かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

つくし保育園(2回目受審)

対象事業所名 つくし保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0023
幸区戸手本町2-420-1
tel:044-223-7531
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2016(平成28)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>

 つくし保育園は平成21年4月1日に開所した定員120名の保育園で、運営法人は川崎市内に障害者施設や高齢者施設、児童施設を多数運営している社会福祉法人川崎市社会福祉事業団です。園舎は3階建てで屋上にプールと畑を設置し、園庭にはブランコ、滑り台、砂場、ジャングルジムなどの遊具があります。南向きの日当たりのよい園庭は、夏は日よけネットを職員が屋上から園庭の木まで張り、一面を覆うように工夫しています。畑では、サツマイモ、ジャガイモ、大根などを園児たちが1人ずつ栽培しています。園庭にはみかんの木があり、クローバーや菜の花などが彩りを添えています。

 園の目標として、「心も体も健康な子ども」「友達と一緒に楽しく遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現する子ども」「楽しく食べる子ども」を挙げています。保育士、看護師、栄養士等経験豊富な職員が連携して保育に臨んでいます。開所当時から勤務している職員も多数おり、職員みんなで園を作ってきたとの自負を持っています。

 事業団の基本理念に基づいた地域に根ざした園運営を行うため、年6回土曜日の午前中に、保育室を地域の親子の交流の場に提供しています。

 

 

<特によいと思う点>

1.食を通じ感謝する心を育てる食育活動が子どもの成長につながっています

 年間食育活動計画を策定し0歳児から各年齢に応じて食育活動を行い、栄養士が年数回、からだのしくみ、バランスの良い食事や噛む大切さなどについて話をしています。園庭やテラスなどの畑で年間を通じ各種の野菜を栽培して、子どもたちが収穫した作物を調理して食べたり、食育を通して伝統的な風習に触れることで子どもの成長につなげる様にしています。食育活動の様子は写真撮影し、その都度掲示しています。

 

 

 

2.異年齢の交流で、思いやりや憧れを持ち自主性を育てる保育になっています

 広い園庭で異年齢の子ども達が元気に遊び、保育室の前の広い廊下を利用し、みんなで絵本を読んだりしています。園庭で遊ぶときには、年齢ごとの遊びができるよう時間をずらして出るようにしていますが、異年齢で遊ぶ時間を持つことも大切にしています。「なかよしデー」を設け、3〜5歳児の子どもたちが異年齢で3つのグループを作り、そのグループでルールのある遊びを楽しんだり、一緒に会食をしたりしています。このような機会を通して年下の子どもは年上の子どもに憧れ努力をしたり、年上の子どもは年下の子どもをいたわり、お互いに自主的にかかわる気持ちが育まれています。

 

3.研修による質の向上により、保護者との信頼関係構築、地域の子育て家庭への支援、障がい児とその保護者の支援につなげています

 法人理念に基づき職員は「児童憲章の精神を尊重し、広く児童福祉の目的と使命を自覚し、法人職員としての理念に基づき職務に当たる」ように努めています。園長は、質の向上のために研修内容の充実を図り、参加しやすい体制作りに努めています。保護者との良好な関係を構築するため、「見える保育」を意識した情報提供を行っています。また、土曜サロンや園庭開放を通じて、地域における全ての子育て家庭が安心して子育てできるよう支援を行っています。川崎南部地域療育センターとも連携し、障がい児や支援児とその保護者の支援に努めています。

 

<さらなる改善が望まれる点>

1.保護者からの質問にすべての職員が同じように回答できる仕組みづくりが期待されます

 保護者からサービス内容について質問があった場合、すべての職員が同じように対応できるよう対応方法フローチャートの再確認や、保護者にもう少しわかりやすい情報提供の方法などを検討されてはいかがでしょうか。

 

2.障がい児や支援児とその保護者の支援について、先進的な保育園としての取り組みが期待されます

 障がい児や支援児とその保護者の支援について園として取り組み、保育の人員については、支援・援助を行う職員など必要な人材を適正に配置しています。保護者に対しては、時間をかけて話し合い安心して子育てができるよう支援しています。また、川崎南部地域療育センターとの連携を図り、ケースワーカーや作業療法士からの具体的な指導を受け、市の心理職からも助言をもらい保育に生かすなどしています。保育士全員が発達障害児の保育力をつけグループとして保育できるようにしたいとしており、今後に期待します

