫

 園では、連絡帳やホワイトボードで子どものその日の生活内容を、詳しく伝えるとともに、毎日、その日の子どもの園内生活を、登園している子どもが全部写っているように何枚も写真に撮り、貼りだしています。保護者はクラス担任の言葉や、ホワイトボードの文章に加えて、自分の子どもが楽しそうに遊んでいる写真を見ることで、安心感を抱いているようです。

 

特に改善や工夫などを期待したい点】

1.子どもが好きなおもちゃを自由に取り出せるスペースの工夫を

・低年齢児はおもちゃで過ごす時間が長いので、好きなものを十分に取り出せるようにおもちゃの置くスペースの工夫(他の場所に移動してもいいものとチェンジする、おもちゃを短いサイクルで入れ替える)など、今一度見直しを期待いたします。

 

2.不審者対策における保護者不安の払しょく

・アンケート結果からみると、外部からの不審者侵入を防ぐ対策について、保護者の中に若干、不安を感じている方もいるようです。保護者会と十分に話す機会を持たれることを期待します。

 

3.随時の保育参加・保育参観の呼びかけ

・保育参加、参観は随時自由に、ということを入園時や保護者会でも伝えていますが、参加者はほとんど皆無の状況です。保護者会や大きな行事の保護者参加はありますが、随時「園だより」などで「保育参加」、「保育参観」の呼びかけを行い、保護者の関心度を高める工夫を期待します。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・法人の保育方針にも子ども達の健康と安全を確保し、安定した心で自己発揮のできる場を提供すると掲げています。職員会議やクラス別ミーティングでも周知しています。子どもに対して強制や押しつけ、禁止言葉、命令口調にならないよう、子どもには穏やかに分かりやすい言葉で話すように努めています。

・子どもの人格や自尊心を傷つけることのないよう常に理念を思い起こし、研鑽に努めています。

・保育室のコーナーや押し入れの下、廊下にはテーブルセットを置き、子どもが人の目線を気にせずに、ゆっくりと過ごせるようにしています。普段から事務室が特別な部屋だと意識しないよう絵本やおもちゃを置いて入りやすくし、必要に応じて事務室も開放し、11で落ち着いて話せるようにしています。

・「個人情報の保護」に関しては、守秘義務の意義や目的は入社時の研修で周知を図り、ボランティアや実習生にも受け入れ時に説明し、誓約書を提出してもらっています。

・園で使用する持物は男女共通で遊び、行事の役割や服装、外出時は帽子の色でクラスをわけ、整列は性別にしていません。常に職員自身が自分の人権意識を見つめなおすとともに、保育中に無意識に性差による固定観念を植え付けるような言葉が出ていないか職員間で確認し合いミーティングなどで研鑽に努めています。

・出前講座を港南区が専門家を派遣して園で開催、昨年は「虐待」、今年は「発達障害」がテーマで職員のスキルアップを図っています。虐待については過去に事例があったために虐待の内容は全職員に周知し、職員は気付いた事を早期に園長主任に報告する事が義務づけられています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・乳児クラスは職員が子どもの興味や希望に沿いながらおもちゃを準備しています。幼児クラスではお絵かきしたい時や絵本が見たい時はいつでも棚から取り出して遊べることができます。

・環境構成では年数回、法人が専門家に依頼し保育室や園庭を見てもらい、また、遊びの工夫のアドバイスも受けています。

・おもちゃや絵本、ぬいぐるみの遊びからお店屋さんごっこに発展したり、別の場面では子ども達が作った折紙から水族館に発展した事例もあります。

45歳児は園庭にあさがおやひまわりの種を蒔いて育て、5歳児はサツマイモの苗を植え付け、11月の収穫期には15歳児が「お芋ほり」を体験しています。恒例の「大学芋パーティ」では地域の老人会の方を招待し、5歳児が調理体験で作った大学芋を一緒に味わいました。近所の方からはお芋がたくさんできる植え方を教えてもらいました。

・幼児は各クラスで季節の野菜を栽培し、水やりや草取りの体験をしています。5歳児は当番活動の一貫として給食室の食材見学や調理員の話を聞いてクラスで発表し、食に興味、関心が持てるようにしています。

・毎月末に翌月の献立表を保護者に配布し、旬の食材、給食の材料や栄養価などを記載しお知らせしています。      

・給食は写真で撮ったものを保育室の出入り口に掲示しています。試食については冬の幼児懇談会終了後に子どもと一緒に食べる機会を設けており、毎回各クラスとも約10組の参加者があります。 

