神奈川県社協について

事業報告・決算、社会福祉法人現況報告書

更新日:平成286月10日

平成27年度 神奈川県社会福祉協議会事業報告・決算

  平成27年度は、生活困窮者自立支援法や子ども・子育て支援の新制度の施行、地域包括ケアの推進に向けた各種施策や社会福祉法人制度改革等を盛り込んだ社会福祉法改正など、社会福祉制度・施策の大きな転換期となりました。
本会においても平成27年度は「神奈川県社会福祉協議会活動推進計画(平成23年度から27年度まで)」の最終年次として、計画目標の達成に向け、地域における総合相談体制の構築に向けた各種の取り組みや権利擁護の体制づくり、福祉・介護人材の確保・育成等の取り組みを進めるとともに、生活困窮者自立支援制度に基づく新たな取り組みを開始しました。また、地域福祉の推進に向けて分野を横断する課題についてとりまとめ、積極的な提言活動を行いました。
  以下、主要事業を中心に、平成27年度の取り組みの概要を報告いたします。

基本目標T 多様な主体の参加と協働による福祉コミュニティづくりの推進
生活困窮と社会的孤立が関連付けられ、身近な地域でのつながりづくりが課題となっている中で、新たな制度動向とボランティア・住民活動の関わりのあり方などを地域や種別を越えてともに学び、市町村社協、民生委員児童委員など多様な主体と協働して住民参加による福祉コミュニティづくりに取り組みました。また、制度の狭間の課題の解決に向けたセルフヘルプ活動の支援の輪を地域に広げるためにグループ支援や関係機関・団体等の取り組みを支援しました。

推進項目1 住民の主体的な参加に向けた理解促進・参加機会の創出と当事者エンパワメントへの取り組み
〇 介護保険制度改正による新たな介護予防・日常生活支援総合事業におけるボランティア・住民活動の役割や取り組み課題を専門職とボランティアなどの地域福祉活動の担い手がともに考える場づくりや、施設職員と社協職員の合同でのボランティアコーディネーター研修の実施など、地域や種別を越えて情報交換や交流を深める機会づくりを積極的に行い、ネットワーク構築を進めました。
○ 助成事業の再編により、重点を置くテーマの設定や審査基準の明確化等を図り、今日の多様化する福祉課題や地域ニーズの解決に取り組む地域福祉活動や広域的な実践活動等への支援を進めました。また、会員をはじめ幅広い方々からの一般寄附金や招待行事、企業の社会貢献活動など、寄附や社会貢献活動の理解を促進し、多くの団体等を支援することができました。
○ 既存の制度では対応しづらい福祉・生活問題が多様化する中、セルフヘルプ活動の支援の輪を地域に広げるためにグループ支援や関係機関・団体等の取り組みを支援するとともに、大学生等をはじめ若い世代にもセルフヘルプ・グループの取り組みについて具体的に発信することができました。また、セミナーの企画運営の協働を通してセルフヘルプ活動を行う団体同士のつながりづくりを支援しました。

推進項目2 地域の状況に応じた福祉コミュニティづくりの推進
○ 新たな制度・施策動向と社協の対応を軸に据え、総合相談機能の強化や住民主体の支え合い活動の充実につながる階層別・課題別の会議や情報交換、研修等を実施し、全国的な動向や関連事業における市町村行政等との調整、連携・協働の課題等の実態を市町村社協と共有しました。モデル事業(助成や専門職の派遣)を通して、地区レベルの生活困窮者支援等の取り組みに参画しました。
○ 平成29年度の民生委員制度100周年を視野に、民生委員児童委員が活動しやすい環境づくりに向け、住民や関係機関・団体の正しい理解が進むよう広報の手法等を工夫し、周知を図りました。また、各種の研修会では民生委員児童委員が主体的に参加しやすいようワークショップ形式を取り入れたり、具体的な事例等を用いて学ぶなどの内容充実を図りました。

基本目標U 利用者本位の福祉サービスの実現
身近な地域における権利擁護の取り組みが進むよう、高齢者や障害者等の支援にかかわる専門機関や当事者団体と連携しながら取り組みを進めました。また、福祉施設経営指導事業と自己評価、第三者評価、苦情解決等の各事業と連携した、社会福祉法人や施設の健全な経営・運営の強化に向けた取り組みや、福祉・介護人材の確保・育成の取り組みを拡充・強化し、福祉サービスの質の向上に努めました。
推進項目3 身近な地域における権利擁護相談体制づくりの推進
○ 単身世帯の増加等により、社会的な課題となっている身元保証や死後事務について、求められる保証機能のあり方について段階的に検討を進めるべく、今年度はニーズ把握のための調査を実施し、理念的整理や基本機能の検討を行いました。
○ 日常生活自立支援事業への理解を深めてもらうための資料として、市町村社協との協働により実践事例をまとめた事例集を発行し、関係機関・団体や関係者と情報共有を図りました。
〇 法人後見事業や市民後見人養成の取り組みが県内各地で積極的に展開されるよう、制度の普及啓発や利用促進に向けた情報交換会や意見交換会の地域開催を拡充しました。市民後見人の養成に併せ、身近な市町村域における権利擁護・成年後見センター設置への動きが進みました。