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念に「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」を掲げ、保育の基本方針に「川崎市子どもの権利条例」による子どもの権利を守る保育園を挙げ、また保育日誌に児童憲章を記載しているなど子どもの尊厳を尊重して保育を行うことを方針としています。保育の考え方として、「年齢発達をふまえ、子どもの気持ちに寄り添い遊びや生活の援助をする」ことも表明しています。

子ども一人ひとりの意思を尊重し、自己肯定感を大切にしています。また「年齢発達をふまえ、子どもの気持ちに寄り添い遊びや生活の援助をする」保育の考え方に沿って、特にオムツ交換やトイレトレーニング・食事指導・場面の切り替えなどの保育を行っています。担任は、他クラスの担任、フリーの職員とも連携して場面の切り替えがスムーズにできない子どもに対応し、気持ちを尊重しながら援助するようにしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

35歳のクラスには連絡票を各クラスに用意し保護者が意見を出しやすいようにしています。また、保護者とは送迎時に子どもの様子を連絡帳だけではなく口頭で話すことを心掛け、挨拶など、細やかなコミュニケーションに配慮して保護者の気持ちや、要望を把握できるように対応を心掛けています。

登園時に保護者から口頭で子どもの体調や様子を聞き、連絡表でも家庭での様子などを確認しています。保護者からの連絡事項は特例ノートに記入し、職員に周知しています。登園時、職員が気になる点等について必ず保護者に確認しています。基本的な生活習慣(食事、トイレ、着替え等)の自立については、子ども一人ひとりの成長に合わせて家庭と連携し、出来ないことも長い目で見てトレーニングを続けるようにしています。0〜2歳児までは生活記録連絡票を見て家庭での様子を把握しています。

食事のメニューは季節感を考慮したものを提供し、味付けの基本は、時間をかけて天然だしをとり薄味にしています。また、食育活動に力を入れ取り組んでおり、野菜を栽培し成長を観察したり、触れたり、収穫するなど年齢別の食育計画があります。身近で作物が成長していく様子の過程が見られることで、食材への興味、関心へとつなげています。さらに、収穫後は調理保育を行い、食べる意欲や喜びにもつながっています。

アレルギー対応の子どもは保護者、栄養士、看護師、担任と面接を行いアレルギー内容を確認し、個別対応をしています。個人メニューの除去食品の内容をミーティングノートに担任が記載しています。毎朝、給食業者と栄養士が除去内容を確認しています。家庭から持ってきてもらうものについては、受け取った職員がサインしています。マニュアルに沿って確認を行い誤配膳を防止しています。また、急な体調の変化にも栄養士、看護師と相談し配慮食で対応しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

法人の園合同の保育理念に基づいて、「心も体も健康な子ども、友達と一緒に楽しく遊べる子ども、自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども、楽しく食べる子ども」という園の保育目標に、子どもが自発的に近づけるよう、心身の調和的発達、自主性、基本的な生活習慣などを年齢別に日常のプログラム、行事に取り入れ子ども達を支援しています。

保育運営マニュアルに手順が定めてあり、それに従いアセスメントを実施しています。児童票、健康記録表、指導計画書を作り、年・月カリキュラムから週案に移しています。必要に応じて園長、栄養士、看護師も加わり見直しをしています。保育計画や指導計画は法人の5園合同の保育課程をもとに地域の実態、周囲の環境及び保護者の就労状況なども考慮して作成しています。指導計画書は、園目標に沿って職員会議で話し合って立案し実施しています。

怪我・病気・事故、安全管理、衛生管理マニュアルが完備されています。感染症については看護師が園内研修を行い最新の情報を更新しています。職員によって分担し作成されたマニュアル類は、職員全員に配付され、内容の点検と定期的な見直しは職員会議で実施しています。必要に応じて改訂版を作成し、職員の気づき、提案なども随時、会議で検討し取り入れています。また、事故を未然に防ぐ対策として、ヒヤリハット集計、事故報告書を記載し再発防止に努めています。

苦情受付担当や苦情責任者及び第三者委員を設置しており、園内掲示板に掲示しています。苦情受付の掲示やご意見箱を設置しており、随時受け付けています。苦情に対しては速やかに対応し、利用者(保護者)と面談したり、改善に向けて会議で検討しています。

 