・障がい児は保護者同意の療育センターの巡回訪問が年1回あり、子どもの様子を観察し相談、助言を受けています。

・午睡時はカーテンを引き、安心して眠りにつけるようオルゴールのBGMを流し、照明や室温にも配慮しています。どのクラスも食事と午睡の場所を分けています。

・トイレットトレーニングは12歳児は一人ひとりのリズムに合わせて声かけし、幼児クラスでは行きたがらない子どもには個人差を尊重して個別にトイレに行くようにし、子どものストレスにならないようにしています。また子どもの発達状態や現在の状況を見てどのようにして進めていくかを保護者に十分説明し、同意を得て進めています。ミーティングやケース会議などで全職員が把握しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育理念「子どもの健康と安全、自己肯定」、「地域に根ざした保育」に加えて、保育目標 園目標の三つの方針は語句の表現が明確に連動し、分かりやすいものになっています。平成19年横浜市より移管された運営法人、社会福祉法人尚徳福祉会<本部鳥取県>の理事長が小児科医であり、子どもの保育に強い熱意を抱き東京、川崎、横浜に7保育所を運営しています。

保育課程は「保育所保育指針」に則り築40年の団地には高齢者世帯が殆どという地域の特性に配慮し、高齢者との交流を目玉とした「異年齢保育年間計画」を作成し、団地住民の「あじさいクラブさんとの交流」を年間7回行っています。

・個別指導計画は0歳児と障がい児に作成され、2歳児までは個人別の保育の反省、評価が日案、月案で行われています。

・評価、計画変更にあたっては、園長・主任に報告・承認を得て、カリキュラム会議で他職員の意見を聞き、認識の共有を図っています。

・個別指導計画は3ヶ月に一度作成し、日々保育日誌に記録し年度末には「児童評価票」に記録します。

・アレルギーについて、児童票と入所時面談票で報告を受け、医師の診断書「生活管理指導表」を基に看護師を含め誤食予防、万が一の対応方法を周知し保護者、園長、担任、調理と連携して献立を検討し、除去食を提供しています。食事はアレルギーのある子どもにはイスと食卓がセットになった特殊な食卓を専用に使い、担任の責任において必ず担任が配膳し、常時傍にいて一緒に食べる事を徹底し、誤食防止に努めています。  

・当園には帰国子女等はおらず園長はカナダの幼稚園を視察し欧米系の生活習慣、言語などに知識を有しています。意思疎通が困難な保護者の場合は、通訳ボランティアの派遣を要請できます。

・嘱託医による健康診断は年2回、歯科健診は年1回、身長・体重測定は毎月実施しています。診断の結果は健康カードと健康台帳の個人ファイルに記録し、保管しています。             

・健康診断は、事前に一人ひとりの年齢月齢にあった「問診票」を作成し、気になることや聞いてほしいことを書いて結果は、「健康カード」と口頭で伝えています。

・「清掃マニュアル」に基づき各保育室、各トイレは消毒液を使用し「毎日拭くもの(週1回洗う)」の一覧表を作成し、清掃後はチェックを入れて清潔を保っています。清掃や汚物処理等は使い捨て手袋で処理し、手洗い後はペーパータオルを使用しています。   

・「安全管理マニュアル」を基に災害を想定して、各保育室のロッカーや収納棚の転倒防止策や、ガラスには飛散防止フィルムを貼り安全策を講じています。園舎内外のチエックリストを作成し、毎日実施するもの、週1回実施するものに分けています。早番が安全点検するもの、遅番の安全確認のチエックリストがあり、鍵は「鍵の管理表」に記入することになっています。

・入園時に保護者の緊急連絡先やメールアドレス、非常時引渡確認簿を登録してもらい、毎年更新しています。

・年間の「消防訓練実施計画」が策定され地震、不審者、炊き出しの訓練のいずれかを、想定場所や想定時間を変えて月2回以上実施しています。AED設置に伴い救命救急法について園内研修で看護師より全員が指導を受けています。

・「不審者対応マニュアル」を設置し、年に3回不審者侵入の訓練を実施し、訓練後気づいた点を見直しています。警察、港南区、他小学校、保育園から不審者情報のFAXやメール、電話が入る仕組みになっています。
4 地域との交流・連携

・地域住民の「あじさいクラブさんとの交流会」が年間7回園内、公園で開催、異年齢交流のイベントで同園の地域交流の最大の目玉行事となっています。

・地域住民の声は園長と主任が運動会など大きな行事があるとき近隣住宅を戸別訪問「地域の皆様へ」のお知らせを手渡しで配布しその際生の声、意見をきいています。

・地域住民が参加できる行事として交流保育年3回、園庭解放、園行事など多種類あり、エリアを広げて5歳児の地域保育園との合同イベントが港南区の「なかよし交流」が年3回、磯子区の「5園交流」年7回など地域が熱心です。

・港南区は子育て支援に熱心で、子育てに関して行政、民間とも一丸となって当たっています。関連団体は多く、子育て支援拠点「はっち」、区福祉保健センター、港南区子ども家庭支援課、南部地域療育センター、南部児童相談所、病院などリスト化され園長が担当して窓口を一本化し、日常的な連携をとっています。園庭解放の際にパンフレットを置いて地域住民に広報しています。

・育児相談は電話での予約で相談にも応じています。園見学の際に、見学者から気軽に相談を受けています。年間30組の見学者を迎え入れています。

・園からのお知らせ、案内は、区役所を通して3か月ごとの情報誌「遊びにきませんか」にまとめ、地域ケアプラザ、子育て支援施設、近隣団地に配布しています。港南台駅には3ヶ月ごとに情報誌や周辺保育園共同の看板を出しています。