推進項目4 福祉サービスの質の向上に向けた、法人・施設等への支援と人材確保・育成に向けた取り組み
○ 「かながわライフサポート事業」では、本事業の全国的な広がりを受け、本県で社会貢献活動推進会議を開催し、28都府県から参加を得ました。また、中間的就労についての検討結果をまとめた冊子を発行し、幅広い関係者から反響がありました。
○ 施設部会を中心に、マイナンバー対応や災害発生時対応など時宜にかなったテーマに取り組み、広く会員の参加を促進しました。また、かながわ高齢者福祉研究大会では施設相互の交流連携・人材育成の機会とするとともに、映像記録資料の作成により、介護現場の最前線や介護の仕事のやりがい等を広く発信することができました。
○ 第三者評価の意義や効果を実感できるような体験報告等を盛り込んだ説明会を実施し、第三者評価の受審促進に努めました。また、自己点検・評価活動の促進に向けた利用者意向調査キットは、報告書を職場内研修資料に活用する事業所・施設をはじめ、サービスの質の向上に具体的に役立てられました。
○ 苦情解決責任者等を対象に開催した苦情解決研修会では、パネルディスカッションやグループワーク形式での事例検討を取り入れるなど工夫を図りました。また、苦情相談の傾向を踏まえ、関係機関との連絡調整や事業者団体と研修会等に関して意見交換を実施しました。
○ 福祉人材センター機能の強化を図り、窓口での丁寧な相談対応とともに、出張相談などによる相談窓口の地域展開や市町村社協や事業者団体等との協働による就職相談会等を地域密着で実施することにより、採用件数の増加につながりました。また、特に中高生など将来の担い手として期待される若年層に向けた啓発に積極的に取り組みました。
○ 「キャリアパス対応生涯研修課程」をはじめ各種研修を実施し、福祉従事者の学び合いや交流を進めました。また、現場の研修ニーズに応じた新規研修の実施とともに、職場内研修の支援に向け、スーパービジョンの実践をまとめた事例集を発行しました。

基本目標V 生活の再建や自立した日常生活の支援への取り組みの充実
近年の厳しい雇用・経済情勢の中、市区町村社協をはじめ民生委員児童委員、関連機関・団体等との連携により、生活福祉資金貸付事業を通して、失業者や低所得者等に対する支援を行いました。また、生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者自立相談支援事業を開始しました。

推進項目5 低所得世帯や障害者・高齢者世帯等の生活の再建や自立に向けた支援
○ 生活福祉資金貸付事業では、本年度より開始となった生活困窮者自立支援制度との連携に向け、説明会や研修会等を開催し、必要な連絡調整を行いました。また、ブロック別の生活福祉資金貸付事業事例検討会の充実を図り、相談・支援の質の向上に向けて取り組みました。
○ 本年度より開始となった生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者自立相談支援事業(町村部)では、個別相談・支援の実施とともに、関係機関の理解促進に向け積極的に情報提供等を図るとともに、県内の自立相談支援機関の研修会や担当者会議などを開催し、情報共有や連携を進めることができました。

基本目標W 神奈川県社会福祉協議会の体制整備と機能強化
 幅広い関係者の意見を経営や事業運営に反映させるため、理事会や各種委員会、事務局相互の連携のもとで事業に取り組み、より多くの社会福祉関係者の参加を得るため、法人・社会福祉施設の加入を促進するとともに、共通課題の解決に向け、政策提言活動等の充実を図りました。また、次期活動推進計画の策定にあたり、多様な主体の交流・協議の促進や福祉・介護人材の育成、災害時対応等の機能を踏まえた県域拠点の整備を重点課題の一つに据え、今後の取り組みの方向性を理事会等で確認しました。

推進項目6 神奈川県社会福祉協議会の経営・運営体制整備
○ 会員の加入促進に向けて、本会事業の理解促進のための資料作成・配布などの働きかけを行い、正会員、賛助会員ともに入会促進に取り組むとともに、多様な社会福祉関係者の参画に向けた課題の整理を進めました。
○ 次期活動推進計画策定委員会では、理事会や各種委員会での議論の経過や事業評価で明らかにされた課題等を反映させながら、新たに平成28年度から31年度までの目標と事業展開を示した活動推進計画を策定しました。

推進項目7 情報発信機能と政策提言機能の強化
○ 多様な主体が参加する本会の特性を生かして、福祉に関する幅広い情報や課題を収集するとともに、関係機関・団体とのつながりを生かした本会の事業・活動を機関紙やホームページにおいてわかりやすくかつ迅速に提供するよう努めました。
○ 政策提言活動について、分野を横断する共通課題と分野別課題の2方向から課題を整理し、分野や種別を越えて課題の共有化を進めることができました。また、課題共有に向けたシンポジウムでは、会員をはじめ様々な福祉関係者の参加を得ることができ、注視すべき課題や福祉ニーズ等についてともに考える機会となりました。

   平成28年度は、これまでの事業成果や課題を継承しつつ、政策提言活動等から見えてきたニーズなどを踏まえ策定した新たな活動推進計画の初年度となります。計画事業の実施にあたっては、これまで以上に本会会員各位、関係者の皆様からのご協力・ご参加をいただきながら取り組んでいく所存でございますので、より一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

   平成28年5月


社会福祉法人現況報告書
 本会では、毎年、社会福祉法第59条及び社会福祉法施行規則第9条のj規程に基づき、組織概要、事業概要、財産の所有状況等をまとめた「社会福祉法人現況報告書」を所轄庁に提出しています。