4 地域との交流・連携

地域社会に向けてホームページやパンフレット等で情報を開示しています。地域向け事業として、月曜から土曜までの午前中園庭開放する他「土曜サロン」と題し年6回土曜日の午前中に園内を開放し、地域の親子の交流の場を提供しています。離乳食の進め方や育児相談など具体的な相談も多く、取り組みを評価する声も聞かれます。幸区の依頼で他園の職員対象に、和太鼓指導や看護師による保健指導等、公開保育を実施しました。ボランティアを次世代育成支援の立場から積極的に受け入れ、幼い子を愛しむ心を育てるよう努めています。

川崎市幸区認可保育園長会議、市の地域ネットワーク会議、幸区支援室の企画の要支援会議等、関係機関との定期的な連絡会に参画し、情報交換したり虐待について地域でできる組織作りを検討しています。また地域向け事業として、地域の子育て家庭支援のため月1回園児も交えた読み聞かせ、月曜から土曜まで午前中実施している園庭開放を実施しています。活動を通じて、地域における全ての子育て家庭の「相談事業」や「親子の交流の場の提供」の充実を図っています。さらに、川崎南部地域療育センターのケースワーカーや作業療法士から食事や関わり方などの具体的な指導を受け、保育に活かしています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

法人理念を掲示し、職員は会議や研修で理解を深め「児童憲章の精神を尊重し、広く児童福祉の目的と使命を自覚し、法人職員としての理念に基づき職務に当たる」ように努めています。園の保育目標はパンフレットにも記載しています。保護者には、保育説明会、園便りなどを通して「みえる保育」を意識して家庭と園の生活の連続性を考えた対応と保護者の視点にたつ情報を提供する工夫をし、理解を得るように努めています。子どもには保育の場で、職員は子ども一人ひとりを大切にし見守っていることを話したり、スキンシップをしたりして信頼関係を築いています。

法人は平成23年に中長期計画を策定し、園もその計画に沿って運営を行っています。中長期計画の概要を正規職員全員に配布し、研修でも触れその浸透に努めています。中長期計画に基づき、園では年度単位の事業計画を策定しています。計画は、園長が中心となり、リーダー会で職員の意見も取り入れ、方針、重点目標にそって、事業内容を項目に分けて策定しています。職員全員に配布しその内容を、行事の確認、子どもの支援、職員の資質向上に結びつけて園長が会議で説明しています。

園長は、園で提供するサービスの質の向上に取り組み指導力を発揮しています。園内研修を主催し、さらに法人主催の保育園研修に積極的に参加して専門性を高めるよう職員に働きかけています。保護者との良好な関係作りにも取り組み、保護者会で行事について意見を聞き協力を要請したりしています。さらに、気になる子や発達障害児の保護者と時間をかけて話し合い、安心して子育てができるよう支援し、保育士も保育方法を勉強することを奨励しています。保育士全員が発達障害児の保育力をつけるように指導しています。

 

6 職員の資質向上の促進

市の配置基準に基づき、保育士、看護師、栄養士、発達が気になる子どもへの支援・援助を行う職員など適正に配置しています。法令、規範、倫理等の研修を法人が実施し、園でも児童憲章や「川崎市子どもの権利条例」に触れ、周知徹底しています。法人全体で、目標管理制度を採用しています。園長は、職員と年3回面接を行い、目標設定、振り返り、次年度目標設定など指導し、人事考課を行っています。次世代育成支援の立場から実習生を積極的に受け入れ、地域の療育センターの職員の保育園の見学実習も受け入れました。

園長は、職員に各種研修に積極的に参加し、質の向上を図るよう指導しています。研修に参加しやすいようにシフトの調節を図っています。園内研修は4つのテーマ別に行い、職員はいずれかに属しチーム内でまとめ報告会を行い効果を上げています。さらに、地域療育センターの専門職指導の下、専門的対応や知識・技術を具体的に学び、障がい児や支援児に対する保育力を職員全員が身につけるように取り組んでいます。決定された年間研修計画に従って、園では各職員の年間の研修計画を立てるようにしています。

園長は、日々の勤務のシフトや時間外勤務を把握し、特定の職員に偏っていないか確認しています。夏季の登園園児数が少ない日に職員に休暇を取ってもらったり、職員同士で勤務変更し都合をつけるなどして休暇が取得しやすいようにしています。園長は職員同士のチームワークを良好に保つことに気を配り、職員の頑張りを言葉に出して認めるなど働きやすい環境や雰囲気作りに努めています。

 

 

 

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