・園行事(夏まつり、運動会、移動動物園、人形劇)には、区役所の園用「ウォールポケット」へのチラシ配布などで、地域の親子の参加を募り、近隣団地の敬老会「あじさいクラブ」の方も招待しています。また、「あじさいクラブ」の方に、年長組の「グランドゴルフ」指導をお願いし、子どもたちも興味津々で指導を受けています。 

・近隣小学校とは、年長児が小学校を訪問して小学生と一緒に遊んだり、学校内の見学を行い、また、中学校からは「職業体験」を受け入れて地域と積極的な連携を図っています。

・園庭開放や、夏場は「プール開放」なども行い、また、「AED」を装備していることを掲示板で地域に周知しています。

・横浜市ホームページ「ヨコハマはっぴねすと」に必要情報、料金体系、職員状況、保育園の定員や空き情報、保育方針が掲載されているほか、地域子育て支援NPO団体「ちゅーりっぷ」が発行する広報誌にも園情報や活動内容を掲載しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・法人の「経営・運営理念」、「服務規律・コンプライアンス」を全職員に配布し周知しています。ネット、新聞や理事長からのメール等で、他施設で起きた不適切な事例(虐待など)について、内容を全職員が回覧し、会議やミーティングで研修を行い、社会福祉施設に勤務する職員としての自覚を持つように、職員の心構えを促しています。

・ごみ減量化とリサイクル対策として、ゴミの分別を明文化し、職員、園児で共に取り組んでいます。コピー用紙の裏がみをコピー用に再使用しています。ごみの分別、資源の再利用、省エネ対策に関する活動は園便りを通して保護者へ周知しています。

・省エネルギー促進の為に、すだれやよしず、日よけを使用して、夏の直射日光を防いで、室温の上昇を遮っています。砂場にはのうぜんかずらを栽培して、グリーンカーテンとして日よけの役割を果たしています。「花と緑の協会」に所属し、積極的に園庭や周辺の緑化に取り組んでいます。一年を通して室温に配慮し、冷暖房の調節をこまめに行うと共に、使用していない場所の電気のスイッチを切っています。

・園長は重要な意思決定の際には、予め保護者に文書を配布して意見を募ったり、アンケートを実施して、出来る限り保護者の総意を尊重しています。また、その目的決定理由などは、お知らせや園だよりなどで十分説明しています。職員に対しては、職員会議にて説明をしています。重要な意思決定に際しては、法人本部の保育所を統括する部署とも連携して、保護者への説明などを行っています。
6 職員の資質向上の促進

・本部と園では協力して、「人材育成ビジョン」として、職員の経験年数で「新人」、「3年目」、「7年目」、「8年目以上」の区切りで必要とする能力や研修内容へも言及する「期待水準表」を作成しており、このビジョンに基づいて人材育成を行っています。

・職員は年3回、「期待水準表」に基づき「自己評価」を行い、その中で資質向上に向けた自己目標を設定し、年度初めに「年間研修受講目標」を提出し、園長面談を経て職員本人に必要とされる「研修計画」を作成し、また園長面談において達成度の評価を行っています。

・園内研修は「衛生管理」、「アレルギー誤食防止」、「保護者対応」、「電話対応」、「プール」、「救急法」、「文書(日誌、たより、連絡帳)記載」、「写真ビデオ」など保育の重要要素をテーマにし定期的に行い、日にちも23回に分けるなど、全職員が参加できるようにしています。

・非常勤職員に関しても、業務に関係する「保育業務マニュアル」を個別に配布しています。非常勤職員に対しても園外研修に参加したり、園内研修や研修報告会に出席できるようにシフト時間に配慮したり、職員会議にも出席してもらい、資質向上に努めています。

・非常勤職員の指導は園長、主任がこれを担い、職員間のコミュニケーションがうまくいき、保育がスムーズに進めるように配慮しています。

・職員一人一人は、キャリア別の「期待水準」を基に「自己評価」を実施ており、年度末には各クラスから「自己評価票」を提出し、保育所全体の自己評価としています。

・主任クラスを計画的に育成するプログラムとしては、主任クラスに対しての「期待水準票」があります。その他、外部の「主任研修」(リーダー研修、家庭支援研修等)に参加して、学習する機会を作り、主任としての役割を果たす取り組みを行っています。

・実習生に関して次世代育成のために積極的に受け入れていて、受入れに際しては職員、保護者に基本的考え方、方針を職員会議や園だよりなどで掲示・説明しています。実習に際しては、実習生の希望する実習内容、クラス希望などを聞き、実習生の習熟度に合わせたプログラムを組み、部分実習(手遊び、絵本芝居読み、ピアノ演奏など)や責任実習などをクラス担任などが支援して実践しています。実習期間中、日々の実習終了後に担当職員との話合いの場を設け、翌日の実習に活かせるように軌道修正をしつつ、実習最終日には、関係した全職員と一堂に会し反省会を行い、貴重な意見は保育実践に活かすようにしています。

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